暇人のでたらめスケッチ

スケッチ&ハンドメイド
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干物になれば

2006-12-22 | 静物
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         干物になれば 泳げないけど
         ふるさとの遠い海を 思い出すよ
             母さんとアサリをほったよ 
             潮風が冷たかったよ
             姉さんと浮き輪で遊んだよ
             おぼれそうになったよ
         船に乗ってふるさとを離れたよ
         海は輝いて まぶしかったよ

             

何もかものみこんで

2006-09-15 | 静物

  「さほど とりえのない野菜だよ」
  そんな事を言う人もいたよ
  無口で地味で不細工なこの野菜は
  太陽も空も悪口も何もかものみこんで
  大きくなったんだね
  静かな実り  冬がん

             今頃の野菜なのになぜ冬がん?                       

スニーカー

2006-08-15 | 静物
                           歩いて
                           走って
                           立ち止まって
                           振り返って
                           風の後ろ姿を見送った

咲き誇る花を見つめるように

2006-07-30 | 静物
★写真タイトルを入力します遠方へお見舞いに行って
あたふたと病室に駆け込み
そのかわり果てた姿に内心唖然として
それでも気を奮い立たせ
病人の手を握り
「私がわかる?」とせきたてる
・・・・・もうやめましょう・・

咲き誇る花を見つめるように
穏やかに
そばに立ちましょう
一番長く付き添った者だけがわかる息遣いで
病人はあえぎながら
「心配しなくていい・・ありがとう・・」と繰り返す

咲き誇る花の 水の音をきくように
静かに
静かに
その人の生きてきた足音を聞きましょう
やさしく手を握って



ミシン

2006-06-22 | 静物

かすり傷を負った心のほつれを縫いとめて
破れた夢をはぎ合わせる
指先が覚えている布に触れる喜び 
糸と遊ぶ楽しさ 
こんな物が出来たよ 
どう 似合ってる? 
精一杯胸を張って 
背伸びして 
風の中を歩いてみる

ポピーの花の散る頃は

2006-02-27 | 静物
ポピーの花の咲く頃は 春は名のみの風の寒さよ 谷の鶯鳴かないけれど 隣のポチがないている ポピーの花の散る頃は 遠くトリノの氷上で 舞姫華麗に舞うたびに 薄い花びらはかなげに ハラハラ命を終えてゆく 枯れ行く姿もいとおしく 言葉にならない花びらの 声なき声を聞きながら 新たな季節の静かな予感 終わる事は始まる事