----- 朝日新聞記事より --------
「自宅が全焼した。5000万円の火災保険に入っていたが、4000万円しか出ないと言われた」
国民生活センターに7月、西日本の50代男性からこんな相談が寄せられた。10年前の新築時より評価額が下がっていたことが原因だった。
日本損害保険協会によると、建物の評価額は一般的に築年数が古いほど下がる。物価変動によっても下がることがあり、新築時の契約金額のまま継続し続けていると、いつの間にか超過保険になっている可能性がある。
損保会社や代理店は、契約更改時に評価額を見直すことを原則としている。だが、大手損保会社の広報担当者は「実際には、前回の契約金額のまま継続申込書を郵送するだけですませることが多い」と証言する。
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横浜市の女性会社員(35)は03年3月、中古のワンルームマンションを680万円で購入し、大手損保会社で500万円の火災保険をかけた。毎年郵送されてくる申込書に判を押して返送し、契約を更新してきた。
今年5月になって、知人に「500万は高い。土地代も入っているのでは」と指摘された。大手損保会社に尋ねると、建物だけの評価額は250万円と判明。超過部分の保険料計約1万4000円を返してもらった。
「現場の実感としては、超過保険は常態化している」。ある損保代理店の営業担当者はこう打ち明ける。「保険料の約2割が代理店の手数料になるから契約金額は高いほどいい。こちらから超過を指摘することは、まずありません」
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「保険料全額と遅延利息をお返しします」
今年6月、東京都内で飲食店を経営する男性(39)の前で、大手損保会社の営業課長が頭を下げた。翌月、追加で10年間払い続けた保険料計約57万円が戻ってきた。
男性は92年12月、東京都大田区に分譲マンションを3300万円で購入。損保会社で期間30年の火災保険をかけた。契約金額は建物の評価額と同じ1000万円だった。
3年後、大手損保会社の代理店に保険加入を勧められた。すでに1000万円をかけていると話したが、担当者から「購入額程度までなら大丈夫」と言われ、2500万円分を追加で入った。
ところが昨年暮れになって、別の代理店から「建物の評価額を超える契約は無効」と指摘された。代理店はすでに廃業していたため、大手損保会社に問い合わせると、契約時から超過保険だったことが判明した。
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火災保険には時価額・再調達価額がありますのでご説明いたします。
価額協定特約とは、契約金額を、時価額ではなく再調達価額(建物:新築費、家財:再取得価額)で補償する特約です。この特約を付帯していると、万一火災にあっても自己負担なしで元通りの建物が新築できたり、元通りの家財が購入できます。この特約は、住宅総合保険・住宅火災保険・団地(マンション)保険・店舗総合保険・普通火災保険などに付帯できます。この特約に割増保険料はありません。
建物や家財は経過年数によって時価額が下がっていきますので、火災保険の補償を時価額のままで契約すると、万一の際に支払われる保険金は損害額より低くなります。しかしこの特約が付いていると、再調達価額で補償されることになります。
ただし、この再調達価額の設定を間違えると、万一の時に全額補償されない場合があります。例えば、再調達価額が実際には4,000万円の物件に、保険金額をその半分の2,000万円に設定して契約し価額協定保険特約を付帯していた場合、実際に損害が生じた時にも、損害額の半分しか補償されないことになります。
また、経過年数によって物価などが上昇し、再調達価額が最初に設定した補償額よりも高くなる可能性もあるなど、この特約には注意すべき点もあります。
火災保険に価額協定保険特約を付帯する場合は、保険金額を正しい再調達価額に設定して加入する必要があります。
朝日新聞に多少誤解を招くような部分がございますのでコメントさせていただきます。
万が一の火災事故で十分な補償をうるにはもう一度お住まいや家財が確保できる保険がお勧めで「再調達価額」での補償で「価格協定」をしっかりしておく必要がございます。
ご希望者の方には証券診断をさせていただいております。