コロナ感染の拡大で、実家へ帰れない状態が続いています。
これは、私だけではなく日本中、世界中の方が大変な思いをされています。
しっかりご飯を食べているだろうか?
洗濯や掃除はできているだろうか?
夜は眠れているだろうか?
などなど、心配は尽きません。
そんな毎日の中で、電話の声だけが母の状態を知る手段です。携帯は使えますが、スマートフォンは、もちろん使えません。
スマートフォンが使えれば顔を見ながら話をしたり、メールのやり取りができるのですが、高齢の母にそれを教えるのは最初から諦めていました。携帯が使えるだけで十分だと思っています。
日中の明るい時間帯は、それなりに時間が過ぎていくでしょうが、一人暮らしの夜は長い。ましてや高齢になると、それが強く感じると思います。
私も昼間は仕事で、電話をする事ができませんので、もっぱら電話は夜です。電話の内容は、最初は母が一日あった事を話します。
「お隣の○○さんが、おはぎを持ってきてもらったの」
「また、あの野良猫が歩き回っていたのよ」
「日が少し長くなった気がするのよ」
など、最初は私が相槌を打つだけで、母が話をしたい日常の話です。母の日常は毎日、同じ事の繰り返しです。それが、デイサービスに行く日だけ非日常になります。
デイサービスへ行った日は、最初に母が言いたい事を聞きます。母の言いたい事を全部聞いた後で、デイサービスの様子を聞きます。
「今日は、どんな服を着ていったの?」
「今日は、参加者は何人だった?」
「今日の昼食は、何が出たの?」
「今日のお勉強は、どんな質問が出たの?」
(簡単な算数や国語のミニテストがあるそうです)
その日の事を知らない私に説明が必要な事を質問をします。
「言いたい事」を話する時の脳の働きと「知らない相手に説明する事」を使う時の脳の動きは違うと思ったからです。
いつだったか、ドラマの内容を簡潔に知らない人に説明する事が、頭の活性化に繋がると聞いた事がありました。
母が言いたい事を聞く事に加えて、デイサービスの状況を知らない私に説明する事は、きっと認知症の対策になると信じて続けています。
聞いていて、母が言いたい言葉が出てこない事があります。例えば、料理の名前、施設の担当者の方の名前などです。
その時、分かっていても分からないふりをします。我慢して、母からの言葉を待ちます。少し待てば、思い出すことがほとんどです。母はホッとしてように話し続けますが、私も同じようにホッとします。
これをずっと続けています。
医学的に効果があるかは分かりませんが、効果があるに違いない!と信じて続けようと思っています。
これからも、遠距離介護は続きます。
もうすぐ春です。
母と一緒に、車に乗って菜の花を見に行きたいです。
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