愛媛県バスケットボール協会 審判委員会

愛媛県バスケットボール協会 審判委員会からのお知らせ

令和元年度第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウィンターカップ2019)

2020年02月08日 | 連絡先
                      審判講習会 参加報告書
                            令和元年12月26日   
                          報告者 川村 貴昭 

 この度参加しました、審判講習会について報告します。
講習会名
(大会名)
令和元年度第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウィンターカップ2019)
報告者
川村 貴昭  (社会人連盟)
期 日
令和元年 12月 24日(火)  から  令和元年 12月26日(木)
会 場
武蔵野森総合スポーツプラザ、エスフォルタアリーナ八王子
参加者
全国都道府県派遣審判員、本部審判員、開催地およびその他審判員
報告1
共有事項
1. 試合前のコーチのサインについて    
試合中、指揮をとる人が必ずサインをする。サインは、審判に促されなくても、試合前にコーチ自らTO席に行き、スタート5 人とキャプテンをスコアラーに連絡する。 
2. 試合中に立ち続けることについて
コーチまたはAコーチのどちらか1人だけが試合中立ち続けて指示をしてもよい。ただし、Aコーチは審判に話しかけたりすることはできない。 
3. チャージド・タイムアウトの請求について
コーチまたはAコーチが、定められた合図をして請求する。「ショットが入ったらタイムアウト」というような請求はできない。キャンセルする時も、TO 席のスコアラーに申し出る。 
4. 交代の請求について
ゲームができる用意をして、交代要員本人が直接、スコアラーに請求する。ゲームキャプテンが交代する場合、次のゲームキャプテンをコーチが伝える。
5. コーチ、Aコーチ、マネージャー、引率教諭、交代要員のマナーについて
試合中はベンチに座る。(選手、マネージャー、チーム関係者) ユニフォームはパンツの中に入れる。(審判に注意されなくても、自らが行う) 装飾品に関しては一切身につけない。指の爪に関しても注意する。 
6. 試合のスムーズな運営について各ピリオドの開始・タイムアウト後の再開について、ブザーが鳴ったら直ちにベンチを出て試合が開始できるようにする。

インテグリティ関係含め試合中の振る舞いに対して
①バスケットボールの価値を下げないために、RFGに反する見苦しい振る舞いはなくしましょう
②【それはそれ、これはこれ】もし判定が間違っていたと感じてもクレームおよび審判に対する侮辱行為はTFです
③TFはNF同様シンプルに判定するのでコーチのみなさんが感情的にならないでください とお伝えします。そこで、以下審判員の確認事項
1.試合をスムーズに運営し、ベンチ・選手・TO をコントロールするのは審判員の責務。
2.ベンチおよび選手のコントロールとして、TF の適用については NF と同様ルールブック、プレーコーリングガイドライン に則り粛々と判定。
3.インテグリティ案件 TF(コーチの選手に対する暴力的行為および暴言)は、RFG に反する見苦しい振る舞いの ひとつとして粛々と判定。
4.本大会は、全試合TV中継となり、また多くの観客が来場する大会であり、見苦しい振る舞いに対するTF(インテグリテ ィ案件含む)については、観客・一般の方々も知っている。そして JBA が推進する【暴力暴言根絶】については、保護者、一般の方々が非常に関心を持ち、推進に期待をしている。
5.審判員にとっての最大のリスクマネジメントは、ルールブック、プレーコーリングガイドラインに則り判定する事。4 で 記載した件について、明らかな状況に対して判定しないことが審判員に対しての不信感、批判の対象となる。 
6.ただし、審判員は決して感情的になることなく粛々と判定をする。
報告2
ゲーム1
男子1回戦

□ゲーム  日時 12月24日(火)17時20分
       國學院大學久我山(開催地・東京)対 出雲北稜(島根)

CC 佐田 幸一(山梨)
U1 川村 貴昭(報告者)
U2 大嶋 将之(岡山)
■ポスト・ゲーム(主任より)
試合の全体的な印象としては、スムーズに展開されていく中で、國學院大學久我山の高さがやや出雲北稜を上回り、無時に試合が終わった。その要因としては、外から見ていて安心するレフリングと関わり方でゲームを導いた3人の力である。強いメカニクスを実践し、大きなミスなく取り組んでいる。次のステージにも挑戦できる良い雰囲気を持っており、そのための次への課題とヒントについて以下に述べる。試合中におけるほんの数回の局面ではあるが、そこでの勇気と決断力が必要であり、プライマリテイクの観点からも言うと、そのプレイは誰が判定すべきであったか(自分が判定すべきだったのではないか)。CCM(クルーチーフメンタリティ―)にもつながってくるが、自分のプライマリでのプレイをしっかりと強く判定していく、そこにメッセージを持つことをこれからも大切にしてほしい。きっと試合中に自分で残っているものが2、3あるはずなので、それを検証して次に活かしてほしい。
報告3
  振り返りと
準備
【試合後の振り返り】
ゲーム1の後、主任の方からのご助言、そしてクルーでの振り返り等を踏まえて、試合映像を見て振り返りを行った。
今大会は「スポーツナビ」において全試合TVが入っており、生中継、そして試合後すぐに「見逃し配信」ということで自分の担当試合がすぐにアップロードされている。
スポーツナビ〈バスケ〉
https://sports.yahoo.co.jp/basket/
→映像を見る際に意識した点
Breaking down on the Game movie
試合の映像を解剖することの重要性と、各ゲームで3人が協力して映像から学ぶ理由の大切さ
多くの成長は映像を解剖することから始まり、審判員が作り上げている「プロフェッショナリズム」につながる。
 How to break down;
  ・映像の必要なケースを見つける
  ・映像を止めてその場面で誰が何を見ているのかを確認
  ・プライマリとアングルを確認(2つを持っている人がまずは判定をする、プライマリでなくてもアングルを持っている人は判定に参加できる)
  ・映像を少し再生してボールやプレイヤーが移動したところで再度映像を止めて確認
  ・ボールやプレイヤーが移動したことでプライマリやアングルが変わっているかどうかを確認
  ・対応すべきケースに向けクルーでメカニクス等確認、具体的に対応策を共有
 What to look for(何を意識して映像を解剖するか):
  1)そのゲームの中でパートナー同士良くできた場面やケースを見つける
  2)修正や向上が必要なケースを見つける
  3)走り方、歩き方、立ち方、その他コート上でのプレゼンに注意を払う
  4)自分の癖や習慣、立ち位置や場面に合わせた対応、言葉を通さないコミュニケーションなどの確認・修正
  5)基本に沿ったメカニクスやマニュアルが徹底されているかを確認

また、主任の方からもアドバイスいただいたように、試合における重要な局面(自身が決断すべき局面)を探し、メカニクス(エリア、アングル、ポジショニング)、メンタリティの観点等から分析を行った。

【次の試合への準備】
上記同様、スポーツナビの「見逃し配信」を活用し、次の自分の担当するチームの試合の直近映像を確認した。意識した点は、
〇チームの特徴
 ・サイズ、チームのプレースタイル(オフェンス・ディフェンス)
 ・キーマン(スタッツ含む)
 ・ベンチスタッフ
 ・その試合における背景(試合に臨む姿勢、過去の対戦状況)
 ・その他特筆事項
⇒具体的には、
県立豊浦については、サイズの低さを補うためのハイ・プレッシャーディフェンス(オールコート・ハーフコート含む)が見られること。オフェンスとしては5アウト(4アウト)の状態でオンボールスクリーンプレイを多用し、ドライブ中心のプレイを展開する。ドライブインからのキックアウトでコーナーからクイックショット(3P)を多用する。また、スピードを生かしてオフボールプレイヤーはアクションエリアへカッティングするプレイを多用する。フリーでボールを持つインサイドプレイヤーが1人おり、ハードワーカーで献身的なプレイをすることを特筆事項として分析した。
 帝京長岡については、留学生プレイヤー2名の試合への関わり方、それを生かすロールプレイヤーのプレイの選択と展開の仕方。ディフェンスの仕方。ガードプレイヤーのゲームコントロール力、インサイドプレイヤーがタンデムポスト(ハイ・ロー、ミドル・ロー)を形成し、留学生を活用すること等について分析した。
自分なりに情報を分析し、ゲーム2のPGC(プレ・ゲーム・カンファレンス)において情報共有する時間をいただき、両チームの特性や特記事項等について、玉木氏・大井氏と共有した。
それを基に、どのようにメカニクスを適用し、プレイにアジャストしていくかの共通認識を図った。
報告4
ゲーム2
男子2回戦

□ゲーム  日時 12月25日(木)14時
       県立豊浦(山口)対 帝京長岡(新潟)

CC 玉木 彰治(本部)
U1 川村 貴昭(報告者)
U2 大井 陽平(埼玉)
■ポスト・ゲーム(主任より)
1試合通じて一進一退が続く大接戦となり、見ている方も手に汗握る好ゲームで、逆転、最後は大逆転で終え、とても楽しく見させてもらった。試合を通じて気になる点がほとんどなかったが、その中でいくつか3人の協力として試合で気になった点を少しあげていく。クォーターの終わりでファウル・ブザーのタイミングが重なったところにおいて、コーリングオフィシャルのみならず、もう1人(2人)がチームとなって時間の管理、必要に応じて両チームへの説明をするなど、スムーズにできればなお良かった(機材の操作、訂正等への対応含む)。また、タイムアウト後の再開について、接戦ということでベンチの指示が白熱し、少し遅れる場面があったが、しっかりとコントロールすれば良かった。
所感
 今年度のウィンターカップは、出場チーム枠が拡大し、今までとは異なる形での開催となり、様々な変化を重ねている。その中で、U18最高峰の大会であるウィンターカップに初めて参加させていただき、大きなチャンスを与えていただいたことに、まずは深く感謝申し上げます。
 本大会では、高校生バスケットボールの最後の集大成として、白熱した試合が展開されていた。インターハイとはまた違う様相で、チームとしても日々の練習が積み重ねられ、さらに成熟し、完成された状態でぶつかる姿は見応えがあり、素晴らしいゲームであった。試合後の歓喜、そして負けたチームの涙から、それまでのバスケットボールへ懸けてきた想いが改めて伝わってきて、試合に携わるレフリーとしての大きな責務を実感した。
 全国のレフリー仲間とも再会を果たすことができた。それぞれの場所、それぞれの立場で活躍し、努力を積み重ねながら挑戦を続けている姿に、とても刺激をいただいた。自分が歩んできた中で、たくさんのご指導をいただいた方々と再び交わることができ、一層頑張っていきたい。
ハードゲームが展開される中、クルーの支え、プレイヤー・ベンチの理解と協力、そして試合を盛り上げるたくさんの観客すべての方々の力で、グッドゲームにしていただいた。この大きな経験と、次に向けての課題を活かして、引き続き次のステージに向けて挑戦し続けていきたい。
また、今大会の会場では、四国ブロックのチームスタッフの方々から、たくさんの温かい言葉をかけていただいた。四国勢のチームの活躍から、大きな勇気と感動をもらった。立場は異なっていても、同じバスケットボールの仲間として、共に協力しながら歩んでいけるよう努めていきたい。
 最後になりましたが、今大会にあたり、快く送り出していただきました四国・愛媛の協会の皆様、関係各所の審判員の皆様をはじめ、多数の競技運営スタッフの方々、このたびのウィンターカップに関わったすべての関係者皆様に深く感謝申し上げ、私の報告とさせていただきます。本当に有難うございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。


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