11:32 from twicca (Re: @ayu_hibi)
@ayu_hibi まじたのしかったわー! オアフ島さいこーだわー!
12:31 from Tween
ktk
12:42 from Tween
498円のお弁当を食べるよりも、298円のお弁当を2つ食べた方がいいですね
15:01 from Tween
ほげほげ
15:02 from Tween
なんとなくTwitterSSS(ショートショートストーリー)
15:02 from Tween
「スペシャル餃子…?」 ――朝から取り組んでいたレポートを教授に提出し、気づけば夕方。それまで何も口にしていなかった俺は、胃の中を満たすべく、食い物を探しに大学に近い大通りを歩いていた。夕飯の買出しで賑わう店を横目に、何を食おうかと考える。
15:03 from Tween
やっぱラーメンが無難か。どうせなら普段は食わないところで食いたいな。そう思った俺は、大通りから1つ入った通りへ向かった。表より薄暗いこちらの通りには、人の姿はほとんど見当たらない。こんなところに飯屋があるのか?
15:04 from Tween
とりあえずぶらぶら歩いていると、視界の片隅に看板が。そこには『大衆食堂 雷飯店』と書かれていた。いい加減空腹も限界だ。ここにしよう。引き戸を開け、暖簾を潜ると、さほど広くない店内には数名の客がいた。俺はカウンター席に座ると、壁に貼られたメニューに目をやった。
15:05 from Tween
ラーメン、つけ麺、炒飯、定食――大衆食堂の名にふさわしいメニューがそこそこの値段で掲げられている。初めての店なら醤油ラーメンが無難だろう。そう考えていると、並べられたメニューの一番端に貼られた紙に目が留まった。どうやら主人の手書きらしく、そこにはこう書かれていた。
15:06 from Tween
『スペシャル餃子 10個、30分で完食した方には五千円。詳しくは店主まで』 スペシャル餃子。文面で見る限りだと大食いチャレンジか何かだろうか? どの程度の大きさかわからないが、10個を30分と言うのはなかなかキツそうに感じる。
15:07 from Tween
だが。少し気になる。これでも俺は何回か大食い・早食いチャレンジに挑戦したことがあった。その全てで成功した、というわけではないが、これでも自信がある方だ。俺は店主に声をかけた。
15:08 from Tween
「ご主人。そこに書いてある『スペシャル餃子』について聴きたいのだが」「お前さん、挑戦するのかい?」 厨房で中華鍋を振るっていた店主は説明を始めた。「制限時間はそこに書いてあるように30分。食べ終われば賞金5千円。ただし、時間を過ぎた場合は5千円を頂くよ」
15:09 from Tween
「わかった。挑戦しよう。頼む」「あいよ。少し待ってくれ」 ――15分後。お冷を片手にケータイで時間を潰していた俺の目の前に「スペシャル餃子」が姿を現した。皿の上に乗った10個の敵。そいつらを見て、俺は思わず目を見張った。
15:11 from Tween
『普通』 頭に浮かんだのはその二文字だった。1個で10個分の大きさがあるだとか、見た目に奇抜さがあるわけでもない。楕円形の皿に乗ったその餃子達は、他の店やスーパーで売られているような『普通』の餃子に見えた。
15:11 from Tween
「ご主人。これが『スペシャル餃子』か…?」「おう。当店自慢のスペシャル餃子さ。どうした? もっとでかいのを想像していたかい?」 俺の反応を楽しむように店主は笑いながら言う。見た目には際立った特徴がない。ということは――
15:12 from Tween
味、か。恐らく、とてつもなく激辛な餃子だとか、そういった感じなのだろう。一口食べれば、二口目など食べたくもなくなるような。だとしたら困る。俺は辛いものが苦手なのだ。これは厳しい食事……否、「戦い」になりそうだ…
15:14 from Tween
「さぁ、それじゃあ箸を置いて。制限時間は30分だ。ちなみにルールが2つある。一つは利き手で持った箸しか使ってはいけないこと。残りの片方の手で皿を持つのはなしだ。もう一つは餃子を皿の外に落としたら、その時点でアウト。いいね?」 俺は頷いた。
15:14 from Tween
「じゃ、よーい…始め」 店主が合図を切ると同時に、俺は箸を持ち、餃子をとりにかかった。どんな味かはわからないが、先ほどからいい香りを放って俺の胃を刺激している。これは不味いはずがない。箸の先端が餃子を掴んだ。そのとき…
15:16 from Tween
――つるん。箸に触れた餃子が、まるで掴んだ手から逃げるウナギのように逃げたのである。再び箸を伸ばし、餃子をとろうとするが―つるん、つるん。一向に取ることが出来ない。こ、これは一体……
15:16 from Tween
「ご主人。これは…」俺をにやにやと見ている店主が言った。「気づいたかい? その餃子は見た目も、味も普通の餃子とほとんど変わらない。じゃあ何が違うのか? その餃子はな“箸で掴み取るのが難しい餃子”なんだよ」「なん…だと?」
15:18 from Tween
「その餃子を焼くために使った油と、具を包んでいる皮は俺が独自に作り出したものでな。その二つが組み合わされることで、餃子表面の摩擦係数を限りなくゼロにしてしまうのさ!」「!?」 …俺は理解した。そういうことだったのか。
15:19 from Tween
これは30分以内に完食するのは相当困難だろう。何せ、口まで運ぶことが出来ないのだ。餃子に箸を突き立てようとも、つるんつるん。平行に揃えた箸の上に乗せようとも、わずかな手先の震えでいとも簡単に滑り落ちてしまう。
15:21 from Tween
皿を持って、口元まで持ってきてしまえば食べることは可能だろう。しかし、それはルールで禁じられている。5分、10分、15分―― 一向に掴むことの出来ない餃子を相手に時間だけが過ぎていく。空腹による苛立ち、焦り…それらが序々に俺から集中力を奪っていく。
15:22 from Tween
「残り10分」 店主が告げる。くそっ、なんだこの餃子は…! 俺は一口も食べることが出来ないまま5千円を失ってしまうのか…? 一人暮らしの貧乏大学生の5千円がどれほど貴重なものなのか…この金額を払えば、かっぱ寿司で50皿も食えるというのに…!
15:23 from Tween
――いかん。落ち着け、落ち着くんだ…こいつには正攻法で挑んでも無理だ。何か、何か別の手を…箸を止めた俺を店主は無言で見つめる。
by EkitaiT on Twitter
@ayu_hibi まじたのしかったわー! オアフ島さいこーだわー!
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498円のお弁当を食べるよりも、298円のお弁当を2つ食べた方がいいですね
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ほげほげ
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15:02 from Tween
「スペシャル餃子…?」 ――朝から取り組んでいたレポートを教授に提出し、気づけば夕方。それまで何も口にしていなかった俺は、胃の中を満たすべく、食い物を探しに大学に近い大通りを歩いていた。夕飯の買出しで賑わう店を横目に、何を食おうかと考える。
15:03 from Tween
やっぱラーメンが無難か。どうせなら普段は食わないところで食いたいな。そう思った俺は、大通りから1つ入った通りへ向かった。表より薄暗いこちらの通りには、人の姿はほとんど見当たらない。こんなところに飯屋があるのか?
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とりあえずぶらぶら歩いていると、視界の片隅に看板が。そこには『大衆食堂 雷飯店』と書かれていた。いい加減空腹も限界だ。ここにしよう。引き戸を開け、暖簾を潜ると、さほど広くない店内には数名の客がいた。俺はカウンター席に座ると、壁に貼られたメニューに目をやった。
15:05 from Tween
ラーメン、つけ麺、炒飯、定食――大衆食堂の名にふさわしいメニューがそこそこの値段で掲げられている。初めての店なら醤油ラーメンが無難だろう。そう考えていると、並べられたメニューの一番端に貼られた紙に目が留まった。どうやら主人の手書きらしく、そこにはこう書かれていた。
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『スペシャル餃子 10個、30分で完食した方には五千円。詳しくは店主まで』 スペシャル餃子。文面で見る限りだと大食いチャレンジか何かだろうか? どの程度の大きさかわからないが、10個を30分と言うのはなかなかキツそうに感じる。
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だが。少し気になる。これでも俺は何回か大食い・早食いチャレンジに挑戦したことがあった。その全てで成功した、というわけではないが、これでも自信がある方だ。俺は店主に声をかけた。
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「ご主人。そこに書いてある『スペシャル餃子』について聴きたいのだが」「お前さん、挑戦するのかい?」 厨房で中華鍋を振るっていた店主は説明を始めた。「制限時間はそこに書いてあるように30分。食べ終われば賞金5千円。ただし、時間を過ぎた場合は5千円を頂くよ」
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「わかった。挑戦しよう。頼む」「あいよ。少し待ってくれ」 ――15分後。お冷を片手にケータイで時間を潰していた俺の目の前に「スペシャル餃子」が姿を現した。皿の上に乗った10個の敵。そいつらを見て、俺は思わず目を見張った。
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『普通』 頭に浮かんだのはその二文字だった。1個で10個分の大きさがあるだとか、見た目に奇抜さがあるわけでもない。楕円形の皿に乗ったその餃子達は、他の店やスーパーで売られているような『普通』の餃子に見えた。
15:11 from Tween
「ご主人。これが『スペシャル餃子』か…?」「おう。当店自慢のスペシャル餃子さ。どうした? もっとでかいのを想像していたかい?」 俺の反応を楽しむように店主は笑いながら言う。見た目には際立った特徴がない。ということは――
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味、か。恐らく、とてつもなく激辛な餃子だとか、そういった感じなのだろう。一口食べれば、二口目など食べたくもなくなるような。だとしたら困る。俺は辛いものが苦手なのだ。これは厳しい食事……否、「戦い」になりそうだ…
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「さぁ、それじゃあ箸を置いて。制限時間は30分だ。ちなみにルールが2つある。一つは利き手で持った箸しか使ってはいけないこと。残りの片方の手で皿を持つのはなしだ。もう一つは餃子を皿の外に落としたら、その時点でアウト。いいね?」 俺は頷いた。
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「じゃ、よーい…始め」 店主が合図を切ると同時に、俺は箸を持ち、餃子をとりにかかった。どんな味かはわからないが、先ほどからいい香りを放って俺の胃を刺激している。これは不味いはずがない。箸の先端が餃子を掴んだ。そのとき…
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――つるん。箸に触れた餃子が、まるで掴んだ手から逃げるウナギのように逃げたのである。再び箸を伸ばし、餃子をとろうとするが―つるん、つるん。一向に取ることが出来ない。こ、これは一体……
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「ご主人。これは…」俺をにやにやと見ている店主が言った。「気づいたかい? その餃子は見た目も、味も普通の餃子とほとんど変わらない。じゃあ何が違うのか? その餃子はな“箸で掴み取るのが難しい餃子”なんだよ」「なん…だと?」
15:18 from Tween
「その餃子を焼くために使った油と、具を包んでいる皮は俺が独自に作り出したものでな。その二つが組み合わされることで、餃子表面の摩擦係数を限りなくゼロにしてしまうのさ!」「!?」 …俺は理解した。そういうことだったのか。
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これは30分以内に完食するのは相当困難だろう。何せ、口まで運ぶことが出来ないのだ。餃子に箸を突き立てようとも、つるんつるん。平行に揃えた箸の上に乗せようとも、わずかな手先の震えでいとも簡単に滑り落ちてしまう。
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皿を持って、口元まで持ってきてしまえば食べることは可能だろう。しかし、それはルールで禁じられている。5分、10分、15分―― 一向に掴むことの出来ない餃子を相手に時間だけが過ぎていく。空腹による苛立ち、焦り…それらが序々に俺から集中力を奪っていく。
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「残り10分」 店主が告げる。くそっ、なんだこの餃子は…! 俺は一口も食べることが出来ないまま5千円を失ってしまうのか…? 一人暮らしの貧乏大学生の5千円がどれほど貴重なものなのか…この金額を払えば、かっぱ寿司で50皿も食えるというのに…!
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――いかん。落ち着け、落ち着くんだ…こいつには正攻法で挑んでも無理だ。何か、何か別の手を…箸を止めた俺を店主は無言で見つめる。
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