この春、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が四面楚歌(そか)
の状態となっている。
文大統領の味方はどこにもいない。ほぼ門前払いの状況だ。
PM2.5をはじめとする粒子状物質が猛威を振るったのは先週だ。
文大統領は「中国と協力案を用意せよ」と指示した。
ところが、中国外務省報道局長は
「科学的根拠を示せ」とコメントしたのだ。
文大統領は「韓中両国が協力できるようにせよ」という
公式に発言をしたはずだった。
ところが、中国の習近平国家主席がこれに反応を示さない。
一介の外務省報道局長がしかり飛ばし、突き放したのだ。
韓国大統領が「共助」を口にしたのに、
中国外務省報道局長が「根拠を出せ」と言ったのだ。
韓国の一般国民ですらきまり悪く苦々しいのに
、韓国大統領府にしてみれば言わずもがなだ。
ベトナム・ハノイで行われた米朝首脳会談が決裂した翌日、
文大統領は「金剛山観光と開城工業団地事業再開案も米国と協議する」と言った。
ところがその数日前、米国務省当局者は、
北朝鮮・東倉里のミサイル発射場に関する質疑で、ある記者から
「金剛山観光と開城工業団地事業に対する制裁免除を検討しているか」という質問を受けた。
すると米国務省当局者は一言、「ノー(No)」と答えた。
この当局者は匿名を前提に記者会見したので実名は明らかにできないが、
韓国でもよく知られている人物だ。
文大統領が金剛山観光・開城工業団地事業再開を「協議」すると言ったのに、
次官補クラスのこの米国務省当局者は何の説明もなく
一言で「ノー」と黙殺した。恥ずかしいことだ。
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国際社会で文大統領が「仲間外れ」にされていると言われるようになって久しい。
一昨年に文大統領が北朝鮮に800万ドル(約8億9000万円)の
人道支援をすると言ったところ、
同年9月の韓米日首脳会談で仲間外れにされたと米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。
英語で「odd man out」という表現だ。
その後も、文大統領が中国に行った際は何度も一人で食事をする
「一人飯外交」だと皮肉られた。
昨年10月のアジア欧州会議(ASEM)で
各国首脳たちが記念写真を撮る時、文大統領が来るのを待たずに
撮影が行われ、写真に入れなかったということもあった。
今回のハノイ米朝首脳会談では、米国の見解が完全に
「ビッグディール(非核化一括妥結方式)」に転じ、
決裂する可能性もあるということを韓国大統領府はその30分前までまったく知らず、
「6.25戦争(朝鮮戦争)終戦宣言」の可能性があるなどとんでもないことを言っていた。
米国が現在、文在寅政権とリアルタイムで情報を共有していない証拠である。
文在寅政権は、米当局者から直接連絡を受けているのではなく、
現地の報道を見て知ることがほとんどのようだ。
文大統領は一つ勘違いをしていることがある。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の味方をし、
金委員長の見解を代弁しながら
米朝間の仲介者になれるという勘違いだ。
実際には、トランプ米大統領が文大統領を信頼していなければ、
金委員長も文大統領を重視しない。
米国が文在寅政権を信じず、情報も共有せず、
金剛山観光・開城工業団地事業に一言で「ノー」という状況ならば、
金委員長も文大統領を重視せず、「別に…」と無視できる。
トランプ大統領に対して文大統領が何の説得力も持っていないなら、
金委員長も文大統領にもうこれ以上、頼らないだろう。
米国で由来不明のドローンが
とんでいた。
見事4億円のパトリオットが、
2万円の、ドローンの破壊に成功した。
命中精度がよいのは
わかるが。
もっと、安価な方法はなかたのだろうか。