Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

「宇宙船地球号」山本敏晴さんのお話 Part2

2006-07-07 11:02:54 | Weblog
先日ご紹介した山本敏晴さんが、6日に学校保健会総会都築支部で講演をなさいました。

一般公開はないとのことでしたが、問い合わせたところOKをいただきました。

体格のがっちりとした、けれど温和に見えるお姿と、
お話になる内容のキビシサとの間のギャップは、
向き合っていることの難しさと大きさを物語っていると痛感しました。

演題は「世界で一番いのちの短い国から 今、世界に目を向けること」でした。

始めに、アフリカの地図を見ながら、いろいろな国のことをお話してくだって
シエラレオネの子どもたちの屈託のない笑顔の写真や
何の特別な道具がなくても、工夫しながら生き生きと遊んでいる様子や
お米を作って主食にしているという、どこまでも緑の田んぼの広がる
とても美しい風景の写真を、ご紹介してくださいました。


それは、私たちが昔の記憶のもっと奥のほうに、しまいこんでしまっていたような
懐かしさを思い起こさせる、ほんとうに“美しい”情景に見えました。

(シエラ=山 レオネ=ライオン というポルトガル語の国名の由来と
けれど、そこにはライオンはいない…というお話もとても意味深いです。)


そして、その国の平均寿命が約35歳で
5歳まで生きることのできる子どもの割合が、
生まれたこどもの35%という大変な状況にあることは
とうてい、その笑顔や風景からは、想像できないように感じました。

その原因は、さまざまであることと、
具体的な外的要因と、私たちの誰しもが持っている「人のこころ」に起因するものとを
わかりやすく明確にお話してくださいました。

さらには、私たちが普段日本で暮らしている中で
そのことにまったくといっていいほど気づかずにいることも、教えてくださいました。

「無関心と無知」ということのおそろしさを、知ることが大切なのかもしれません。

(実際の写真を、見せていただいてお話いただくので
本などからは、イメージできないもっともっと悲惨な状況を知ることになりました。

このときの私は、とてもつらいものが目の前に現れてきて
涙があふれ出てくる自分に、どうしてよいのかわからない戸惑いを感じていました。)


つぎに、山本さんが実際にシエラレオネで医療に携わり、病院や学校をつくり
チームとして活動をなさりながら、現地のスタッフを育てていらっしゃっても

ご自分が帰国したあと、それらが実際に根付いているのかということに
大きな疑問と問題意識を持っていらっしゃることをお話になりました。

結局『ほんとうに意味のある国際協力とは何か?』ということについて
いまも、ずっと問い続けていくことになったのだそうです。


答として、戦争や内戦のない『政治』の安定
    
その国の人々の価値観を尊重した上での『経済』的援助

地球規模での「持続可能な社会」を実現できるような『環境』への配慮

そして実際の『医療』活動、さらにはすべてに通ずる『教育』ということを

考えたそうです。

この『政治・経済・教育・医療・環境』の五つの分野の仕事を

国際協力機関に携わっている人だけではなく
普通の会社員であれ、消費者であれ、世界中のすべての人々が
自分のいまいる場所で、世界の未来のことを憂いながら
少しずつできることを行っていくこと・・・

これしかないだろう、という考え方にたどり着いたそうです。


このような、世界に目を向けた働きかけについて
子どもたちを含めた多くの方に知っていただく活動をするために

世界のために働きたい人のためのガイドブックとして
「世界と恋するおしごと」という本をお書きになったり
あちこちで、講演をなさっているそうです。

いろいろな形で、若い方やシニアの方々が実際に活動していることも
ご紹介くださいました。

また、日本にいる私たちが、日常のいろいろな買い物をする時にも

環境に配慮した企業の取り組みを消費者として知り、消費行動における選択を通して
環境へのアプローチができるという手立てを、明示してくださって
今すぐにできる国際協力の方法が見えてきました。

さらに、いま教育という大げさなことではなくても
毎日の会話やニュースを見る中で、いろいろなことについて
子どもたちに、その意味をできるだけ偏りのない真っ直ぐな視点から
わかりやすく話してあげるといいのでは・・・とおっしゃっていました。

また、いろいろな国の子どもたちに

『あなたの大切なものはなんですか?』と問いかけて
絵を描いてもらう『お絵描きイベント』をなさっています。

この趣旨は、子供たちの目から見た、世界の多様性を、お互いに知り合おうというもので
また、逆に、国や文化が違っても、共通する「大切なもの」を探そう、というものだそうです。

ちなみに、

会 期:2006年11月03日(金)~11月19日(日)

あなたのたいせつなものはなんですか?・・・カンボジアより

会 場 独立行政法人 国際協力機構 JICA横浜横浜国際センター1F
            〒231-0001  神奈川県横浜市中区新港2-3-1

主 催 (特活)地球市民ACTかながわ/TPAK

お問い合せ TEL&FAX 045-622-9661 いごた E-mail port@tpak.org
内 容 カンボジア、B3額入り50枚前後   一般公開、入場無料 とのことです。



ところで「最後に、良い機会なので、何か、ご質問がありましたらどうぞ。」
という司会の方のお声かけがあり

いま振り返って、よく考えてみたら
部外者の参加でしたのに、思わず手を挙げてしまいました。

「国際協力」と「sustainability」を結び付けた考え方にとても 共感したこと

このようなお話を、子どもたちにする時のこと、キーワードのようなものについて

また、そのお話を聞いた子どもたちの反応についてご質問いたしました。


子どもたちの集中力を考えて、40分ほどでお話しする難しさはあるそうで

何かに偏ることなくお話しすること、あまり過激なシーンなどは使えないこと、

また、出来上がってしまっている大人に対するよりは

子どもたちのほうが
(おそらく、いろいろなことに規定されていない感性や思考のために)
語りかけている内容についての、理解はしやすい印象があるというような
お答をいただきました。



いま、地球にいろいろな人たちが生きていることを感じながら

自分のいるこの場所からでもできることを

ひとつずつ、少しずつでも、迷いながらも行動し続けること・・・を

私自身もつよく心に想い、皆様にもお話したいと思いました。



ぜひ機会がありましたら、

身近な方や子どもたちと、そんなお話をなさっていただけたら…と想っています…



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2 コメント

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Unknown (ぴーまん)
2006-07-07 13:17:04
今日は、嬉しいコメント、ありがとうございました♪

一つ目の記事を読んだ時に、お伝えしようかな?とも思ったのですが、おせっかいかな?と思って、その時はやめました^^;



でも、風待人様なら、通じるかな?と思って・・・

4月に、

『私の兄』 http://soudayo.cocolog-nifty.com/dayo/2006/04/post_7a07.html

『心の飢餓』 http://soudayo.cocolog-nifty.com/dayo/2006/04/post_6256.html



という、記事を書いています。良かったら、見てやってください。



私たちの身の回りにある問題も、外の世界にある問題も、『心』なのかな?とか、思います。

私自身は、そのような現地に行った事はないですが、本を読んだり、お話を伺うことで、「曲がった?歪んだ?正義」と、「心の飢餓」の、なんていうか、接点、のようなものを感じます。



子供達には、自分の周囲のことだけでなく、広い世界を見る力を養って欲しいですし、何処にでも、「行っておいで!」と、追い出せる、母になりたいと思います。
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記事読ませていただきました! (風待人)
2006-07-07 16:03:16
ぴーまんさま



このお話は、ほんとうに自分自身を省みながらも



いまの自分にできることを、見つけていくしかないことを

思い知らされますね・・・



のびたくんは、スゴイです。



ウチのkirikouにも、自分自身の中にもあるものと向き合う



『つよさとやさしさ』を育ててほしいと想いますが・・・



何事もけっして押し付けには、ならないように心がけたいです。



“はは”も、まだまだ学ぶことの多きかな・・・デスね!

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