Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

学会二日目・・・その2

2007-11-27 12:08:43 | Weblog
火曜日の朝…昨日の青空とはうって変わって…少し明るめの曇り空になりました。

「LD学会第16回大会」もたくさんの参加者がいらしてくださって
(会場設定など…イロイロな反省点はあったとは思いますが)

子どもたちの健やかな育ちや学びについて、有効な手立てを探り、新たな知見を深め
また学校での先生方の具体的な指導に結びつく、
保護者にとっても新たな気づきや展望を得ることのできる
実り多き研鑽の場になったことと想います。

(お話は、まだ「学会2日目」に向けて家を出たところまでになっていますが
できる範囲で…手短に…私にとって、気になった点など書いておこうと思っています。)

(横浜駅のホームで、偶然双子のママさんと会えたので
ご一緒に…というよりも、方向に不安のある私はひたすらついていくまま…)

まず自主シンポ19の「アスペルガー症候群の思春期以降のサポートについて 
    当事者の語りを基盤にしたサポートの「質」を考える」に向かいました。

開港記念会館に着く前に、既に外に列ができており

とりあえず中にはいって、2階の会場に向かいましたが
やはり行列ができていました。

またもや、kirikouの教育相談をしてくださった養総のI先生に偶然お目にかかって

(今は、ある教育大学…それも私の大好きな「はま先生」に関連した…というと
どなたかは…お分かりになる方には…ピ~ンときてしまいますが…)

kirikouの近況など、少しだけお話しすることができました。

ポスターセッションに参加していらしたとのこと。

先生もとてもお元気そうで、ますますご活躍のご様子でした。

(お目当てのシンポには入れそうもなくて、
ホールの「SENSE スキルアップセミナー 読み書きのアセスメント」に紛れ込みそうになりましたが

やはり…関内ホールに移動して)

大ホールでの研究委員会シンポジウム
「障害理解の促進~本人への説明を考える」に参加しました。

司会は宮本信也先生(筑波大学)柘植雅義先生(兵庫教育大学)

話題提供者は、山下裕史朗先生(久留米大学)
         相川恵子先生(横浜市立篠原西小学校)
         丹藤登紀子さん(全国LD親の会)


(このところ、横浜市の福祉研修をいくつか受けてきた中でも感じていましたが

障害種別に関わらず、子どものうちから成人になったことも踏まえて

「本人の思いを受け止め、如何にそれを引き出し支えていくのか」という点が

私としてはまだうまく整理はできてはいませんが、とても大切なことだと思っています。)


子どものうちは、保護者がけん引役となって行くのは仕方がありません。

けれど…どんな障害があったとしても…「一人の人としての」

本人の発信している思いを受け止め、
モチロンできることできないことはあるとしても、それを下支えしながら

本人のしたいことや本人にできることを一緒に探して、
それを具体的な何かに結び付けていくこと

それが今私の考えている「支援」ということの姿なのかもしれません。


その上で…次のステップにつなげるための手立てとして

本人の理解できる形で、その障害であったり特性であったりを説明していくこと…

それが大切なのであって、それは決して単なる「診断名を告げる」ことではないように思います。

また、特別支援教室の教師として相川先生がなさっている
「障害のある子どものことをまわりのこどもたちにどのように説明するか」という研究は

その子どもを取り巻く環境や周りとの関係性を考えると、
保護者の受け止め方も含めて
そのことによって、当事者の暮らしやすい環境整備が整うかどうかに
大きな影響がでてくるので、とても大切な視点だと思います。

同じ保護者として「いろいろな場面で障害受容をめぐって気持が揺れることは、よくわかります。

「今、どんな支援があったらいいと思われますか?」という主旨で
丹藤さんに、私からご質問しました。

少しわかりにくい質問になってしまいましたが

おそらく、当事者からはどこかに向けて

(そのどこかを必死で手探りをしながら)「SOSを出していくこと」

そして、それを「キャッチする側のアンテナの感度を上げること」

「出来ることできないことはあっても、『伴走する』気持で寄り添うこと」

が大切なのでしょうか~?

(まだ、私自身も手探り中の現在進行形ですけれど…
とりあえず今のところは、一歩を踏み出す元気があるのが、ほんとうにありがたいです!)

(そうそう!会場で星槎教育研究所の三森さんにお会いしました~!)

次に小ホールに移動して、自主シンポ22の星槎関連の

「自立に向けて
~支援者として大切にしていることこれからするべきこと」で

就労のケースについて、お話を聞きました。

司会は、山本牧子さん(LD発達相談センターかながわ)
話題提供者は、木村理沙先生(星槎学園高等部青葉校)
        矢島正貴さん((社福)すずらんの会 就労支援課)
        井上浩さん(日総ブレイン株式会社 管理部)

指定等論者は、松為信雄先生(神奈川県立保健福祉大学)
  
     
生徒さんのプロフィールは、様々ですが

普通高校の資格を取れるシステムの中で
試行錯誤しながらも、就労に向けた取り組みを取り入れているとのこと。

また、学校や福祉施設から、担当者を介して企業との密接な連携が図られることによって
就労に成功している事例があるという報告がありました。

そのためにも、「職業準備教育」「自己認知・自己理解」を念頭に入れて

本人の得意なことに目を向けて、自己肯定感を底上げしながら

「就労に結び付けていく意欲やスキルを得られるように支援していく」
という方向性が見えてきました。

(終了後、星槎学園の先生とお話をしました。

実は…星槎教育研究所の研究員見習いとして、
ささやかなフィールドワークをしているつもりでおります…
とかいうほどのことは、何もしていないかもしれませんけれど…)

次は、開港記念館に移動して 

自主シンポ24の「本人の思いを重視した特別支援教育のあり方」に参加しました。

(会場を大きいほうの講堂に変更して時間も遅らせたとのことで
会場前で、にじの会のお手伝いの方とお話して、途中から入りました。)

司会は、田中康雄先生(北海道大学)藤田晴美さん(こでまり保育園)

    品川裕香さん(ノンフィクションライター)高山恵子さん(NPO法人えじそんくらぶ)

去年、星槎のスクーリング等で田中先生も高山さん品川さんのお話は伺ったことがありますので

お話は、さらに進化して…素晴らしくって
(タイムタイマーも使用しての)スムーズな進行でした。

「それでなくても発信の弱い、子どもたちからの発信を引き出すために
どのようにしたら、コチラ側のアンテナを磨くことができますか?」
という主旨の質問をさせていただいたところ…

品川さんからは「大人も含めて、どうも感情表現に乏しいので

気持ちを言語化したり、表情を書いたイラストなどを使って気持を表す
トレーニングをすることなどが、効果的ではないか?」とのことでした。

高山さんからは、「ちょこっとチャット」という
コミュニケーションカードゲームのご紹介がありました。

ペアレントトレーニングについても言えることですが、
日本の親子関係にいかにあった形にしていくか…
というあたりも含めて、試行錯誤は必要でしょうね。

(私自身は、実物を確かめておりませんので…
どこかでご覧になったら…判断等は、皆さまにお任せいたします。)


ということで、今回の第16回大会の演題は、これで全て終了でした。


その後、全国からいらしているLD親の会の方を交えての懇親会がありました。

(私自身は、親の会のほうのお手伝いを何もしていなくって、心苦しい気持ちもあって
事前申し込みもしていなかったので、
皆さまにごあいさつだけでもしようかと思って会場に行ったところ…)

一人キャンセルが出たので…参加OKとのこと。

どういうわけでしょう…

宮川少年院院長の小栗正幸先生と全国LD親の会会長の山岡修さんの目の前の席で…

他には福岡や兵庫や岩手の親の会の方がご一緒で

おかげさまで、とても楽しいお話をしながら
美味しいイタリア料理を戴くことができました。

帰りは、にじの会の役員の方と同じ私鉄利用でしたので、イロイロなお話ができました。


(夫とkirikouは、二日ともお夕飯をおばあちゃんのところでお世話になってしまい
ほんとうに助かりました!!)


そして・・・翌25日には、第15回教育研修会が開催されました。

この続きは…(これから、お友だちと約束があるので…)

また後ほどにいたします。

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4 コメント

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講演など (RAM)
2007-11-27 20:17:49
柘植先生はN市で現場の教師をしておられたのですが、ビシバシ物をおっしゃるので、現職の先生達は引いているかなぁ・・・という感じです;
>小栗正幸先生
こちらでも講演会があったのですが、抽選に漏れてしまい涙をのみました~。
返信する
そうでしたか~?! (風待人)
2007-11-27 21:02:40
RAMさま

柘植先生のお話は、一昨年まだ文科省にいらした頃
親の会の講演会で伺いました。

その当時(今も?)私は、怖いもの知らずのシロウト的発言で

特別支援関係のコーディネーターや校内委員会についてのデーターは
「現場の実態を反映していないのでは・・・」なんてことを
お聞きしてしまいました。

(その後の進展についても・・・見聞きするところによると・・・ですけれど。)

いろいろなタイプの方がいることが・・・多様性の妙というものかもしれませんね・・・

小栗先生は、今年の夏の県の教育講座でお話を伺いましたが

とても、わかりやすく的確かつ親しみのあるお話だと感じました。

全国各地のLD親の会の設立にお力を尽くしてくださっているとのこと。

今度、岐阜でやっと親の会が立ち上げられることになったと聞きました。

(そういえば・・・懇親会の途中で竹田契一先生が顔を出してくださいました。)

たくさんの方々のお力と保護者の熱意によって、ようやくここまでこれたのでしょうね~!

私などは、そのような皆様の努力のお陰で
ナントカカントカ言いながら、こんな風にやっていられるのかもしれません。

いただいたものを・・・次につなげていけるような・・・
何らかのカタチで役に立つことが、私にもできるでしょうか~?
返信する
いろいろと (コロン)
2007-11-28 23:49:37
思索する時が与えられたようですね…。

ノーマライゼーションの普遍化と社会変革の歩みも日本の中でかなり進んできていることが、風待人さんのお話から分かり、嬉しく思いました。

教育研修会の話など、引き続き書かれるお話も楽しみに待ってますね…。

それから…今度の朝カルでは、またrenrenさんなど、CAFEの方々ともお会いするようですね。

心の共鳴はその人を知ることから始まると思いますし、その意味で出会いは大切なんだと思います。

風待人さんが常日頃から言われる一期一会…CAFEの中にもまた少しずつ浸透してきているように思いますし、頑張って下さいね。

私もCAFEの話に耳を傾けるだけでなく、またお話できれば…と思っています。

そうそう…ツネさん、退院されましたよ!!ブログが更新されていました。


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心の共鳴はその人を知ることから始まる・・・ (風待人)
2007-11-29 08:39:38
コロン さま

お越しくださってありがとうございます。

私の思考の及ぶ範囲など・・・
まだまだささやかで、狭いものだなぁと思うこともままありますが

今の私にできることをできる限りで掘り起こしていくしかない・・・
という覚悟は、なんとなくできてきました。

(100点満点の高い山の存在は頭のどこかに置きつつも・・・
まずは50点・・・もう少しやれば60点・・・

身の丈を知りつつスモールステップで・・・トライしていく・・・
という方向性で行ってみようかと・・・想っています。)

私以外の方々の素晴らしい存在とお力があることを確信できたことも
その意味では、大きな収穫でした。

一人じゃなくって、みんなで知恵を出し合って考えたり解決していこう・・・
ということでしょうね~!!

ツネさんのことは全然知らなくって・・・
ご快復とのこと、落ち着かれたら・・・きっとお目にかかれるような気がしています。

その時には・・・ぜひコロンさまも、ご一緒できると良いですね~!!
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