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日常と日記
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退院と久しぶりの壁アタック本

2021-07-20 | 日常
今回は病床の関係で産婦人科の病棟に入院でした
すごく綺麗でかわいいのですよ
カーテンから病衣まで全部ピンク
ほにゃほにゃしたなんとも可愛く切ない赤ちゃんの泣き声がたまーに聞こえてきたりします
それ以外はとても静かで快適でした
準個室
内視鏡検査までその快適な部屋でくつろぎながら待つ
結局午後一時半の予定がずれにずれてやっぱり三時近くまで待たされる
今回は直腸の炎症が酷くなっていたので薬を変えないかと診察で言われました
イムランかーー。ついに来たという感じ
UC患者の会で、イムランまで来たらもう引き返せないみたいな話を聞いているのでちょっとショックです

つうわけで一泊で解放

持って行った本、待ち時間でするすると読めた
「泣き声は聞こえない」

なんじゃこれは
オチのうすら寒さ。嫌な感じ。反省も後悔もしない、いろんな経験をしてなお大人の階段上ることもないだだっこ母子のお話でした

病室なので壁に投げつけたりはしなかったけど


出てくる人物全員バカなんですよ。
主人公の少女は
「リベラルぶった母親と、彼女の尻に敷かれたコネと金持ちだが覇気のない父親にスポイルされ甘やかされたごくフツウの子供」
彼女はなぜ妊娠しているふりをしているのか!?

…って話だ。



彼女は話の筋運びに都合のいいひと夏の冒険をいたします
ただどんな経験も彼女を成長させない
物語の最初から最後までうすっぺらーーい葛藤だけが続く。虚栄からの自らの嘘に一応は悩みながら(でも悩んでるだけでいつも誰かが解決してくれる)(オチすらも)

思春期の子供の話は大抵が面白い。多少なりとも成長するからです。助けを受けたり傷ついたりもしますが肝心のところは自分で解決します。

けど成長しないバカな女の子がバカのままなんとなくうまくいって本当の意味では傷つきもせず自ら解決することもなく今後も虚栄と嘘の中フラットに楽しく生きていくって物語を読まされるのは本気で馬鹿らしいと思ったことですよ。
それともこれはホラーなのかしら
クリスティの「春にして君を離れ」みたいなぞっとする傑作、みたいなものとして読めばよかったのかしら。いろんな体験をして尚成長しないおばはんを描いた大傑作よあれは


あとこの物語の純然たる「被害者」の赤ちゃんはどーーーなったのよ!!!!
描けよ!! 作者!! 
「犯人」は厳罰に合うべきなのにうやむやにしやがって糞が!! 幸せになるのはいい。そこを描けよ。機能不全がちょっと治まりましたってならそこを描け




気色悪い本です。それとも私が思春期の頃に読んでいれば感動したのかしら

ゴーリーの「不幸な子供」のがよっぽどイっちゃってて浄化されるわな、とよりにもよって産婦人科の病棟で思ったことですよ