縁側間倉の細々手帖

ゲームのアイデア提案(フィクションゲームノート)とバランス等の考察が中心
既存のものを闇鍋するほうが得意

フィクションゲームノート-武具の合成と特性

2018年09月14日 23時26分55秒 | インポート

はじめに~フィクションゲームノートとは

フィクションゲームノートとは、筆者こと縁側が考えたゲームの妄想日記である。
大抵の場合は着想したアイデアをある程度書き出して暇つぶしのネタを提供したり、あわよくばアイデアや自分自身を誰かに拾ってもらったりするためのブログ兼PR活動でもある。

とはいえ目的の大部分は「こんなネタあるぜ! 面白そうだろ!(主観)」なので、「なんだ面白そうだな。見てやろうか」という気分で見てもらえれば幸いだ。

というわけで、早速本題に入ろう。

武具の合成と特性

チョコボの不思議なダンジョン2(以下原作)の合成システムを、面影を残しつつシンプルな形にしたもの。

チョコボの不思議なダンジョン2の合成システムはなかなか厄介で、


「印は2区分まで」


はともかく、


「合成後の武具のステータスは合成に用いた武具のステータスから算出される」


「合成の際に追加で特定のアイテムを追加でき、それにより印を操作したり、合成後のステータスを変化させることができる」


という酷く分かりづらい特徴がある。

また、これらは作中簡単な説明があるのみで、攻略本に頼らない場合には、実際の効果や挙動は自ら研究し明らかにする必要があった。

特に「合成武具のステータス算出」は解らない頃にはただの数字だが、知ってみるととても考えさせられる。というのも、このステータスは全てプレイヤーにオープンされたデータで、プレイヤーはそれを文字としてだけでなく、数字として具体的に知ることができたからだ。(とはいえそれらの数値が実態としてどのような効能をもたらすのかは検証の必要があったが)


というわけで今回は、原作の大きな特徴の1つと言える「武具のステータスは合成素材によって変化する」という点を如何に再現するかを考えたいと思う。


原作での「能力の表現」考察

まず、これらの「詳細ステータス」が何をもたらすのかを考えたい。

原作では、ステータスには武器・防具それぞれに以下の項目がある。


武器

攻撃力、耐久度、頑丈さ、元気度、最大+値、命中率、クリティカル率


防具

防御力、耐久度、頑丈さ、元気度、最大+値、回避率、魔法防御力


このうち攻撃力/防御力と最大+値は武器の種類ごとに固定されており、耐久度は武具のHPのようなもので冒険中も頻繁に変動する。


特に合成で変化を意識したいのは、以下のステータス


頑丈さ:耐久度をHPとするなら、こちらはその防御力。高いほど耐久度が減りにくくなり、長く使うことができる。

元気度:元気(満腹度などと同義)の減りにくさを表す。高いほど元気度の自然減少のテンポが遅くなり、長く探索できる。

命中率:そのままの意味で、そのままの確率。

回避率:命中率同様そのままの意味と確率。

クリティカル率:そのままの意味と確率

魔法防御力:FFが原作なので魔法攻撃がある。それに対する防御力。


これらの値は合成によってのみ変化し、実際にゲーム内で見ることができると同時に作用を起こす。

そして、これらがステータスとして存在することにより、いわゆる「印」や「スキル」といったものの数がかなり少なくなっている。なぜなら、それらの効果をこれら数値によって再現できるからだ。


例えばよくある中で「満腹度が減りづらい」「命中率は低いがダメージが上昇する」「必中」「回避力が高い」であろうか。

これらは全て「ステータス」によって再現が可能となっている。

「満腹度が減りづらい」は「元気度が高い」であり、その他に至っては説明するまでもなくそのままの値がステータスとして記載されている。

このため原作の「印」の効果は特殊なものに限ることができるぶん種類が少なく、同時に「印」の枠数が少なくともそれなりに差別化が可能となっている。

また、個々のステータス変動を「印」として捉えた場合、かなり細かくその数値が変化することになる、とも取れる。


こうした武器の合成に注目システムは不思議のダンジョン系列のゲームでは珍しく、ローグライク全体で見てもここまでステータスをユーザが参照・操作できるゲームは珍しい部類と言えるだろう。

..武具の「特性」

さて、改めて「ステータスの合成」の話に戻ろう。


不思議のダンジョンシリーズで「武具の合成」と言えば、大半は「印の集約」と「+値の合算」だ。

しかし原作ではこれに「ステータスの再計算」が加わっていることは最初に話した通りである。


しかしながら、この再計算は面倒くさい。

何せ途中で経由した武器の全てのステータスが最終ステータスに関与してくるため、合成を重ねるほどに特徴が均されてほぼ無意味となってしまったり、何世代も前の合成素材の低ステータスが最後まで数値に現れてくることもある。

そうでなくても計算式の都合一度合成しただけで特徴が75%に減少する。特徴を取り入れたくても25%しか反映されない。

問題を解決する追加合成素材もあるが、これが安定して手に入るのはそれなりのやりこみと運が必要となってしまう。秘密のダンジョンにドラゴン系モンスターを出さなかったのは許さない


上記の問題を解決するにはどうすればいいか。

それは簡単な話で、武器のステータスの特徴を「印」の形に戻してしまえばいい。

「わざわざ合成に計算式を持ち出して特性が残存するようにしたのに印の形に戻してしまうのはもったいない」

そう思うのは解る。筆者も全く同じ気持ちだ。とはいえ妥協は必要だ。でないと全ステータスの良い点だけを集め、さらに突き詰めた武具が手軽に作れてしまう。(実際、特化した武具同士をとある追加合成素材で合成し続けると簡単に作れてしまう。)

ゆえに、これは「印」ではないが「印」と同じようなものということにしよう。


ゆえに今回提案するのは、ステータスを変動させる特徴だけを持つ、武具の「特性」の引き継ぎだ。


例えば、原作には「軽い」と銘のついた武器がある。

これには「攻撃力が低い」「脆い」「元気を維持しやすい」「命中率/回避率が高い」「クリティカル率が高い」と軽戦士的な要素がある。

これを「武器の基礎ステータス+特性による補正」により再現する。

例えばこの中から「元気を維持しやすい」「命中率/回避率が高い」を特性としよう。「軽い」ので負担が小さく、扱いやすいというわけだ。

これをステータスの変化として書き直すと、「軽い」という「特性」は「元気度が上がる」「命中率/回避率が上がる」と書くことができる。

この「特性」を加味した上で「軽い」武具の詳細ステータスを設定し、「特性」込みで上記の特徴を全て再現できることになる。

そして、この「特性」は合成で引き継ぎが可能性なようにする。

すると、「軽い」という「特性」を持つために従来よりも「元気度」と「命中率/回避率」が高い武具が完成するという次第だ。


……尤もらしく書いているが、要するに「ステータス補正のみの印」でしかないというのは冷静な諸兄ならば容易に見抜いていることだろう。

なので、もう1つ「印」と差別化するために次のように提案しよう。

  • 「1つの武器に付けられる特性は、印とは別で管理される(特性と印の断絶)」
  • 「武具が元々持っている特性を取り除くことはできない。(固有特性の固定)」

「特性と印の断絶」というのはお互いを比較しないための処置であり、同時に「特性だが、印と似たような効果を持つ」ものを再現するためだ。

そして、「固有特性の固定」はあえて武具の特性を固定することで武具の特徴を残しつつ、同時に「基礎が強力で、なおかつ特性も自由」という武具に掛ける枷としての役割がある。


特に後者の「固有特性の固定」に意味を持たせるため、武具に設定可能な特性は少なめな方がいい。(筆者は特性の数を固有特性を合わせて3つ程度とイメージしている。)


以上が筆者の構想した「武具の特性の合成」のイメージとなる。

また、いまさらかもしれないが、これは武具固有の詳細ステータスあってのものだ。武具の詳細ステータスが統一されていては上記のステータス変化はつまらないものになる。

例えば「クリティカル率アップ」の特性を固有で持つ武器と特性を引き継いで持っている武器でクリティカル率が変わらないのでは、せっかく固有で持つ武器の強みが失われてしまう。

同様にステータスに起因する武具の特徴を改善や特化といったこともできなくなるのは、選択肢を用意しないのと等しいことと言えるだろう。


インフレと「特性」の在り方

成長要素のあるゲームなら必ずあるものが「インフレ」だ。

不思議のダンジョンも武器の強化やレベルアップ、より強力な武器の入手などで攻撃力や防御力といった部分はインフレの限りどこまでも伸びていく。

その時「特性」はどうあるべきか、を少し考えていきたい。


とはいえ、ここでは答えを示すのではなく、いくつかの可能性を示すだけにしたい。

何故なら筆者はこのアイデアノートに影響を受けた、または似たような着想のゲームをプレイしたいのであって、これを押し付けたいわけではないからだ。


まず、攻撃力、防御力について

これには2つの選択肢が提案できる。

単純に「攻撃力やダメージを割合で上昇させるやり方」と「特性を成長式にして攻撃力の固定値が変化していく」タイプだ。

筆者としては弱点を補うという意味で後者の固定値を薦めたいところだが、そうなると他の特性も同様に成長させなければならなくなるという問題が出てくる。

更に「固定値に加え+値やレベルなどを参照する係数」の手もあるが、これもやりたい事次第ではやりづらい面がある。

自分の作りたいイメージに合わせて、独自の考察が必要な部分だと思う。


次に、命中率や回避率について

これは敵に命中率や回避率を設定するのなら特性の成長させて命中率の100%超えをさせていきたいところ。また、攻撃力の代償としてその他のステータスを下げていくなら同様に成長させていくべきものだと考える。

ただ、基礎ステータスのバランスを特に変化させないのなら特に変化をさせる必要もないと思う。

おそらく回避率を持つ敵というのはレパートリー上出てくるので、それに対する回答をどうするのかで分かれるところと言える。


3つめは頑丈さや元気度について。

これは高めるほど深いダンジョンでも戦いやすくなるが、そのぶん耐久度や元気度を回復させるアイテムの重要度が変わってくる地味に厄介な部分である。

これは特性枠との兼ね合いとなり、特性枠を十分に確保するのならある程度前提としても良い。(そのぶん自由枠が減るだけで、本質はあまり変わらない)

ただ、武具のステータスのチューニングという点で見るなら前提にするのはオススメしない。

「特性でアイテム所持量が楽になる」「事故が起こりづらくなる」程度に考えたほうが無難かもしれない。


最後にクリティカル率。

これはクリエイターとしてクリティカルにどこまで夢を持たせるかによる。

クリティカルを成長させることにロマンを感じてほしいなら好きに伸ばせばいいし、係数でのダメージ上昇であり、同時にダメージ計算を狂わせる曲者として考えるならその旨を熟考した上で相応しい値を決めていけばいい。

これは筆者としても意見が割れるところであり、どちらも正しいと考えている。つまるところ、「好きにする方が面白い」が筆者の考えだ。


このように「パラメータ」によってインフレとの付き合い方は変わってくる。

ただ個人的に思うのは、初期の武器だから最終値も低い、というロマンの弱いものはやりこみ的な意味でも面白くないと思う。

印についてもそうだが、「弱い武器は特性を多くつけられる」などのように最終的にはある程度横並びになる方がやり甲斐もあるというもの。

せっかく広がった選択肢なのだから、精一杯頭を捻って「これだ!」というものを作り上げて欲しい。


余談が入ったが、以上で「インフレと特性の在り方」の例示を終わろう。


書きかけの終わりに

さて、今回のアイデアノートを読者の皆さんはどう受け取っただろうか。

面白いと受け取るもよし、つまらないと一蹴するもよし、「そんなものはあるぜ」と筆者に投げつけてくれるのもよし(時間を見つけてプレイしたいレベル)。

まだまだ浮かぶこと、追記したいこと、これを用いたゲームのバランスまで色々書きたいことはあるが、記事もだいぶん長くなってきたのでひとまず今回はここで終わりにしたいと思う。


これを見てくださった読者に感謝を、もし感銘を受けてくださった方がいれば思いつく限りの敬意を。

PS.要望や暇があったら更に深い内容について追求していくかもしれません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿