自由と平和、生存と共生のために

「誰もが人間らしく生きられるためには」という視点から、さまざまな社会問題についての情報をお届けします。

歌うこと、自由、平和、生存、抵抗のために

2020-12-06 21:45:10 | 平和
 COVID-19の流行によって、みんなで歌うことがむずかしくなっています。けれども、歌うことを忘れたくはないものです。

 プロテスト・ソングといえば、まず思い浮かぶのは、「We shall overcome」(「勝利を我らに」)です。平易な歌詞ですが、歌っていると未来への希望が湧いてきます。ジョーン・バエズと一緒に歌いたくなります。
 そのほか、プロテスト・ソング、反戦歌の名曲として思い浮かぶのは
「Where have all the flowers gone」(「花はどこへ行った」)、
「Blowin’ in the Wind」(「風に吹かれて」)、「戦争を知らない子供たち」などです。
 「花はどこへ行った」は静かに戦争の悲劇を訴えています。ボブ・ディランの「風に吹かれて」は歌詞がなかなか文学的。さすが、ノーベル文学賞です。「戦争を知らない子供たち」は素朴な歌詞が胸に響きます。
 また続きを書くつもりです。

「We shall overcome」(「勝利を我らに」)



「Where have all the flowers gone」(「花はどこへ行った」)



「Blowin’ in the Wind」(「風に吹かれて」)



「戦争を知らない子供たち」

「戦争の始め方」いろいろ

2020-10-25 13:56:30 | 平和
 「言いがかり」「でっち上げ」「自作自演」などで戦争が始まった事例です。

イラク戦争(2003年~2011年)
 アメリカのブッシュ政権は、「イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保有している」と繰り返し宣伝しながら、国連安全保障理事会の決議もなく、イラクに侵攻しました。その後も大量破壊兵器は発見されませんでした。

映画「記者たちー衝撃と畏怖の真実」(2017年、ロブ・ライナー監督) 映画.com
 イラク戦争の真実を明らかにしようとするナイト・リッダー社の記者たちの姿を描いてます。


トンキン湾事件(1964年)
 「アメリカ海軍の鑑定が公海上で北ベトナム軍から魚雷による攻撃を受けた」とされる事件。これを口実に、米国議会は北ベトナムに対する全面的な戦争遂行を決議。後に秘密文書から事件捏造(ねつぞう)などの事実が明らかにされました。

映画「ペンタゴン・ペーパーズ」(2017年、スティーヴン・スピルバーグ監督)映画.com
 ベトナム戦争関係の国防総省機密文書を入手し、公表しようとするワシントン・ポストのジャーナリストたち。


柳条湖事件(1931年)
 関東軍(中国駐留日本陸軍)が南満州鉄道の線路を爆破した事件。関東軍はこれを中国側の行為と主張して満州全体への軍事侵攻を開始しました。

軍事用語の言い換え

2020-10-25 13:52:50 | 平和
 日本国憲法は平和主義を三大原則の一つにしており、第9条で戦争放棄、交戦権否認、戦力不保持を規定しています。そのために、さまざまな用語が言い換えられています。 
 戦争あるいはそれに近い事態が生じると「有事法制」と呼ばれる一連の法令が発動されます。自衛隊・米軍の活動を優先させるための仕組みです。これは「戦時法制」を言い換えた用語です。
 自衛隊法は「戦闘行動」に「防衛出動」という用語を使っています。
 陸上自衛隊の「普通科」「施設科」とはそれぞれ「歩兵」「工兵」のことです。工兵とは陣地をつくったり、地雷を除去する作業をする兵員です。海上自衛隊の「護衛艦」とは巡洋艦、駆逐艦などの戦闘用艦艇のことです。
 「日本軍」が「自衛隊」と言い換えられていることも忘れてはなりません。
 ちなみに日本の軍事費(これも「防衛費」と言い換えられています)は国別で世界第9位です(2019年)。

軍事研究がもたらす悲劇

2020-10-15 19:40:28 | 平和
「マンハッタン計画」と科学者たち
 アメリカで原爆開発計画(マンハッタン計画)が始まったのは、ドイツが核兵器を開発することの危険性を科学者らが警告したことがきっかけでした。しかしその後、アメリカ政府は、ドイツにもはや原爆開発能力はないことがわかっていても、戦後の対ソ連政策に利用するために、原爆の開発を推進しました。科学者レオ・シラードは他の科学者の署名も集めて、日本への無警告の原爆投下をやめさせようとしました。しかし、「ヒロシマ」「ナガサキ」の惨劇は起きてしまいました。

『届かなかった手紙 原爆開発「マンハッタン計画」科学者たちの叫び』 大平一枝  KADOKAWA

アラン・チューリングの自死
 第2次大戦時、ドイツ軍の暗号システム「エニグマ」の解読にイギリスの数学者アラン・チューリング(1912~1954)が成功。その結果、イギリスはドイツに対して優位に立つことができました。戦後、暗号解読の事実は国家機密とされ、チューリングも監視対象にされました。彼は同性愛者であることを理由に逮捕され、獄中で自死しました。軍事研究の暗い側面を象徴する事件です。

映画「イミテーション・ゲーム」(モルテン・ティルドゥム監督)
チューリングによる「エニグマ」解読とその後を描いた作品です。
「イミテーション・ゲーム」公式サイト

 学術会議委員任命拒否事件の背景には、軍事研究を拡大推進したいという政府の思惑があるのでしょう。軍事研究の危険な姿を知る必要があると思います。

進行する軍事化

2020-10-08 22:16:52 | 平和
 米国のエスパー国防長官は、同盟国に対して軍事費を少なくともGDPの2%以上に要請しました(9月16日の講演)。日本にあてはめれば、現在の軍事費約5兆6千億円の約2倍の水準です。現在、与党内での議論されている「敵基地攻撃」=「先制攻撃」政策を実行するためには、自衛隊の装備を大幅に増強する必要があります。
 今後さらに軍事費を増額するとすれば、消費税の増税という方法でまかなうのは当分の間むずかしいでしょう。そこで、社会保障費を削りたいという誘惑も生じるのかもしれません。竹中平蔵は月7万円のベーシックインカムの導入と引き換えに年金、生活保護などの廃止を提案してきました。
 また、国の研究予算を軍事関連研究になるべく投入したいという意図が、学術会議会員任命拒否事件からも透けて見えます。
 進行しつつある軍事化の実態、背景などをこれからも明らかにしていきたいと思います。