自由と平和、生存と共生のために

「誰もが人間らしく生きられるためには」という視点から、さまざまな社会問題についての情報をお届けします。

タイの人びとが訴えていること

2021-08-29 12:48:55 | 自由
 民主化運動が続くタイで、ラップで政権への抗議を表現しているRAP AGAINST DICTATORSHIP。今月、公開された新曲の歌詞は次のような内容(一部)です。

予算、それは俺たちの金
王族にささげた税金は、頭を下げてやっと俺たちのもの
生きるも死ぬも王族次第
政治が良けりゃ、予算なんて気にしない
国の運営は政府の責任だろ
だけどこの国、気に入らないものはすべて排除
孤立が見えるタイの未来
独裁が嫌なら他の国に逃げないと
市民がもらえるのはほとんど小銭
タイの公衆衛生、減っていく予算
人びとはばたばた倒れ、首相は放置
ワクチン待っても効果が薄い
タイ人なら打てるよ、でもVIPが先
放っておかれる医療従事者
めちゃくちゃ削られる医療予算
首相の言葉、恥を知れ
クソどものインチキやめさせるのもむずかしい
助成金アプリ、登録すると悪人どもの財布がパンパン
市民がさんざんお願いしても金が行くのはてめえの財布
朝起きると泣きたいんだ、労働者の暮らしはマジでキツい
明るい日を迎えたい、でも貧しさにうなだれる
欲しいのは福祉、もらったのは電柱と戦車
公務員が二級、俺たちは三級未満

RAP AGAINST DICTATORSHIP(2021年8月6日)

 民主化運動を続けている人びとは、プラユット首相の退陣、民主主義を実現するための憲法改正、王室改革、適切なコロナ対策などを要求しています。王室改革として不敬罪(刑法112条)廃止や王室予算の削減などを求めています。
 これまで、民主化運動に関連して百名以上が不敬罪の容疑をかけられているとのことです。今年の1月には2015年に不敬罪容疑で逮捕された女性に対して禁錮43年6月の判決が言い渡されています。

 アムネスティ日本では、タイ民主化運動に関連して逮捕された人びとの起訴取り下げを求めるオンライン署名活動を行っています。

タイ:民主化運動を主導して終身刑!? 学生活動家を守ろう!  アムネスティ日本

 香港・タイ・ミャンマーの民主化運動の連携、協力関係は「ミルクティー同盟(Milktea Alliance)」と呼ばれています。



ミャンマー国軍の経済支配

2021-08-22 18:19:50 | ミャンマー抵抗運動
 2月のクーデター発生以降、人びとへの暴力的な弾圧が続く背景には国軍による経済支配の実態があります。ミャンマーのふたつの大手複合企業(ミャンマー・エコノミック・ホールディングス、ミャンマー・エコノミック・コーポレーション)は実質的に国軍の支配下にあり、資金源となっています。また、国内の企業の約8割が国軍と関係があると推測されています。

 ミャンマーには数多くの日本の企業が進出しています。たとえば、キリンホールディングスが国軍系のビール会社と提携していることが国際的な問題となっています。また、日本の不動産・建設会社が参加しているヤンゴンの再開発事業をめぐっては、年間2億円の地代が国防省に支払われていました。

 クーデターに抗議する人びとは国軍関連企業の商品に対する不買運動を続けています。また、国軍系企業を退職する人びとも増えているとのことです。

混迷ミャンマー 軍弾圧の闇に迫る NHKスペシャル 8月22日


日本企業10社、弾圧加担の懸念 ミャンマー国軍取引に批判
  47NEWS


映画「あしがらさん」

2021-08-21 17:07:24 | 反貧困
 野宿生活をしている人びとは、さまざまなかたちで排除と暴力の対象とされています。最近もある著名人がネット上で「ホームレスはいないほうがいい」「犯罪者を殺すのと同じ」という趣旨の発言したことが問題とされました。
 あしがらさんは長年、東京の新宿で野宿生活を続けている一人の男性。その生きる姿をていねいに描いたドキュメンタリー映画です。

監督:飯田基晴、2002年制作、73分

8月31日まで、youtubeで特別に無料公開されています。

映画「あしがらさん」(8月31日まで)

映画「あしがらさん」公式サイト

メンタリストDaogo氏のヘイト発言を受けた緊急声明
(反貧困ネットなど)


ミャンマーのサッカー選手が難民認定されました

2021-08-16 21:38:15 | ミャンマー抵抗運動
 ミャンマーのサッカー選手ピエ・リヤン・アウンさんが難民として認定されることになりました。ピエ選手は、今年、日本でのサッカーのワールドカップ予選の試合で、国軍への抗議の意思を示して三本指をかかげました。同選手は帰国直前に、関西空港で帰国を拒否しました。帰国すると迫害を受ける危険があるからです。仲間のサッカー選手には治安部隊に殺害された方もいて、同選手の実家も国軍兵士に監視されているとのことです。
 ピエ選手はサッカーチームYSCC横浜で練習生としてサッカーを続けているそうです。
 今年2月、国軍がクーデターを起こしたミャンマーでは、抗議行動に対して治安部隊が銃撃などで暴力的な弾圧を続けています。報道によると、900人以上が殺害され、5千人以上が拘束されているとのことです。
 日本では難民申請者が難民として認定される割合が低いことが問題となっています。日本社会が難民を社会の一員として積極的に受け入れること、出身国で迫害されるおそれのある人びとをもれなく難民認定することが求められています。

ミャンマー代表選手「亡命」の真実  NHK

クーデター抗議のミャンマー人選手。支援に「そこまで、私の人生について考えて下さったことに心から感謝します」  Sportiva

ミャンマー選手を難民認定へ…W杯予選帰国拒否、緊急措置で初 読売新聞



プロテストソング「A Lo Ma Shi」(ミャンマー)

2021-08-16 21:38:15 | ミャンマー抵抗運動
 2021年2月1日のクーデター以降、国軍による暴力師派が続いているミャンマー。人びとはいくつものプロテストソングを歌いながら抗議を続けています。「A Lo Ma Shi」もそのひとつです。歌詞は次のような内容です。ミャンマーには鍋や釜を打ち鳴らして悪霊を追い払う風習があり、国軍への抗議の方法としても使われています。

どんなにきびしい状況になっても
私たちは乗り越えられると信じよう
力を合わせれば 閉ざされたドアを開けることができる
健やかな木を育てたい たくさんの鳥が住めるように
私たちは真理を取り戻さなければならない
そうでなければ最後まで闘おう
みんなで鍋を叩こう鬼(独裁政治)を追い払うために
共に声を上げれば、閉ざされている耳にも届くだろう
私たちは真理のために勇気を出す必要がある
独裁政治を追い払おう 抗議しよう 真理の側に立とう
幽霊のような独裁政治を追い払おう
民主主義は私たちの使命だ
ストライキをしよう
私たちの革命は勝利しなければならない

下記の動画をご参照ください。

「A Lo Ma Shi」(英語・日本語字幕付き)

「A Lo Ma Shi」(英語字幕付き)