東野圭吾として珍しくファンタジー色の強い作品の映画化。観たいと思っていましたが、やっとビデオで観れました。なかなか良かったですが、原作のほうが良いかな。
一話目の歌手志望の若者の話。父の遺言「負け戦でも足跡を残せ」を実践します。作品を通して出てきた、この若者のエピソードは、素晴らしかった。
後半の、成功した女社長の話。時を超えた映画のメリットを活かしていて、ありがちではありますが、なかなか面白いです。現在の設定にだけ出てくる若者3人との接点が映画冒頭、最後にあり、ストーリーの骨子になるエピソード。後半でこのエピソードが出てくるのが、映画を面白くしています。
西田敏行の演技は相変わらずすばらしく、尾野真千子もすごく良い。映画のストーリーに引き込まれそうになって、そこでブレーキが掛かるのが、3人の若者の演技。演技派ぞろいのファンタジーに、現在の若者の演技がマッチしない。若者3人のシーンだけ、子供向けの青春テレビドラマみたい。
このブレーキを除くと、本当に素晴らしい映画です。一応、おすすめです。
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人気作家・東野圭吾の小説を、『やわらかい生活』などの廣木隆一監督が映画化。現在と過去が手紙でつながる不思議な雑貨店を舞台に、養護施設育ちの若者と、町の人の悩み相談を聞く店主の時を超えた交流を描く。32年前から届く悩み相談の手紙に触れるうちに、人を思いやる気持ちを抱く主人公を『暗殺教室』シリーズやテレビドラマ「カインとアベル」などの山田涼介、雑貨店店主を数多くの作品で独特の存在感を見せてきたベテラン西田敏行が演じる。シネマトゥデイ