2017年7月30日、「Soul Renaissance」ツアーファイナル。
無事の完走、おめでとうございます。
そして各地で歌いまくりの楽しいパワフルなステージをありがとうございました!
心の底からの尊敬の念、拍手と喝采を送ります。
また観たい、と思わせてくれる進化と深化。最盛だけど再生。
いつでも今が一番!
そんなゴスペラーズの坂道はまだまだ続く、ということが
何よりも嬉しく、自分の励みになっていることを伝える場=ライブがあるのが
本当に嬉しくて、ありがたくて。
なんでこんなに好きになっちゃったんだろう、という答えが
どんどん増えていく、深まっていくのがスゴイことだとしみじみ。
これからもよろしくお願いします、なにとぞ。
私の最終日は7月16日の名古屋2日目。
その日を振り返りながら、今ツアーここがすごい、ここが好きだ、を
暑苦しく語れるかぎり書き連ねてみようと思います。
■ステージ
開場からすでに5人の絵画風巨大幕にお迎えされます。
額縁舞台、とはよくいうけれど、その中にさらにある絵画演出はにくいね。
写真を拡大して、それに色付けしたタッチ…
と思うと、私が就職活動に悩んでいた頃に仕事として選択しようか本気で迷った
大相撲の毎日新聞社寄贈の優勝力士額の彩色師と同じことかもと。
毎回90年代回顧してました、こんなとこで。
ラストも実は…ですが、最初からステージにゴスの姿があるんだよね。
■オープニング
バンドメンバーの登場から、ラジオの電波を探すようなチューニング。
この「イントロ'17」の使い方よかったー。
はやく自分の針も合わせたい焦燥からの生声に変わる瞬間のぞくぞく。
for Loveで切り替わった!の歓声、きっと届いているはず。
それに続いての影マイク、二枚目声てっちゃん「ようこそ…Soul Renaissanceツアーへ」
ご当地を連呼、are you readyーーー?!にYEAH!と応えてライブモードに。
あーもう幕のうしろにいるんだ!という気配も含めて、歓声のボリュームも上がって。
高鳴るバンドサウンドから暗転、ばさーっと幕落ち!
スポットに照らされ現れる同じポーズの5人!
そこにいることわかっていても、何度もはしゃいじゃうんだ。
このキメ顔、ドヤ顔、真顔、それらに歓喜でございます。
前半の黒衣装、銀の刺繍は実はかなり派手。
カットソーかシャツか、だと確実に2スペが後者。
毎度の謎だったりもするのですが好んで選ぶのかな。
ポストカードにもなりましたが、雰囲気あって素敵です。
座っているユタカさんがユタカさんで、すごくいい。(語彙力なし)
そして上半身を少し正面に向けて軸の左足がすっとしなるように立っているサカイさんがいいんです。
再現率高し。ここはさー、もうご贔屓しか観てないですわね(笑)
いつもこの登場を観るたび、マイケル・ジャクソンがステージに登場してから
微動だにせず2分近く、悲鳴、失神する観客がいたというあれを思い出してます。
さすがにゴスは10秒くらいなものだけどね。
額縁のなかから登場、眺めていた静止画が一気に色を帯びて動きだす!
■GOSWING~Dream Girl
名古屋では階段をおりてきたときにはすでにサカイさんのタイはほどけており。
もう結ばないことにしたのかな、と思ったんだ。
このタイへの注目率、己もですが、世間的に高かったねー(笑)
「GOSWING」ああ、リリース当時のMVは…と思うまでに踊れるようになりましたよね。
上からな目線ですが、この感じでもう一度撮り直しぜひ、と思う~。
練習積めばできるようになっちゃうのすごい。そしてものにしている。
映像に残ってうれしいな。
間奏の右・左・右と軸足変えながらステージ最前際までがっがっがっと出てくるの、
あれ一番前で観ていたらのけぞるだろうな…といつも思っていました。
降ってきそうな勢いと力強さがあるのが、サカイさんならでは。
いつでもどこでも力いっぱい、スウィング。
曲終わりでばしっと決めてからの、プリハグへの流れが好き。
全員四十路の旅がらす達のこの振り付けにときめくわけで、
私たちの視覚聴覚総動員させて「モテ」にくるんですよ、この方たち。
低音波も容赦ないしね(笑)
それにまんまと早々にひっかかっちゃうんです。
オーライオーライ、みたいな指先まで隙のない手つき、真剣な眼差しに、もちろん自らひっかかりにいくけど(笑)
今からWOWOW9/24が待ち遠しいです。
さらに、最新アルバムからのナンバーで「暁」。
ハモりシャワーをすぱーーーーんと浴びせかけられて爽快さを増して。
それぞれの音域を楽しめて好き。
そしてこの曲でのバンドのリズム感が何より力強くて好きです。
バラードももちろんいい、けど、熱くて声の大きな和もゴスの多面性のひとつ。
さらりとかなり複雑なハモりなのがまたかっこいい。
そして「Dream Girl」へ。
ツアー最初の頃に比べて、ソウルマナーの振付になじんできました。
なんだろう、後半の椅子でバックハグだと合点がいってから、
この曲もなんてぐいっと抱き寄せているんだ・・・!と目を剥いて、
最初お地蔵さんなど申して失礼しました。
聴くたびに、どんどん味わい深くなる曲。
黒ぽんが以前に「R&B、Soulの効能は、聴くだけで自分の女っぷり、男っぷりが
上がって、しかも少し色っぽい気分になるって事なんだ」とツイートしていて
まさにそれを体感するのがこの曲だなあと思うのです。
てっちゃんに口説かれているような気分になるもんね。。
もちろん総がかりでくる迫力ったらないわけで。
ふっと吐息を手のひらで届けるような、そして休符で顔をふせる仕草が好きよ。
「あの日から この胸は 君のものさ」のところからがたまらなく好きです。
最後のてつやドヤ顔ひじかけは狙いすぎ。(だから好き)
各メディアリリースの写真でみると、ラストのフォーメーションふんわり咲くようにお見事きれい。
てかこのサカイさんの伏せた視線も手のふんわり度も足の角度も何もかもが…!!(撃沈)
写真はおそらくカメラマンが入っていた東京1日目のものだと思います。
■MC
名古屋2日目は満員御礼に30席届かず・・・惜しい!
でもその30席分の足りなさを補うべく拍手してきたよ~
サカイさんのご挨拶は、
「きっとラジオを聴いて来てくれた方もいると思います!歓迎します!さかいゆーじですっ」
以降、「歓迎」モード。
思えばツアーも後半、7月になったけれど、3月に発売されたこのアルバムの
初登場5位への感謝を忘れずに伝え続けていることで、アルバムがずっと
息が長くい続けてくれるような感じがします。
6月末にはアジアでもリリースされたとのこと。
シンガポールや香港でのライブも楽しいだろうなあ…MCって英語なのかな…
■求めあう男と女の愛の舞台
「Allnight&every night」
「ほとばしる狂おしさ」というのがしっくりくるかな。
この感じ、なんというか能の「物狂い」に近い。
実はこんなところに影響が出ているのかな。
こういうサカイさんが観たい聴きたい、の典型的な感じなんだけれど
年を重ねて進行形というか。「今」がそこに見えるんだよなあ。
この作曲もだけど、作詞していたときを見てみたい、とふと思った。
歌い上げる姿がそれぞれにかっこいいんだ。立っているだけで絵になる。
あああーーーあの背を向けて燭台に顔を伏せるあの姿、何かに残りませんかっ
てっちゃん越しのサカイさん、が5列目上手よりのこの日の席からは見えずに残念。
でもね、まっすぐに見据えて歌う横顔はしかと拝みました。
「尽きることない」のハモリは最後まで私的にはかちっとはまらなかった感じだったけど
音響、マイクバランスの問題なのかなあ。
英語詞の単語、母音も子音もその発音の一字一句に身悶えるほどツボが凝縮されております。
どこかでも書いたけど、吸いつくようなmiss youとかwant you なんだけど
シューとかチューではないユーに対して確固たる意志を感じるんです。
ラストにさしかかる、ドラムの重ためのリズムとてっちゃん、コーラスの掛け合い。
脈打つような鼓動、高鳴り。
このときばかりは坂東さんのそのスティック捌きに目を奪われたりします。
ソロで聴かせる凄みをここで感じてたなあ、いつも。
東京のときは、音色が違う!と、ここでドラムが杉野さんだと気づいたんだ。
「Silent Blue」
年少コンビによるリード、「月光」の純粋さというか清らかさから力強く熟成したなあ…と実感。
手をさしのべる北山さんの柔らかさは健在で、ヤスはそっと口元に指をあてたところから
アウトロで音が消えていくのとともにキスをとばすのも。
「tender touch」と歌うときの北山さんの手元とか、
そうそう、二番のサビ、ヤスの発するメヂカラ付き「愛せないなんて」がよかった。
苗場で今年の初めに聴いたよりも、胸のざわつきが増す感じに進化されてる…!
さすが真夜中、嵐のなかの情事。ゆらめく青照明も素敵でした。
「angel tree」
黒ぽんの一声で、そしてグリーンとブルーとホワイトの明るい照明で、がらりと変わるこの曲。
ステージに朝がきた!みたいな(笑)
するめソングですね、聴けば聴くほど繊細な一音を発見したりする。
森永さんからのお話がどうきてこの曲が生まれたのかわからないけど、
小枝と、年長組をともに北山さんが祝った曲と私は勝手に思っていたりします。
北山さんの曲に、ヤスとはまた違う、美しい日本語がたくさん載せられているのがいい。
舞う白雪、差す木漏れ日、清けき月のゆりかごとか。
聴きながら「日本語で届けきる」というゴスの原点をふと思い出したりしたなあ。
サカイさんがラジオでこのコーラスをいかに覚えてるかのコツを言ってたのを聴いてからは
ついそこに注目というか固唾をのんでコーラス聴いちゃう。
「星降る夜のシンフォニー」
気がつけばコーラスばかりを追ってしまう。
美メロにのびやかなリードと、全力渾身コーラス。
それぞれのリードがそれぞれの個性を見事にあてはめていて、
なかでも北山さんが一句一句を大事に歌うのがいいね。うるみ系でね。
てっちゃんのファルセットはここでも堪能できる。絶品。
ちょっとあごをひくようにアの母音を歌う時のはぐきがいい、といつも思う。
なんというか、4分なり5分ごとに、曲ごとに違う恋をしていく感じだよね。
■ルーパー登場
毎回、このルーパー説明タイム、いろんな名言、迷言が生まれましたねえ。
ヤスのトークに、運びこまれてくるルーパーくんセッティングのサカイさん。
みんなの一歩前をいくルーパーマスターがみせる飄々とした面白がり表情と真剣度満点の手元、
毎回にやついておりました。
二礼二拍一礼の参拝が、てっちゃんらしく、てとにかくいつもやってくれないかなってくらい好きだった(笑)
名古屋は熱田さんもあるしね!
5人にひとつずつのボタン操作、
名古屋ではクラウチングスタートで北山さんが虎視眈々と狙う勢いをとめるべく
走りこんでくるヤスとか、ムダに勢いと笑いがあるのが好きよ。
ステージ上で作り込んでいく、まさに「ゴスペラーズの作り方」を見せてくれるのがいいね。
ひとりひとりが自分の役目を果たしてチームで大きな成果を出すゴスペラーズ、
なりきりとかもそうだけど、その分解パーツはこんな風になっているんだ!っていうのが見えるときが私は好きです。
「イントロ'95」
トップバッターのHBBにキレある手拍子の重なりなんてかっこよすぎて。
さらにファンクなカットギター、ベース、Oh yeahのロングトーン。
かっこよすぎる。いまも褪せない。ケンカアカペラ上等。
二十代で歌っていたころより声のボリュームも迫力も上がってるよね絶対。
その上に乗せていく「侍ゴスペラーズ」も、当時はほんと画期的な自己紹介ソングだったと思うんだけど
てっちゃんがまた全員をかっこよく紹介してるよね。
痛いほど視線受け、とかクールなハートの描く先とか。紡ぐよ現在過去未来とかとか。
座ってなければもっときゃっきゃ煽っちゃう感じだろうな〜
ルーパーくんとだけのアカペラライブ、今後もしあったら「RIDIN' HIGH」と「FWFL」、「夢伝説」をやってほしいー!
てっちゃんの「侍ゴスペラーズ ルーパールネッサンスバージョンでしたー!」に
続いて間髪入れずのスタンバイ、サカイさん。
あの拍手をピタッと止めさせる、オーラというんでしょうか。
息をひそめて、調整している姿と音のはじまりに集中。
「Recycle Love」
次々繰り出される一音一音が、そのときならではなのがルーパーフォーマンス。
背後に控える北山さんへのゴーサイン、無音の交信かっこよかったなー。
この曲でのサカイさんのリード、声がすぱーんとのびやか。
最後、ひとりずつ歌い終えた順にステージ奥の階段へV字フォーメーションになるごとに
ピンスポが落ちて、ラスト残るサカイさんにだけ当たっているとき
ぎゅいん、とルーパーのつまみをひねるカットアウトがライブならではでお楽しみでした。
ほれぼれする瞬間。
そして後ろに下がりがてらの給水、ドリンクぐいっとあおるのも。
「永遠に〜a cappella」「ひとり」
これらの曲が入るのも、はじめましての土地や久々の場所では熱烈歓迎されているからだな〜と
鹿児島でつくづく思いました。
わっと湧く、静かにおーっとなる、色々だと思うけど「知っている」って、
なんて強いエネルギー発するんだろうと。
上手へ黒ぽん、サカイさん、
下手へヤス、北山さん、てっちゃんがはけていきます。
同時にバンドのみなさま登場。
「インター'17」
ピアノが佐藤さん、リードが本間さんのサックス。
このバンドの厚みというか受ける度量の広さがあるからやりたいショウアップができるんだなと実感。
影コーラスを聴きながら、そこにないてっちゃんのリードの声を脳内再生しながら登場を待つ時間好きでした。
照明が、ほのかな青と紫の重なりでステージ上がムーディーな感じに。
それまでの「永遠に」や「ひとり」はほんとにシンプルというか黒バックにホワイトのピンスポットだけで
アカペラ、5人の声だけという最低限シンプルを際立たせていたから
また違う始まりをなおさら感じさせてくれました。