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『艶華』(中森明菜、ユニバーサル・ミュージック)
中森明菜のCDを買ったのはいったい何年ぶりだろうか。演歌の名曲をカバーした『艶華』。ファンとしては何もいうことはない。ありきたりの表現だが「歌姫」の面目躍如である。しかし、本来の演歌ファンからすれば「演歌にして演歌にあらず」とか「線が細い」とかいった評価を受けるかもしれない。初めて聴くとそんな印象も受けるが、ファンとしては別の評価をしたい。このアルバムはたしかに演歌をカバーしたものだが、その演歌歌手の歌マネをしたものではない。『天城越え』は石川さゆりのそれではなく、明菜の『天城越え』である。『舟唄』もまた八代亜紀のそれではなく、明菜が歌いこんだ『舟唄』に仕上がっている。その意味では明菜の世界を一歩も出ていないように思う。明菜は明菜だ。
もう20年以上も前、歌謡界は「明菜」派と「聖子」派に分かれていた時代があった。アップテンポな曲もバラード風の静かな曲も歌いこなせる歌唱力に魅せられて、ずっと「明菜」派できたが、明菜が歌う演歌が聴けるとは思ってもみなかった。けれども、明菜の歌唱力からすれば演歌に挑戦しても何の不思議もない。明菜も40歳の坂を越えた。若い頃からファンだった歌手や俳優が、いつのまにか歳を重ねていたことを知り、あらためて自分の歳を確認してしまう。それでも、中森明菜がどこかへ消え去ってしまうことなく、いまでもアルバムを発表し続けていてくれるのは嬉しいものだ。
中森明菜のCDを買ったのはいったい何年ぶりだろうか。演歌の名曲をカバーした『艶華』。ファンとしては何もいうことはない。ありきたりの表現だが「歌姫」の面目躍如である。しかし、本来の演歌ファンからすれば「演歌にして演歌にあらず」とか「線が細い」とかいった評価を受けるかもしれない。初めて聴くとそんな印象も受けるが、ファンとしては別の評価をしたい。このアルバムはたしかに演歌をカバーしたものだが、その演歌歌手の歌マネをしたものではない。『天城越え』は石川さゆりのそれではなく、明菜の『天城越え』である。『舟唄』もまた八代亜紀のそれではなく、明菜が歌いこんだ『舟唄』に仕上がっている。その意味では明菜の世界を一歩も出ていないように思う。明菜は明菜だ。
もう20年以上も前、歌謡界は「明菜」派と「聖子」派に分かれていた時代があった。アップテンポな曲もバラード風の静かな曲も歌いこなせる歌唱力に魅せられて、ずっと「明菜」派できたが、明菜が歌う演歌が聴けるとは思ってもみなかった。けれども、明菜の歌唱力からすれば演歌に挑戦しても何の不思議もない。明菜も40歳の坂を越えた。若い頃からファンだった歌手や俳優が、いつのまにか歳を重ねていたことを知り、あらためて自分の歳を確認してしまう。それでも、中森明菜がどこかへ消え去ってしまうことなく、いまでもアルバムを発表し続けていてくれるのは嬉しいものだ。
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