6月14日付でロシア大統領府公式サイトが、プーチン大統領とロウハニ・イラン大統領の会談内容を伝えた。
この会談の中で、プーチンの発言にいくつか特徴的なキーワードがある。
(1)全体としてイランとロシアの協力関係について話しているにもかかわらず、テロと
の戦いや中東の安定化に関する問題では、「イラン、トルコ、ロシア」三国の協力
の成果と強調し、トルコを陣営に巻き込んでいる。
(2)「シリアでのテロリスト」との戦いとはもちろん、半アサド派との戦いも含む。
(3)二国間関係の話であるにもかかわらず、Русский мир(ロシア世界)とペルシャ文化圏という言葉で表すことにより、帝政ロシア時代以
来のつながりを示唆するとともに、ロシア―イランの二国間を超えた中東・ユーラシアの連系による、アメリカの一極化への警鐘であるとともに、
これら地域での中国の覇権を許さないスタンスを示唆している。
その一方で、ロウハニ氏の発言は形式的な謝辞を述べており、それほど目新しいキーワードは見えない。以前からと同じように慎重に「外部からの圧力」ということで、米国やその他の国の名前を名指していない。この「外部からの圧力」には、原油輸入制限に協力する日本も暗に含まれている。
プーチン:大統領閣下、皆様、心から歓迎いたします。改めてお会いできたことうれしく思います。イランとロシアの関係は多層的、多面的なもの
で、経済関係、地域の安定、シリアにおけるテロリストを含む、テロリズムとの戦いなどにかかわっています。
イランの積極的な協力のおかげもあって、これらの分野で多くの成果がありました。この成果は、イラン、トルコ、ロシアの共同の成果です。我々の間での経済関係も発展し、多くの分野で成果を上げています。人道支援面でのつながりもずっと昔から緊密で、「ロシア」世界にとって
もペルシャ文化圏にとっても共通の利害関係が、我々の対話にとっていつも重要な要点でありました。
今日のサミットの場であなたにお会いでき、これらすべての問題について話し合えることを大変うれしく思います。
ロウハニ:ありがとうございます大統領閣下。本日あなたとお会いする機会をいただき光栄です。まず先日のロシア国家の日のお祝いを申し上げま
す。ロシアとイランの関係は世界に向けた見本となるもので、日々前進しています。協力分野は多く、すべてを数え切るのは困難なほどで
す。協力していない分野を名指す方が難しいでしょう。中東で現在生じている状況が、我々の間での協力をさらに密にする必要性を生み出
しています。テロとの闘い、そして地域安定化の取り組みに我々はポジティブな協力の経験を持っています。
現在の状況下で、外部からの深刻な圧力や、外部からの制裁がある中で、地域の諸国間の協力、特にロシアとイラ
ンの協力の必要性は日に日に増しています。国際レベルでは、国際フォーラムなどの場で、我々のアプローチは近いという事実を知ります。こ
れは我々が国際舞台で、とても良好な協力関係を展開していることを意味します。本日の会談が、我々の二国間関係発展にさらなる後押しとな
ることを信じて疑いません。