ユーラシアウァッチ:ロシアから見る世界情勢

ロシアは一帯一路の地政学的要所。米中対立や中東対立のキープレイヤー。マスコミのロシア情報は貧しい。その致命的穴を埋める。

ロシア自動車メーカーは相次いで生産再開 政府は企業活動継続を求める

2020-04-14 09:52:33 | ロシア産業情勢
ロシアの自動車メーカーは、生産再開に向けて動き出した。4月13日からはロシア最大手乗用車メーカーAvtoVAZが生産再開した。同社に前後して大手ロシア自動車メーカーが相次いで工場を再稼働させている。4月13日付イズベスチア紙が伝えた。
ロシア乗用車最大手AvtoVAZが生産再開をすることは、ロシア自動車産業全体の再稼働に向けたシンボル的な意味を持つ。AvtoVAZは4月6日の時点では生産再開はせず、新モデルの開発などの活動再開にとどまっていた。
一方ロシアの大手商用車メーカーは、先立って4月6日から生産再開に踏み切っている。商用車メーカーKaMAZのセルゲイ・コゴギン代表取締役は「工場を止めておく方がコストが高くつく」と述べる。同代表取締によれば、工場を停止していた期間に20億ルーブルの損失が生じたという。KaMAZでは主要製品であるトラックのほかにも、非常事態省など治安機関向けの専用車種を生産しており、一定の需要を見込んでいる。同社はロシアタタルスタン共和国で第二の都市ナベレジヌィエ・チェルヌィ市の主要企業であり、同社工場の稼働停止は町の経済や住民の生活に大きな影響がある。同社幹部がタタルスタン共和国政府と協議のうえ、他の自動車メーカーに先立って工場が再開した。同じく4月6日に別のロシア大手メーカーGAZグループがヤロスラブリ州のモーター工場およびディーゼル機器工場を再稼働させている。
 AvtoVAZと同じ4月13日からの生産再開に向けて、UAZやAvtotorなど他のロシアメーカーも工場再稼働の計画を発表している。外国メーカーではロシア極東沿海地方で生産を行う日ロ合弁Mazda-Sollersおよび中国Havelが生産を再開。4月13日からはメルセデスベンツの生産が再開される。
自動車メーカーの相次ぐ生産再開の背景には、政府から各地に企業活動継続を求めていることがある。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、新型コロナウィルス感染拡大状況においてもロシア全体の経済活動を停止させることは望ましくないとし、各地域で企業に生産活動継続を求めた(4月12日付Gazeta.ru)。「ロシア全域が、モスクワのような深刻な状況にあるわけではない」と同報道官は強調し「状況が比較的良好な地域では生産活動継続を保証することが必要」とのべた。
 同時点でロシアでは82地域で1万5770人の新型コロナウィルス感染が確認され、死亡者は130人である。(4/13)

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