【写真3枚】
ヒペリカムは西欧で【魔除け】の象徴。
実際6月に花、8月に実を捧げたり観賞する習わしがあるようだ。
そんなヒペリカムには一部の情報では幾つかの別名があるとされる。
オトギリソウ、キンシバイ、ビジョヤナギなどがそれに当たる。
調べてみるとこれらは厳密には違いがあるようだ。
今回は「ヒペリカムの仲間」「魔除けとの関連」について調べてみる。
[オトギリソウ]
和名で「弟切草」、平安時代の日本の伝説が関わる。
所以は鷹匠の兄弟が鷹が怪我をしたときにつかう秘薬の花がオトギリソウ。
門外不出としていた秘薬だったが弟が秘密を漏らしてしまった。
それを知った兄が弟を切ったのが名前の由来。
英名はヒペリカム・エレクトゥム
別名はセント・ジョンズ・ワート(St Jhon's wort)
キリスト教の洗礼者ヨハネの祝日6月24日に窓から吊るされるヒペリカム。
幽霊・悪魔・鬼・落雷を防いでくれるといういわれがある。
別の説ではオトギリソウはヒペリカム・パーフォラータム
こちらはセイヨウオトギリソウとも呼ばれる。
花の大きさはいずれも2cmほどと小さめ。
[ビジョヤナギ]
ビジョヤナギ(美女柳)は雄しべが長く花弁から飛び出すように伸びている。
ビヨウヤナギ(美容柳)とも呼ばれる。
花の大きさは7cmほど。
[ヒペリカム・カリシナム]
別名でセイヨウキンシバイとも呼ばれる
ビジョヤナギ同様に雄しべが長い。
さらにビジョヤナギよりも雄しべが密に伸びている。
花の大きさは7cmほど。
[キンシバイ(金糸梅)]
ヒペリカム・ヒドコートとも呼ばれる。
雄しべは他の品種と比べ短め。
花の大きさは7cmほど。
[ヒペリカム・アンドロサエマム]
実が有名で別名コボウズオトギリ
聖ヨハネの追悼日である8月29日に実が赤くなるとされる。
花の大きさは2~3cmほど。
[魔除けの所以(推察)]
古代ギリシャでは肖像画の上に捧げる魔除けの花とされた。
キリスト教では聖ヨハネの花で災厄や病気からの守護の意味を持つ。
日本では民間療法として切り傷、打撲、止血の薬として用いられていた。
ローマ帝国全盛期の医師・植物学者のディオスコリデスが薬として用いた。
根が蛇毒に効果があるとされた。
15から16世紀のスイス人医師パラケルススが薬として利用した。
葉っぱに排泄にかかわる傷に効くとした。
また葉脈は妄想や悪霊を追い払うとした。
ユピテルの記念の金曜日に集めた花。
首周りにかけられたものを内服すると憂鬱を癒やすとされた。
また少女が花を寝室に吊るすと未来の夫の夢を見る。
一方でイングランドのワイト島には魔力についての伝説だけが残る。
この花を踏むと妖精の馬が現れて踏んだものを乗せ走り出す。
家から遠く離れた見知らぬ土地で降ろすとされた。
この花に妖力・魔力を感じていたためと思われる。
以上から西欧や日本でこの花に特殊な感情を持っていたと考えられる。
現代のような科学がなかった時代の薬効は魔力と同列だったのだろうか。
ただ他の薬効を持つ植物との違いがあるはず。
なぜ上記のような伝承が残ることになったのか。
その由来は調べがつかなかった。
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余談
黄色は西欧では忌み嫌われる対象。
特にキリスト教やフランスなどでの風習に由来する。
にも関わらず黄色い花であるヒペリカムが珍重されたのは興味深い。
引き続き調べてみたいと思う。
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