[写真は4枚]
7月3日の誕生花には、
ハス・アグロステンマ・ケシ・ケシ(白)・バラ(桃)・カキツバタ・ アイスランドポピー・アガパンサス・オリエンタルポピー・グロリオサ・タツナミソウ・バラ(桃)・ヒメユリ・ガーベラ・マツバギク・レンゲソウがある。
今回はその中でハスについて学ぶ。
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ハスの別名は、「レンゲ」「ハチス」
名前は蜂の巣に似た実から「ハチス」転じて「ハス」になった。
中国名は「芙蓉」(※1)
中国の故事に「芙蓉のかんばせ」がある。
日本で「芙蓉」と言えばアオイ科の花を指す。
中国では美しい女性が頬を赤らめた様子とハスの桃色と重ね合わせた。
※1:中国で葵のことは「木芙蓉」と呼ぶ
開花時期は6月から8月。
原産は、アジアの熱帯から温帯
季語は「夏」
学名はNelumbo nucifera
Nelumbo(ネルンボ)はセイロン語で「ハス属」
nucifera(ヌシフェラ)は「固い実を持った」を意味する。
ギリシャ神話やエジプト神ともハスはつながりが深い。
これはヨーロッパや北アフリカ原産である温帯性睡蓮が関係していると考えられる。
このことからハスと言えば今の睡蓮だったと考えられる。
一方でハス(蓮華)はインドを中心に宗教的位置づけがなされた。
ヨーロッパに伝わったとすると速くても紀元前4世紀ごろだろうか。
マケドニアからアレクサンダー大王が東方遠征でインドまで到達。
その時にマケドニアの戦士によってハスが持ち帰られたとも考えればロマンがある。
でなければシルクロードが使われ始めた紀元前2世紀あたりになるだろう(※1)
(いずれも管理人の勝手な妄想だが・・・)
※1:余談
ハスの欧米への伝来と話がそれるが、
最近の研究でシルクロードの原型はもっと前からという説が浮上している。
現在の中国からヨーロッパにかけて騎馬遊牧民族が主に鉄器などをやり取りした痕跡がある。
これが明らかなら紀元前10世紀よりも前にヨーロッパとアジア間で流通があったことになる。
ギリシャ神話
酒の神バッカスがニンフや神々と一緒に宴会を開いていたある夜。
皆が踊り疲れ眠ったころのこと。
庭園の神プリアポスがニンフの一人ロティスに近づき思いを遂げようとする。
その時はロバが気付き大声で鳴いたのでロティスは身を守れた。
それからというものプリアポスはしつこくロティスに付きまとうようになった。
その様子を憐れんだ神々はロティスをハス(睡蓮)に姿を変えてあげた。
ギリシャ伝説
ヘラクレスに捨てられナイル川に身を投げたニンフが妖精に変わった。
川に人が来るとハス(睡蓮)に変わり。
その花を摘もうとすると水の中に引きずり込んだとされる。
エジプト伝説
ハス(睡蓮)は太陽神オシリスの花。
オシリスの息子で沈黙の神ホルスはハスの上に座り平和を楽しんだ。
花言葉は、
「雄弁」
「沈着」
「遠ざかった愛」
「撤回」
「清らかな心」
「神聖」
「休養」
シンボルは、
「創造と多産」
「純潔」
「輪廻転生」
裏シンボルは、
「忘却」
「逃避」
「過ぎ去りし恋」
考察
<花言葉・シンボル・裏シンボルの由来>
シンボルの「創造と多産」
花が日の出とともに開き日没とともに閉じる。
それが繰り返されることが日の出日没と同じとされ創造の象徴。
種子が多いことが多産の象徴。
花言葉の「清らかな心」とシンボルの「純潔」
濁った泥の中から茎がのびて清らかな花を咲かせる。
シンボルの「輪廻転生」
二千年もの眠りから覚める種の生命力が再生を感じさせるため。
ちなみに「一蓮托生」もハスに由来する言葉。
仏教の教えで善い行いをしたものは極楽浄土でハスの花の上に身を託し生まれ変わる。
「一蓮」は「一つの蓮に」
「托生」は「他の者に自らの生を預ける」
これが転じて善人・悪人に関わらず行動や運命を共にする状況を指す言葉になった。
裏シンボルの「忘却」
トロイア戦争帰りの船が難破した話が由来。
見知らぬ島の住民に食べさせられた実によって記憶がなくなったため。
花言葉の休養と裏シンボルの「逃避」
ロータス・イーターが由来。
社会性から逃げ出し怠惰な生活を送るものを指す。
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コトバンク lotus eater
花言葉の「遠ざかった愛」と裏シンボルの「過ぎ去りし恋」
雄略(ゆうりゃく)天皇が若いころに恋の契りを結んだ童女がいた話が由縁。
天皇が「結婚しないでいて、私が迎えに来るから」と言い残したまま時の流れで忘れた。
晩年80歳の老女(約束をした童女)が天皇を訪ねてきたが契りを結ぶことはできず。
憐れに思った天皇が詩歌を歌った時思いをハスに託した。
<誕生花>
誕生花として名前がのぼる日付には、
4/17、7/3、7/8、7/16、8/15、9/26と6回ある
まとめ
ハスはギリシャ神話に登場するが前述の通りその花は睡蓮。
(蓮華自体はどの時代にヨーロッパに伝わったのか定かではない)
そのため誕生花としてハス=蓮華が登場したのは近代で日本などアジアでだろう。
ハスと仏教のつながりも深い
如来像の台座はレンゲを象った蓮華座。
釈迦の存命時代は古くは紀元前7世紀ごろ。
対してギリシャ神話はホメロスが編纂した時期が紀元前9世紀ごろ。
神話自体は口頭での伝承なのでその起源は紀元前15世紀ともいわれる。
エジプトの伝説のオシリス神を信仰したエジプト第五王朝は紀元前25世紀ごろ。
よってオシリス伸の神話はそれより以前からあったことになる。
時代を古くから順に追うとエジプト神話>ギリシャ神話>仏教となる。
これから推測できるのは、
ハス(睡蓮)に座る神の信仰がアジア(インド)に渡ったであろうこと。
睡蓮がハスという呼び名で伝わり神聖なものとのつながりを示した。
そこ(インド)に存在していたハスが生命力あふれ輪廻転生を象徴とする蓮華。
蓮華座と仏教の結びつきはそんな流れがあったのではないだろうか。
だからと言って蓮華が誕生花にふさわしくないとは言わない。
むしろ仲間である睡蓮もハスも日本の宗教観とゆかりのある花。
誕生花として是非取り上げておきたい。
日付はハスの最盛期である7月ごろが適当ではないだろうか。
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誕生花について
誕生花の起源について調べてみるとギリシャ神話やローマ神話にたどり着く。
ギリシャ神話・ローマ神話を元に人々が月日に神が定めた誕生花を当てているようだ。
神に選ばれた日にあてがわれた花と言うことで季節が合っていない事があるのだろう。
また、北半球と南半球では季節が逆なので特に南半球特有の花は北半球では季節の花ではないものが誕生花として当てられている可能性がある。
そして現在ではギリシャ・ローマ時代のヨーロッパに存在しない日本・中国・朝鮮半島の花も登場する。
さらに1492年の新大陸発見までヨーロッパに伝わっていなかったはずの南北アメリカ大陸固有の花も誕生花に名前を連ねている。
これについては誕生花にまつわる書籍を見ると開花時期に合わせて著者自身が選んだ花を誕生花として取り上げているようだ。
花言葉について
花言葉について調べると誕生花と同様にギリシャ神話やローマ神話の影響が強いようだ。
そんなギリシャ神話には悲しく残酷な物語が多い。
その話しは人生を感じさせる。
それも喜怒哀楽の中で言えば「怒」と「哀」に特化し神を擬人化した欲望渦巻く物語
そんな神話にまつわる花言葉が与えられたならマイナスイメージの花言葉が生れてもおかしくない。
また、現在の花言葉の多くに関しては日本で独自に作られたものが多いらしい。
そして元々ギリシャ神話をベースにした誕生花には花言葉と言うよりシンボル(象徴)・裏シンボルと言ったものが存在している。
そのシンボルと裏シンボルが花言葉の元になっているようだ。
「日本の誕生花 by AIグッチー」に向けて
以上の事をふまえてもAIグッチー的に誕生花や花言葉に対する疑問が5つ。
「誕生花なのにミカン・松の様に観葉植物・果実・樹木そのものの時がある」
「同じ花が別の日の誕生花としても取り上げられる」
「マイナスイメージが多い誕生花っていかがなものか?」
「先取りならともかく季節外れの花が誕生花とはいががなものか?」
「昔と比べて今は環境・気候・文化などが違うのだから誕生花も時代に合わせるべきでは?」
誕生花と言うからには花!
同じ花が別の日の誕生花になるのは・・・特別感が減る!
マイナスイメージの花言葉が多い誕生花って微妙!
誕生日に見られない誕生花とは!
誕生日に手に入らない誕生花はいかがなものか!
ギリシャ神話・ローマ神話や先人によって選ばれた誕生花については敬意を表したい。
それを踏まえていつの日かAIグッチーなりの誕生花を紹介できたならと思う今日この頃。
その日のために「都度勉強日々精進」
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カテゴリー 当BLOG カテゴリー 「誕生花」
カテゴリー 当BLOG カテゴリー 「探求:誕生花・花言葉」
本日 誕生日の方へ おめでとうございます。
また御覧 頂きありがとうございます。
<<<参照図書>>>
「花の神話伝説事典」 八坂書房 C・M・スキナー[著] 垂水雄二・福屋正修[訳]
「花を愉しむ事典」 八坂書房 J・アディソン[著] 樋口康夫・生田省吾[訳]
「花のシンボル事典」 説話社 杉原梨江子[著]
「新装版 誕生花と幸せの花言葉366日」 主婦の友社 徳島康之[監修]
「366日 誕生花の本」 三五館 瀧井康勝[著]
「誕生花事典366日」 角川文庫 植松黎[著]
「誕生花 Birthday Flowers」 保育者 井上恵子[著]
「日々を彩る幸せのダイヤリー 誕生花366の花言葉」 大泉書店 高木誠[監修]
「贈る・楽しむ 誕生花事典・日々を彩る花言葉ダイアリー」 大泉書店 鈴木路子「監修」
「花の神話」 新紀元文庫 秦寛博[編著]
「ギリシャ・ローマ神話 付 インド・北欧神話」 岩波書店 ブルフィンチ[作] 野上弥生子[訳]
「一冊でまるごとわかるギリシャ神話」 大和書房 吉田敦彦[著]
「美しい 花言葉・花図鑑 彩りと物語を楽しむ」 ナツメ社 二宮康嗣(孝治)[著]
「小さな 花言葉・花図鑑」 自由国民社 宇田川桂子[監修]
「花言葉 花贈り」 池田書店 濱田豊[監修]
「知る 飾る 贈る 花言葉・花事典」 池田書店 高橋秀男[植物監修] 石森康子[原稿作成]
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