辻村深月はツナグ、東京會舘とわたし、ハケンアニメ、と読んできてこの「傲慢と善良」がまだ4作目なのに、好きな作家はと訊かれたら辻村さんと答えそうな作家だ。
本の紹介文には恋愛ミステリーとあるが、ミステリーを読んでるという感じはないな。
一部は真実(マミ)がウソを言っているとは全く考えないで読んでいた。架(カケル)の
とろい行動に苛つきながら。
二部の架の女友達がストーカーはウソだと見抜いていたという場面で、ああそういうこともあるのかとやっと気づくとは、にぶいよなぁ。
二部は色恋バナシからぐーんと世界が広がり、物語に深みがでてひきこまれた。
架と結婚するハッピーエンドじゃなく、被災地での新たな恋の方がよかったかもと一瞬思ったり。でもまあこのエンドでいい、グッときた。いい小説だ。