1966年にフランソワーズ・アルディが出演して"Le Premier Bonheur Du Jour"をはにかみながら歌っているテレビ映像を見ていたら、モノクロの時代の感覚が蘇ってきた。"一日の最初の幸せ"と名付けられた、わずか2分にも満たないこの曲は、全くフランス語が分からない遠い極東の少年少女を魅了した。戦争ばっかりしているアメリカより、フランスはずっと格好良かった。日本にも多数のフランス歌手が紹介されたが、フランソワーズ・アルディは可憐でありながら知的で、文系少年の憧れだった。
半世紀を経てもなお、瑞々しさを失わない"Le Premier Bonheur Du Jour"は、世界中のアーティストに歌い継がれているが、フランソワーズが歌うと楽曲の良さが俄然生きてくる。この映像を観てモノクロの記憶の意味がすこしづつ分かってきた。