ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

Gary Burtonのマレットは、ボサノヴァで戻らぬ過去へのサウダージ(憧憬)を紡ぎ出す

2015-03-06 20:00:00 | Chega de Saudade
Chega de Saudade performed by Gary Burton

ゲイリー・バートン/Gary Burton(1943年~)というヴィブラフォン奏者が世界的に高い評価を得たのは、文字通り透き通るようなヴィブラフォンの音色が印象的なアルバム"クリスタル・サイレンス/Crystal Silence"(1972年)だろう。共演者のチック・コリア/Chick Coreaの同名曲をタイトルに冠するこの傑作は、筆者が絶賛するアルバム、"リターン・トゥ・フォーエヴァー/Return To Forever"(1972年)と不可分の関係にある。


"リターン・トゥ・フォーエヴァー"がブラジル人ミュージシャンのフローラ・プリン/Flora Purimとアイルト・モレイラ/Airto Moreiraを迎え、永遠の楽園へといざなう官能的な音楽を創造したのに対し、同年に発表された"クリスタル・サイレンス"はピアノとヴィブラフォンのみの絶妙なインタープレイを通し、リスナーの精神世界における自己との対話を深めさせる作品となった。


今日のライブ映像で披露する"Chega de Saudade"でも、ゲイリー・バートンはサウダージ/Saudadeという感情を単なる郷愁(ノスタルジー)に留めず、無邪気に楽しい日々を過ごした子供時代への憧憬をマレットに込めて表現していると筆者は感じたが、皆さんはどうだろうか。


Gary Burtonオフィシャルサイト


Chega de Saudade(No More Blues)はこのアルバムに収録されている。


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