クリスマスの季節には特別な意味と美しさがあり,「疲れている人に休み」をもたらすことを認めたうえで,12月2日の大管長会クリスマスディボーショナルの中でトーマス・S・モンソン大管長は「雑事に追われ,本来求めているはずの真の精神を見失ってしまうのも,この季節にはよくあることです」と述べています。
「わたしたちの多くは,この季節には物事を過度にしてしまいがちです。こうした傾向が生まれる原因として,活動が多すぎる,食べものが多すぎる,使うお金が多すぎる,多くを期待しすぎる,ストレスが多すぎることなどが挙げられます。その結果,もう動きたくない,疲れ果てた,という思いで終わってしまいます。しかしクリスマスは本来,救い主の降誕を祝う素朴な喜びを味わうときなのです」と大管長は述べています。
クリスマスの真の喜びは,この季節の中心に救い主を置くときに見いだせるということをモンソン大管長は再強調しました。「救い主がこの地上でなさったような働きをするときに,わたしたちは自分の思いと生活の中に救い主にとどまっていただくことができるのです。」
モンソン大管長は「社会の人々に愛を表してほしいと切に願う人々」として高齢者について語りました。
「枯れつつある望み,消えつつある夢,その寒々とした風が,齢を重ねた人々,人生の絶頂から下り坂を進みつつある人々の心に吹きすさんでいます」と大管長は思いをめぐらしました。
大管長は真の愛とは救い主の愛を映し出したものであると宣言しました。「12月になると,それはクリスマスの精神と呼ばれます。それは聞くことも,見ることも,感じることもできます。」
モンソン大管長は11歳の少年のときに初等協会に出席して味わった経験を語っています。ある日,彼は白髪で初等協会会長を務めるメリッサという女性から後で話の相手をしてほしいと頼まれました。
「メリッサはわたしの肩に手を置き,泣き始めたのです」と語っています。「わたしは驚いて,なぜ泣いているのか尋ねました。
彼女はこう答えました。『わたしには初等協会の開会行事の間,どうしてもトレール・ビルダーの男の子たちを敬虔にさせることができないの。トミー,わたしを助けてくれない? 』」
彼はメリッサに助けると約束しました。それですぐに初等協会の敬虔さに関する問題は決着がつきました。
「メリッサが,問題の発生源であるわたしのところに来て,愛を示してくれたからです」とモンソン大管長は語っています。
それから何年も経ち,メリッサは90歳代になり,ソルトレーク・シティーの介護センターに入所していました。
「クリスマスの直前,わたしは愛する初等協会の会長を訪問することに決めました」とモンソン大管長は振り返ります。車で目的地に向かう間,車のラジオから「天には 栄え」が聞こえてきました。モンソン大管長は黄金,乳香,没薬を幼いキリストのもとに携えていた3人の博士たちのことを考えました。
「わたしが携えていたのは,愛という贈り物と感謝を伝えたいという望みだけでした」と語っています。
メリッサは老人ホームの食堂にいました。料理の入ったお皿を見つめていました。モンソン大管長が彼女に話しかけると,うつろな眼で見返します。大管長がフォークを取って,メリッサに食べさせました。そして,彼女が初等協会の役員として子供たちのために奉仕したことを話し続けたのです。
二人の老人が不思議そうな目で大管長を見ていました。そのうちのお一人がこう言ったのです。「彼女と話しても無駄よ。だれのことも分からないの。自分の家族だって分からないんだから。ここへ来てから一言もしゃべったことなんかないんですよ。」
昼食は終わり,モンソン大管長が帰ろうとして立ち上がり,彼女のか弱い手を握り,言いました。「メリッサ,神の祝福がありますように。メリー・クリスマス。」
「すると,彼女は突然こう言ったのです。『あなたを知っているわ。初等協会のトミー・モンソン。あなたを愛しているわ。』彼女はわたしの手を唇に押し付け,優しいキスをしてくれました。彼女のほおを涙が流れ落ち,握り合った手をぬらしました。その日,その手は天によって清められ,神によって優美にされました。天の御使が確かに歌っていました。」
「クリスマス以上に,キリスト・イエスが教えられた原則に従って生きようと自分を再び奉献するのにふさわしい季節はありません。心を込めて,神である主を愛し,隣人を愛する時なのです。お金をささげる人は多くをささげ,時間をささげる人はさらに多くをささげ,自分自身をささげる人はすべてをささげるということを覚えておきましょう」とモンソン大管長は勧めています。
クリスマスは「キラキラした飾りやリボンではなく,生活そのものです。・・・クリスマスとは,見返りを求めずに与える精神,人々が喜ぶ姿を見るときに感じる幸福,自分を忘れて人のために時間を作ること,意味のないものを捨て,真の価値に重きを置くこと,救い主の教えの中に平安を見いだすことによって感じる平安です。愛は与えれば与えるほど,深まっていくものだということを今以上に深く理解できるときはありません」とモンソン大管長は語っています。
「3人の博士たちのように,輝く星を見つけ,隣人に奉仕をする真のクリスマスの機会を持てますように。わたしたちが霊的な意味において,救い主への贈り物として,優しい,愛に満ちた心を携えて,ベツレヘムを目指して旅をすることができますように。そして,一人残らず喜びに満ちたクリスマスを過ごすことができますように」と願いを込めてモンソン大管長はお話を締めくくりました。
このお話は、末日聖徒イエス・キリスト教会2012年大管長会クリスマスディボーショナル―2012年レポート
提供者: R・スコット・ロイド,チャーチ ニュース記者とサラ・ジェーン・ウィーバー,チャーチニュース編集補佐
から、ご紹介しました。
今日もお読みいただいてありがとうございます。
良い1日をお祈りします。
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