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憲法7条第3項には、「衆議院を解散すること」を天皇に国事行為として規定しているが、天皇は形式的・儀礼的に外部に向かって解散を宣旨するにすぎないのであって、解散を実質的に決定するのは内閣である。ただし天皇は、国政に関する機能を有せずまた議院内閣制がとられている以上、他の国家機関が解散権を行使することは考え得れないことである。しかし、その憲法上の根拠には下記の3説がある。
第1節:憲法7条第3項により天皇が解散権を有するとしつつ、天皇の国事行為に対する内閣の助言と承認は、内閣の解散権についての実質的決定権を含むとする説。
第2説:内閣による天皇の国事行為に対する助言と承認は、形式的・儀礼的に対する助言と承認であり、内閣の実質的解散権の根拠は他の憲法規定に求めなければならないとし、内閣の解散についての実質的決定権の憲法上の根拠は、憲法69条以外にないと解し、解散権の行使は69条に限定されるとする説。
第3説:憲法7条解釈については、第2説と同様の立場に立ちながら、解散を69条の場合に限定することは不適当であるとして、議院内閣制、権力分立制、さらには69条の趣旨などを総合的に考慮して内閣の実質的解散権を根拠づける説。
☆第1節が、通説的見解であり能動的解散である。また第2説、第3説は、受動的解散というが、特に第3説が有力に主張されている。