Montalcino(モンタルチーノ)は公共交通機関では行き難い!
とよく聞いていましたが、それは事実でした。
(のっけから赤字で驚かせてすみません!)
帰りは3時間くらいで着いたけど、行き5時間!
ってあんた、同じregione(州),それも隣のprovincia(県)ですよ!!
2011年9月22日、朝9時、FirenzeはSITAのバスセンターで友人と待ち合わせ。
Siena(シエナ)行きのバス乗り場の前には既に行列。
時刻表には9:10に2台出発と書いてあるが、1台目は9時前に発車。
私たちが乗った2台目は、9時過ぎに満員の乗客を乗せて発車。
Sienaのバス乗り場(S.Domenico)に着いたのが10時半。
サイトで見つけた時刻表では25分にMontalcino行きのバスは出ると。
既に影も形もない。
そこにいたバス会社の職員に聞いたところ、なんとMontalcino行きのバスは駅からのみ。
急いでバス券を買いにBiglietteria(切符売り場)へ
そこでMontalcino行きのバスは駅のバス停から10:50に駅を出ると聞く。
急いで駅行きのバスに乗れば間に合うかも・・・この時点で10:35。
しかし、ここで一緒のバス券を買わなかったのが良かったのか悪かったのか?
バスは5分後に到着するというが・・・
確かサイトで見たときはこのバスターミナルから駅まで5分。
間に合うか間に合わないか・・・
駅に着いたのは10:55
バスの影なし。
必ずこちらが送れているときはすでにバスも電車も発車した後で、
こちらが時間通りのときは必ず発車が遅れる・・・これが”イタリアの法則”。
一度後手に回るとと全てが後手、後手に・・・修復不可能。
切符売り場で尋ねると、次のバスは12:45・・・っておいおい、2時間後!?
じゃあ電車で行くか???
ということで電車を選んだ私たち。
Siena(シエナ)12:18発でBuonconvento(ボンコンベント)で降りて、そこからバス。
BuonconventoからMontalcinoまでは10キロ
バスが出発する時間にはBuonconventoに着くから、ということで電車で行くことにして、ちょっとBarで休憩。
12:18 Siena発Grosseto(グロッセート)行きに乗る。
30分弱でBuonconventoへ到着。
バス停は・・・と探していると一人のSignoraが私のそばによってきた。
「どこへ行きたいの?」と聞かれたので
「Montalcinoです。」と答えると、「あちらだよ。」と反対側の停留所を教えてくれた。
ここからが非常にイタリアらしくて、このSignora(90歳くらいのおばあさん)は
「いや~私は4時のバスに乗っていまMontalcinoに戻るところだ」と
よ、よ、よ、4時のバス!?
じゃあ、いつバスが来るのか知っていると思い「バスはいつ来ますか?」と聞くと
「すぐ来る」と
あ~良かったと思いながらも、時刻表を見ると13:25
Signora,30分以上はありますが・・・
更にこれ、私たちが見送った12:45のバスじゃないですか~!!
あ~あ。
ということでこのSignoraと一緒に日陰でしばらくバスを待つ。
するとこちらのSignoraが色々話を始めた。(イタリア人は必ずそう)
まずは彼女、Sienaに用事が有って行っていたらしいけど、そこで見かける最近の若者がとてもひどいと。
Bestemia(罵詈雑言、暴言とかいう意味。),という単語を使っていたけど、友人曰く、これ、普通使っちゃいけない、というくらい悪い言葉なんだって。
それくらいSignoraが若者に対して怒っていたということ。
教育が出来ない今の親たちにも怒っていた。(ちなみに私も友人もその年代です。)
そこからどうしてそこへ行ったのか分からないけど、戦時中の話へ。
夏休み前にVinci(ヴィンチ)へ行ったときにもこの話をしましたが、Toscanaには戦時中、ドイツ軍の虐殺にあった村が数多く存在する。
彼女の村もその一つで、彼女だけが奇跡的に助かり、村人34人が惨殺された。
彼女の話では、頭はこちら、手はこちらと死体が道に転がっていた、と。
何とも表現できない、でも忘れることはできない光景だったと。
彼女の話では、イタリア人だけではなく、ドイツ人の青年将校も爆弾で殺されたりなど、本当に聞くに堪えない、でもそれが事実なのだ。
友人と、こういう時代を生きてきた人たちにとっては今の若者が歯がゆく、憤るのも当然である。
話を聞きながら、なんとなく沖縄や広島、長崎で戦争体験を今に引き継いでいる人たちのことを思った。
こういう人たちの犠牲の上に、私たちの今の幸せな生活がなりたっているのである。
戦争を体験した世代の人たちは、少しずつ減っている、この人たちが語ることを風化させてはならないと、バスを待ちながら思う私たちでした・・・
しかし、待てど暮らせどバスは来ず。
結局バスが私たちの前に姿を現した時(思わず「来た!」と日本語で叫んでしまった・・・)は13:30だった。
Montalcino行きを待っていたSignoraは、家はMontepluciano(モンテプルチャーノ)の方が近いということでそちらを待つということで、ここでお別れ。
彼女は私が日独伊三国同盟で一緒に戦った国の人だと気付くことはなかった。
いつまでもお元気で!!
Finalmente(やっと)Montalcinoに到着!!14時です。
なんとFirenzeを出てから5時間後・・・ってここは同じRegione(州)の中、更に隣のProvincia(県)ですよ。(ってしつこい?)
うちだったら、例えば横浜から横須賀の山奥へ行く、って感じ?
ありえない~~~!!
でも5時間!5時間も掛かったんだから・・・
やはりMontalcinoは公共交通機関では行き難い、の伝説(それは大げさ!)はうそではなかった。
(伝説ではなかったということですわ!)
ここまで来たら、まず何よりお昼ご飯!
しかし、どこも観光客相手の店ばかり。
ということで、偶然なぜかアジアンチックなものを売っている店の前でタバコを吸っていたお姉さんにお勧めを聞いた。
Fortezzaのそばに1軒、彼女の店の前の店もいいと教えてくれた。
しかし私たちは今通ってきた通りによさそうなところがあったので、そこはどうかと尋ねると、「そこもいい」と言ってくれたので、引き返してそこにはいった。
このグラスがとてもおしゃれで、ワインのボトルのようにそこが軽い円錐(?)形になっている。
ワインはもちろんモンタルチーノ(しかし写真がない!)
お食事は
Bruschetta(ブルスケッタ)
ちょっとにんにくが利きすぎていて、このあととてものどが渇いたのはこれのせい?
Affetati misti di Cinta senesi
チンタ・セネーゼという白い線が入った豚がいます。
この子たちですが
この子達のサラミ、生ハムの盛り合わせ。
ものすごく薄く切られていておいしいのなんの。
ワインにぴったり!
それとselezione di pecorino
ペコリーノチーズのセレクション
洋ナシ(pera)が乗っています。
レストランが何かしたわけではないものばかりだけど、地元のものは本当においしかった。
腹ごなしを終え、街をぶらぶら。
Centro storico(メイン通り)
と言っても小一時間で全部見て回れる。
Piazza del Popoloのそばにインフォメーションがありますが、中には人はいませんでした。
物騒だなぁ・・・
Montalcinoを含むVal D'Orcia地区はユネスコ世界遺産に登録されています。
Fortezzaでは塔の上に上れるのだけれど、入場料が4ユーロ!
それならワイン1杯飲んだほうがいいということで、上には上らなかった。
どこまでものん兵衛な私たち。
ブラブラしていると友人がいきなり
「Nocinoの作り方知ってる?」と聞いてきた。
「知らん」と私。しかし何でいきなりその話?と思ったら、ここにくるみの木が。
胡桃の木なんて初めて見た。
近頃の子供は、魚は切り身の状態で海を泳いでいると思っていることがいると聞いて驚いたけど、
胡桃だって最初から乾燥しているわけじゃないよなぁ・・・私も結構危険でした。
彼女曰く、胡桃の実がまだ緑のうちにアルコール度数の高いお酒に漬けるんだそうです。
そもそもNocinoとは何か?と言いますと、消化を助けてくれる食後酒です。
アルコール度数が高いのでもちろんちょびっとだけね。
日本でノチーノを作ってみた方のブログを参考にしてみて下さい。
しかし、このNocino、北イタリアではSan Giovanniの日の朝に取ってきた胡桃を漬けるというじゃないですか。
何で?
San Giovanniと言えば、わが(?)Firenzeの聖人。でもFirenzeにはそんな伝統はないはず・・・
24日の朝露に触れると幸せになるということでその日の朝胡桃を取りに行って、漬けるそうですが、果たしてなぜ?
日本語では記事がなかった・・・面倒だなイタリア語で調べるの。
はいはい、調べますよ。
なぜ?というのは良く分からないけど、何でも昔はエキスパートの女性が、靴下で木に登り実を取ったとか。
そんなことから魔女の仕業と思われていた風もあるみたいです。
なんか面白い。
この作業がすべて終了するのがハロウィンの日、というのも何かの因縁(?)かしら?
街をぶらぶらしていると結構おしゃれなお店もある。
昔ながらの機織機で、選別された自然素材の糸を使って布を織るSignora
店内は本当にステキなものばかりだった。
こちらのお店もよかった。
もちろん買い物はしなかったですけどね。
友人はこの店で、Montalcinoがいかに公共交通機関を利用する観光客に不便か、お店のお姉さんに語っていた。
グル~と一周してきて、中心に戻って来た。
絵になるねぇ
友人の話では、何かの映画で使われていたのでは?と
途中工事をしているところ。
この一輪車にレンガを乗せたまま上に
ちょっと遠すぎて分からないか・・・
そして一軒の試飲可能のワインショップに入った私たち。
しかし、ここははずれ。
色々説明を求めるものの、店員は全然知識もやる気もない。
こちらがボトルで買う気がないと見たからか?
だって高いんだもん・・・
それでも1杯ずつ試飲して店を出た。
これで満足できなかった私たちは別の店に移動。
でもMontalcinoではどこも似たり寄ったり。
絶対Monteplucianoに軍配は上がる。
結局2軒目もはずれで、お水だけ飲んで店を後に、バスの発車時間が迫っていた。
17:15Buonconvento行きのバスに乗る。
17:50、Buonconventoの駅からFirenze行きに乗る。
ちなみBuonconventoの駅前に一軒のバールがある。
行きはここでバスのチケットを買おうと思ったのに、売り切れ。
ああああ・・・バス無料乗りしちゃった。
バスの運転手に、「バス券下さい」と言ったら「僕はバス券を売ったことはない。Montalcinoのバールで買って。」
と言われた。
イタリアでは良くあること。
普段はちゃんと買うけど・・・
そして帰り。
駅には切符を買うところは有りません。
電車が入る鐘の音がしているにもかかわらず、電車を待っているトッポイ(死語だな)兄ちゃんに
「切符はどこに売っているの?」と聞くと、バス券なかったBarというので行ってみる。
バス券はないけど、切符は売ってくれました。
何とか電車にも間に合い、ここからおよそ2時間、Firenzeに着いたのは20時でした。
何もないBuonconventoの駅。
他の写真はこちらで
Montalcino(モンタルチーノ)
いやはやとにかく長旅でした。
やはりMontalcinoは公共交通機関で行くのはつらい場所でした。
更に、こんなこと言うと何ですが、「ワイン飲むぞ~」モード全開だった私たちには非常に物足りない結末となりました、とさ。
皆さんも気をつけてくださいね。
但し私たちの場合は不運が続きましたが、運がよければ行きもこれほど苦労することは有りません。
Siena駅からMontalcino行きのバスは一日に数本出ています。
こちらのTrain社のサイトをご確認ください。
追伸:
途中、不思議な光景を。
Poggibonsiという駅で、結構年配の日本人のグループ(10人弱)が電車に乗り込んできた。
友人と二人で「何でこんな駅から日本人が?それもあんな大人数???」
残念なことに彼らは隣の車両に行ってしまい、真相は分からなかった。
San Gimignano(サン・ジミニャーノ)に行って来たのかな?
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