イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」ーその1

2023年06月10日 14時30分50秒 | 日本の美術館

あれだけ気を付けていたのに、コロナに感染した。
幸い超軽症で熱も37.5度以上にはならず(友人には「その微熱で検査したの?」と言われたが…)、のどの痛みも咳もそれほどなく、一番の幸いは家族にうつさなかったこと。
(今日は発症から5日目なのでもう大丈夫かと)
5月8日以降もマスクはしていたし、手洗い消毒も以前同様していたのに…
後悔はしていないが、多分台風をおしてまで旅行したのが原因と思われる。

そう、先週の金曜日あの雨の中、私は高松空港へ向かっていた。
前日航空会社から飛行機が飛ぶか否かは朝決めるというメールが届き、当日空港に着いた時点では、羽田空港に折り返す場合もある、という条件付きで出発という放送が流れていた。
しかし、飛行機はかなり揺れたが、15分遅れ程度で高松空港に無事到着、「やっぱり私って旅行運ある!!」と思ったものだった。

そこまで強行しても行きたかったのがこちら

金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」

台風の影響でもしかしたら行けないかも、ということで事前予約はしなかった。
更に前日は大雨警報が出たため、急遽休館になったとかで、午後の予定もあったので、朝早めに上って来たが、朝は参拝者が少なく、非常に上りやすかった。
当日券は8時半から販売ということで、先にお参り。


これぞ台風一過という快晴。
遠くに「讃岐富士」が望めた。

実は金刀比羅参りはこれが2度目。
一度目は大学の学芸員課程の卒業旅行。
いやいや、実は再訪前に写真を見たけど、全然思い出せなかった。

ところで、これはどうでもいい話なのだが(まぁ、どれもどうでもいいっちゃいい話だが)
私、日本に戻って来てから、出かける先が主に神社仏閣となり、御朱印を頂いている。
基本書置きの時は頂かないことにしているのだが、ついついミーハー心でこの決まりを破ってしまった。
というのもこの時期若冲の特別バージョンがある、ということで。(詳細
しかし、これがひどかった。(罰当たりな言い方、お許しを!!)
日付も入っていない、カラーコピー。神も和紙じゃないし…1000円もしたのに。
ということで、ここで改めて宣言!
「書置きは頂かん!!」

とそれはさておき、8時40分ころ受付に戻った時は、既に20人くらいが待っていた。
今回の拝観は、てっきりガイド付き見学だと思っていたら、入館前に簡単に説明があり、あとは1時間弱野放し。
いや、これ最高!!
あらゆるところに見張り(失礼!)がいるので、気になることが有ればその人たちに個人的に聞けばいい。
日本の学校教育のように、興味がある人にもない人にもひたすら説明するよりいいし、説明いいから早く見せて、ということも多々あるからだ。

会場の金刀比羅宮、表書院・奥書院は17世紀に建てられ、現在共に国の重要文化財に指定されている。
表書院は普段も一般公開されているが玄関の森寛斎「檜樹鷲図」から始まり、「水呑の虎」をはじめとする円山応挙の障壁画、明治時代の歴史画家、邨田丹陵による「富士の間」などがある。

入った時、多くの人は若冲の方へ行っていたので、まず私は応挙へ
ブログには書いていなかったけど、今年3月「応挙寺(大乗寺)」に行って以来、密かに応挙にはまっていた。
いや~、応挙寺は応挙寺でわざわざ行った甲斐があったけど(家から13時間くらいかかったからね)こっちの方が好きかも。
で、ちょっと調べたら、なんと応挙寺の障壁画と金比羅の障壁画を描いたのは同じ時期、1787年、応挙55歳の時だった。

鶴之間 円山応挙「遊鶴図」(写真:https://www.konpira.or.jp/articles/20200703_drawing-room/article.htm
鶴が寝てる、寝てるって…さすが応挙。

虎之間 円山応挙「遊虎図」(写真:https://www.konpira.or.jp/articles/20200703_drawing-room/article.htm)「八方睨みの虎」もいる。
虎と言っても、みんな猫みたい。
もふもふ、ふわふわで非常に愛らしい。
応挙の作品ばかり食い入るように眺めていたら、監視(失礼!)の人に「若冲見ました?」と心配されてしまった。
古銭で出来た鶏だってすごかった。

ちなみにこの応挙の間に面した庭は鞠庭(まりば)になっている。
昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出ていたが、鞠庭(まりば)とは蹴鞠を行う会場のこと。

写真:https://www.konpira.or.jp/ARCHIVES/ritual/00/kemari/kemari-2017.html
正面に見えている建物の障子の奥に応挙が有るのだが、ここが鞠庭。
普通の庭じゃん、と思ってしまうのだが、ちゃんをコートの目印になるように4本の木が植えられている。
この4本は四季を表していて、式木(しきぼく)というこの4本の木には、松(西北)・柳(南東)・桜(北東)・楓(南西)が植えられている。
コートの広さは15メートル四方。
鞠を蹴る音をよく鳴らすため、式木の内側の四隅と中央の土中には瓶が埋められている。

式木は、蹴鞠の神さまである精大明神(しらげだいみょうじん)が宿る依代(よりしろ)で、神さまが座りやすいように、どれも二股の木。
自ら蹴鞠の“精”と名乗った精大明神。その顔は人ですが、手足身は猿⁉蹴鞠の精を鞠庭に迎えるために、猿の好む木を植えたのが式木。
参考:https://www.konpira.or.jp/ARCHIVES/ritual/00/kemari/kemari-2017.html

若冲のことも一気に書こうと思ったけど、無駄話が多くて長くなってしまったので、ここでひとまず終わりといたしまする。



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1 コメント

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金刀比羅宮 (takan32)
2023-06-13 20:21:44
fontanaさんへ、私の以前、金刀比羅宮で若冲の特別展があった時に見に行きました。
その時、初めて金毘羅参りをして、そのあと、さぬきうどんも食べました。小さなたらいうどんでした。
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