先日ここでも書いたパオロ・ジョルダーノの「コロナ時代の僕ら」
を一気に読みました。
私が行く本屋は品揃えが悪く(失礼!系列店で大学時代バイトしてたんですけどね)、前もって注文しておいたのだが、本を見て思わず「こんなに薄いのに1300円⁉」とちょっとがっかり。
まぁ、読み終わったらさっさとメルカリで売っちゃおう、なんて思っていた。
著者がこの本を書くきっかけになったのは、2月25日付け、イタリアの朝日新聞か読売かというような有力全国紙Corriere della seraに寄稿した"Coronavirus, in matematica del contagio che ci aiuta a ragionare in mezzo al caos"(コロナウィルス、混乱のなかで私たちがまともな判断を下すのを助けてくれる感染症の数学)という記事だった。
この時イタリアでは、北部の一部地域でコロナが猛威を振るい始め、多くのイタリア人はその後に起きる自分を巻きこむパンデミックに無頓着でいた。
27の短編がまとめられたこの本は、3月10日に掲載された"Quello che non voglio scordare, dopo il Coronavirus"(コロナウィルスが収束した後、僕が忘れたくないこと)が筆者のあとがきとして日本語版のみ掲載されている。
本当に一篇一篇が短く、あっという間に読み終わってしまうのだが、その内容は静かに心に響いてくる。
奇しくも一昨日イタリア政府は、外出禁止を緩和すると発表した。
そして今日本はイタリアが3月に経験していたことをほぼ1か月遅れで経験中。
もちろんその措置のやり方は大幅に違う。
彼らが自由を捨てて、命を守り、私たちは自分たちの意思で命を守ろうとしている。
あの周りと足並みを合わせることが、何より苦手なイタリア人がどのようにこの1か月を過ごしたか、またこの先私たちはどうしたらいいのか、物理学の専門家として俯瞰した、でも強いメッセージが込められている。
今この時期だからこそ多くの日本人に読んで欲しい。
読み終わったあとに気がついたのだが、筆者は印税の一部を医療関係者に寄付するという。
ということで、これはメルカリには出さないと決めた。
寄付ということだけでなく、この本を私の中でもこの経験を忘れないために。
そして、翻訳ではなく、イタリア語で読みたいと切に感じた。
それは決して翻訳が悪いというわけではない。むしろ翻訳文とは思えない流れの有る文章になっている。
しかし、媒体を通してではなく、直に彼の言葉を聞いてみたくなった。
次回イタリアに行くまでは待てそうもないから、Kindlele買おうかな?
10万円の給付金で。
ちなみにイタリアは5月4日から公園を解放。レストランの持ち帰り営業が許される。
また5月18日から美術館や図書館が再開される。
日本の緊急事態宣言は確実にGWも延長されるだろう。
せめて図書館の本の貸し出しだけはやってくれたらうれしいのになぁ…
そうそう、図書館再開で思い出したが、最近良いことも有った。
こんな状況なので、様々なオンライン授業が流行っているようだが、ペルージャ外国人大学の恩師もオンラインで講演をするというメールが来た。
恩師が元気なのを知ることが出来たのも安心したが、公演を聞けたのもうれしかったと返事をしたら、その返事に、イタリアの初期対応の不備を嘆く文章と共に
「速く古文書館に行って、研究の続きがしたい」と書かれていた。
研究を続けたいという文字通りの意味と、早く今まで日常を取り戻したいということだな、と。
更に、恩師が最近とある街でやったラファエロに関するオンラインの講演のサイトも教えてくれて、それを見たら、昔のことを思い出し、恩師が20年前に書いた本を引っ張りだしてきた。
それには最近気になっているラファエロ関係の面白いことが書かれているので、近々それを紹介しようと思って今日はまず写真を探しているところ…
最新の画像[もっと見る]
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 3ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 3ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 3ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 3ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 3ヶ月前
- お札に描かれた人物ー国立公文書館 3ヶ月前
- 金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」ーその1 1年前
- 金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」ーその1 1年前
- 金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」ーその1 1年前
- 金刀比羅宮 特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」ーその1 1年前
ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか。イタリアや美術に関する本を読んでいらっしゃるのでしょうか。私も本を読もうと買っているのがあるのですが、気分が読書に向かず、近くの公園に行って、野鳥や花の写真を撮っています。
NHK FMのクラシック音楽番組を聞く機会も増えました。
外出規制の延長は予想通りでしたが、もうしばらく辛抱しないといけないのは大変ですよね。そんな中、カンサンさんのお写真にはとても癒されます。じっくり季節を感じることも出来ず、春も終わってしまいましたね。
この連休は、数年間溜まりに溜まっていた写真の整理をしていました
かなり長期で放っておいたので、一部無くなっているものも有りショックでしたが、友人に話したら「また取りに行く機会が出来て良かったじゃない」とポジティブな返事をもらいました。いつまた旅に出られるかは、今の状況でも想像もできませんが、時間が有るうちに色々と家で出来ることをやっておきたいと思います。問題は運動不足ですが。