もうすっかり定番シリーズ化した感じのある、実写映画版のトランスフォーマーですが、最新作の『トランスフォーマー/ビースト覚醒』が8月4日に公開されます。
映画公開に先駆け、玩具はすでにリリースされていますが、元ネタ(?)となるビーストウォーズの玩具で、ブログで取り上げていなかったコンボイをレビューしてみます。
ちなみに、実写映画ですっかりコンボイ=オプティマス・プライムで定着しましたが、こちらの通称「ゴリラコンボイ」も映画ではオプティマス・プライマルという名前になっています。
プライムとプライマルという、わざと似たネーミングにしている訳ですが、日本版ではどちらも「コンボイ」ですからねぇ。紛らわしい。
こちらは1997年の当時品です。
ビーストウォーズは、一部百貨店などでのテスト販売でも話題となり、TVアニメの放送で一気に人気に火が付き、玩具も大ヒット商品となりました。
C-1コンボイは主役級キャラという事もあり、非常に人気が高かったのですが、発売当初はアメリカ版と同じボディが黒成型でした。
その後、パッケージに貼られているステッカーの通りシリーズ2000万体という驚異的な売り上げを記念し、TVアニメのイメージに近い、濃いグレーのコンボイが発売されました。
当時、キャンペーン品かと思い喜んでこのバージョンを買ったのですが、結局、このグレー版がレギュラー商品として長く発売され、初期版である黒コンボイ日本語パッケージの方が希少化するという事態に・・・
まあ、僅かな色違いなだけなので特に気にしてはいませんが。
説明書以外の同封物も全部取ってあったので並べてみました。
この当時のカタログはなかなか凝っていて、発売されている全商品の掲載はもちろん、アニメのストーリーも一部載っていました。
説明書も非常に大きく見やすい仕様で、変形ロボットに慣れていない子供でも理解できるよう工夫されています。
テックスペックカード。
ビーストウォーズに限らず、トランスフォーマーと言えばキャラクター解説と能力値の入った「テックスペック」がお約束ですね。
コンボイは流石のオールスペック10P!
・・・このカードのバーコード、何かに使ったんだっけ?
パッケージには、このビーストモードで梱包されています。
当時はこれでも、だいぶ「生っぽい」と思っていましたが、今見るとメカっぽい所とか、ギミックの隙間や溝が目立ちますね。
特に顔は、アニメ版とは全く違う雰囲気のゴリラフェイス。
まあ、トランスフォーマーは玩具とアニメのデザインが違うとか当たり前だったので、誰も気にしていませんでしたが。
むしろ、当時のハズブロが目指していた生物っぽさやワイルド性が協調されたこのデザインが、今の目で見てもカッコいいですね。
頭頂部の盛り上がりとか、歯を食いしばったような顔とか、いい味出しています。
背中には、ギミック用のレバーが付いています。
このレバーを上下に動かすと・・・
肘を曲げたコンボイが、ドラミング(胸を叩いて威嚇する行動)アクションをする仕掛けになっています。
当時のアメコミアクションフィギュアにも、こうした動きのあるギミックはよく用いられていました。
しかもこのギミック、すごく良く出来ていて、ビースト時は腕を左右に振る「ドラミング」をしますが、上腕部分の黒いスイッチを上下にスライドさせる事で、腕を回転させる別な動きに変化させることが出来ます。
ビーストモードとロボットモードで、それぞれに合わせたギミックに変更する事が出来ます。
しかも手動でもちゃんと関節を動かす事が出来るのもポイント高いですね。
ロボットモード。
変形自体は非常にシンプルです。
全体のパーツ構成とか、変形方法とか、ビースト覚醒版の「パパパっとチェンジ」と非常に似ています。
いや、こっちの方が先なんだけど。
全体のバランスも、最近のやたら足長スマートなロボットではなく、どっしりとしたマッチョなロボットになっています。
変形させると、まずはビーストマスクと呼ばれるワイルドなデザインの頭部が出てきます。
有機的で、割とヒーローっぽくないデザインですが、玩具設定ではこれが普段の顔、兼バトルマスクです。
ここから仮面部分を倒し、牙になっているパーツを回転させ、頭部の前後を入れ替えます。
すると、G1コンボイに似たロボットフェイスが出現します。
アニメではこのビーストマスクのギミックは出てこないので、変形するとすぐにロボットフェイスになっています。
マスク部分は独立して回転するので、ロボットフェイス側にも仮面をつける事が出来ます。
なので、ビーストマスク赤、ビーストマスク青、ロボットフェイス、と三面で遊ぶことが出来ます。
アニメの影響などもあり、このロボットフェイス状態が「デフォルト」という事になり、日本語版のパッケージなどでもこの姿がメインで描かれています。
毛の表現された生っぽいパーツが多い胴体に、洗練させたメカっぽい顔という「こっちの方がバランス悪いだろ」という組み合わせなのに、もう見慣れすぎてしまって何の違和感も湧きません。
背中の、腕を動かすアクションのレバースイッチの更に下部分に、グレーの小さなスイッチがあります。
ここを押すと・・・
背中のパーツの両端部分がスプリングで開き、武装が展開されます。
複雑にカーブした剣が左右それぞれに1本収納されいます。
上に跳ね上がったパネルは、ロボットの肩の部分から前に垂れ、ミサイルランチャーを展開します。
銃身上部のスイッチを押すことで、青いミサイルがスプリングで飛んでいきます。
ミサイルは銃身にセットしたまま背中に折り畳んで置く事が可能です。
特に説明書などには記載が無いですが、この武器は「メガ・ブラスター」という名称だそうです。
ちなみに無理矢理ですが、ビーストモードでも展開は可能です。
背中に隠された二刀はサイバーブレード。
アニメで使ってたっけ?・・・もう記憶が・・・
ストレートな剣じゃないあたり、やはり当初のコンセプトであるワイルドさの影響が見て取れます。
持たせ方は、柄のジョイント部分を拳の穴にはめ込む方式ですが、差し込む部分は短いので、拳の両脇から差し込むことで片手で二本のサイバーブレードを持たせることが出来ます。
この状態で背中のギミックレバーを動かすと、プロペラのようにブレードをグルングルンと旋回させます。
右腕の前腕部分をパカっと開くと、中にはトゲの生えたドクロが収められています。
こちらは取り出すと柄が紐で繋がれており、フレイル(鎖分銅)として持たせることが出来ます。
トランスフォーマーでフレイルと言えばG1メガトロンのイメージですが、破壊大帝と呼ばれる彼ですらドクロなんて振り回しません。
ドクロといっても、人間の頭骨とは違う不思議なデザインで、どことなくクインテッサ星人の顔を彷彿させます。
更に、左腕の前腕を展開すると、中から銃身がスプリングギミックで起き上がりプラズマキャノンが出現します。
流石にこの場所、サイズなので、発射するミサイルは後から差し込む必要があります。
そのプラズマキャノン用のミサイルは、頭部と背中の間に隠されています。
当時のビーストウォーズの玩具は、このようにミサイルなども含め、全て本体のどこかに仕舞っておくことが出来、余剰パーツが一切出ないのが特徴でした。
こういうギミックはパーツ紛失を防ぐ意味でも素晴らしいですね。
全ての武装を展開してみました。
割と重武装ですね。
アニメでは、前腕部分のプラズマキャノンが左右両方に装備されており、それを使っていたイメージが強いです。
しかもデザインは全然違っており、銃身が横に二本並んだ状態で、前腕からせり出してくるような展開方法なので拳は前に突き出したまま両腕から撃っていました。
人気の高いキャラクターなだけに、今回の実写映画版以外にも何度もリメイクされてリリースされているキャラクターですが、古いオリジナル玩具も遊び応えがあります。
特に1997年当時のハズブロ主体でのデザインで盛り込まれた要素が今見ると斬新でカッコいいですね。
マイクロン三部作以降のトランスフォーマーはほとんど買っていませんが、最新の物と比べてもプレイバリューが低いという事も無いと思います。
何より、当時はこの大きさのリーダークラスが2980円で買えたんですよね!
今度の実写映画には、オプティマス・プライマル以外にも数体のビースト戦士が登場するようですが、今後の玩具展開も楽しみですね!