読売新聞の某日の朝刊にミノキシジル系発毛剤の広告が載っていました。その記述文を見た時、「こりゃあかんわ。これじゃ毛は増えないわ!」と感じて唖然としてしまいました。
【髪が生えるのは発毛剤です。】
育毛剤と発毛剤の違いを説明する時によく使われる表現があります。それは、「育毛剤は今生えている髪の毛を育て、抜け毛を防ぐ」「発毛剤は、新しい髪を生やし、脱毛の進行を抑える」と表現されます。
髪の毛が生えて・育って・抜けるサイクルがあります。このサイクルからすると育毛剤と発毛剤の違いの説明は全て間違っているのです。間違っているのですから、育毛剤でも発毛剤でも薄毛は治らないことを告知しているようなものですね。
【育毛剤の役割】
育毛剤の役割は、頭皮の血行を促進したり・毛母細胞の細胞分裂を活発にしたりするのが役割です。結果、毛が生育するようにはなりますが、ご自身本来の髪の毛(太さ・成長期)になるわけではありません。
育毛剤を使った時の頭皮の状態に応じた髪の毛に育つだけのこと。薄毛の人の頭皮なら薄毛になっている時の髪の毛に育つだけの話。
その上、外部からの作用で血行促進・毛母細胞の細胞分裂の活発化をしているので、弱っている頭皮に負担を強いる結果になり、さらに血行が悪化し細胞分裂も不活発になっていきます。
また、抜け毛を防げば毛が減らないと思っている人が多いですが、抜け毛を防ぐと生え替わってくる毛の本数が減っていくことでもあるので、さらに薄毛が進行することになります。
だから、育毛剤の説明は相当嘘くさい説明になっているのです。
【発毛剤の役割】
新しい髪の毛が生えてくるには、バジル組織で毛になる組織が生まれて毛根に着床する必要があると言われています。新たに発毛してくるなら、その効果を訴えないといけないのに、そのことには触れずに「新しい髪を生やし」と訴えているのですね。
例え、毛根の下部組織から生まれてくるにしても、生え替わるサイクルに沿わない髪の毛の誕生はないので、新しい髪の毛が生えていると言うのは少々無理だと言えます。
極め付きは、「脱毛の進行を抑える」と言う表現。脱毛って毛が抜けることですよね。毛が抜けることが進行するってどいう意味なんでしょうか?
毛が抜け続けることを抑制すると言う意味なんでしょうか?それだったら、単に毛を抜けなくすると表現する方が分かりやすいです。抜け続けるのを抑制すると生え替わってくる髪の毛が減って行き続けます
【発毛剤は素晴らしい】
結論として、「発毛剤は育毛剤よりも毛が増える効果では素晴らしいのだ」と言いたいが為に、無理やり言葉を作って、多くの人が望むこと=毛の本数が増える・抜け毛がなくなるが、発毛剤だとできるのです。と訴えたいだけのことなんでしょう。
広告とは、「消費者が望むことを叶えることができますよ。」と訴えることでもあるので、消費者のニーズを捉えると言う意味では正しいでしょう。
でも、嘘っぽいのはいけません。抜け毛を防いでも毛は増えませんし、新たに発毛してくるかどうかなんて証明のしようがありません。その上、言葉の定義もいい加減では困ります。
【電子書籍でも解説している】
昨年度末に発売しました電子書籍の中にも、上記に関して参考になるものがあります。これらを読むだけでも、ここに説明したことを理解できると思います。
- 薄毛と脱毛症は違う、違いが分かれば髪は増える
- 抜け毛が多くて心配なあなたへ、抜け毛の正体が分かれば髪は増える