山田哲人選手(東京ヤクルトスワローズ)、柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)の影に隠れている訳ではありませんが、秋山選手が先日、史上6人目となる200本安打を打ちました。
この200安打はプロ野球歴代8位。そして26度目の猛打賞(一試合に3安打以上)は1996年のイチロー選手(当時;オリックスブルーウェーヴ)と並び歴代2位(1位は2010年の西岡剛選手・当時;千葉ロッテマリーンズ)の27回)との堂々たる安打製造機ぶりです。
現在は一試合1.53安打ペースですから、残り12試合に出場すれば単純計算で18安打を上乗せ、マートン選手(阪神タイガース)の持つプロ野球記録の214安打を超える219安打になります。
秋山選手は今年で5年目。高校時代は一年生からレギュラーでしたが、甲子園出場は無く、無名だったもののドラフト候補にも名前が挙げられていましたが、指名はなく、八戸大学へ進学します。
大学でも一年生の春からレギュラーとなり、春秋連続でベストナインを受賞し、四年生の春は打率.486、14打点を記録。優秀選手賞、首位打者、最多打点、ベストナインを獲得します。そして、2010年のプロ野球ドラフト会議にて埼玉西武ライオンズから3位指名を受け入団します。
2011年に新人ながら開幕スタメン出場しますが、広い守備範囲と強肩を活かした活躍が目立つ、どちらかというと守備の人というイメージがありました。プロ入り後の打撃も次のとおりです。
2011年 110試合 打率.232(66安打)
2012年 107試合 打率.293(118安打)
2013年 144試合 打率.270(152安打)
2014年 131試合 打率.266(123安打)
それが今シーズンは打撃に覚醒し、9月14日時点で
2015年 132試合 打率.360(201安打)
のキャリアハイの成績です。
しかも、6月3日の中日ドラゴンズ戦から7月14日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦までの31試合連続試合安打は、1979年の高橋慶彦さん(広島東洋カープ)の日本最長記録33試合を抜くかの勢いでもありました(記録が途切れた試合では、延長十回裏の打席でフォアボールを選び、チームをサヨナラ勝ちに導いたと、個人よりチーム優先の姿勢が絶賛されました)。
また、63試合目での100安打到達では1994年のイチロー選手(60試合)、1964年の広瀬叔功さん(61試合)に次いで史上3番目の早さであり、1994年のイチロー選手以来の2ヶ月連続での月間40安打を達成するという確変ぶりです。
その確変の理由の一つが打撃フォームを変えたことだそうです。
昨年までは同僚の森友哉選手のフォームを参考にして、高く構えていたバットの位置を今シーズンは低くして、ボールを捉えるのを点から線へと変えたことだそうです。
書いてしまうと「それだけ」のことですが、ここに行き付くまでの練習は並大抵のことではないでしょう。
ただ、「それだけ」のことで、過去四年間の積み上げた安打数の半分近くを一年で打ってしまえるのですから、バッティングの奥は深く、突き詰めれば突き詰めるほど抜け出せなくなってしまうのでしょう。
何はともあれ、柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)とのハイレベルな首位打者争いとともに、どこまで安打数を積み上げて行くのかも注目です。