野球小僧

逆輸入

「逆輸入」とは一般的に、生産国から一度他国に「輸出」された製品が再び生産国に「輸入」されることをいいます。また、国内に親会社を置く企業が、海外拠点で現地向けに生産・販売している商品を「輸入」することも「逆輸入」といいます。例えば日本のメーカーが、海外で現地向けに生産した左ハンドル仕様の自動車を日本に「輸入」する場合などが該当し、国内の製品と異なった仕様の商品や、国内で販売のない商品を求める場合などに「逆輸入」されることがあります。

「逆輸入」には、国内独自の文化が海外で発展し、再度発祥の国に導入されるという意味もあります。例えば日本発祥の玩具・遊戯の「けん玉」が、アメリカでストリートパフォーマンスのKENDAMAとしてブレイク、それを日本の若者が再度まねるといったことも「逆輸入」と呼ばれることがあります。

昨年も噂になっていたクリーブランド・インディアンス3Aに所属していた村田透選手が北海道日本ハムファイターズと契約合意したことが発表されました。

大阪体育大学浪商高校時代は一年生秋からエースとして活躍し、翌年の第74回選抜高等学校野球大会に出場して1勝をあげました。大阪体育大学進学後は肘と肩の痛みに悩まされましたが、三年生時の全日本大学野球選手権大会では5試合すべてで抑えとして起用され、18回2/3を投げて初優勝に貢献、自身も4勝0敗・防御率0.48の成績を挙げて大会MVPを受賞しました。四年生時の2007年2月に右足首の靭帯を切断・手術し、大半をリハビリに費やすものの、11月の社会人・大学生ドラフトで読売ジャイアンツから1巡目で指名されました(大場翔太さん、篠田純平さんの外れ1位)。


2008年 一軍登板がなく、二軍で9試合0勝2敗、防御率7.82の成績に終わった。
2009年 背番号を46に変更。この年も一軍登板はなく、二軍では26試合2勝4敗、防御率3.98だった。
2010年 この年も一軍登板は果たせず、二軍での登板も6試合に終わり、10月2日に戦力外通告。

ドラフト1位入団ながら3年で戦力外となり、12球団合同トライアウトに参加し、こそでインディアンスのスカウトの目に留まり、マイナー契約した後、翌年のルーキーリーグから5年をかけてMLB昇格。MLBでは2015年6月28日・オリオールズ戦の1試合のみの登板に終わっています。

そんな村田選手は逆輸入選手となります。ここ数年、多くの日本人ピッチャーがMLBからNPBへと逆輸入されてきています。

その中で、一番成績を残した選手は福岡ソフトバンクホークスの和田毅選手と広島東洋カープの黒田博樹さんでしょう。2012年にMLBへ移籍した和田選手は左ヒジの手術などもあり、MLB通算4年間で5勝5敗、防御率3.36で帰国。今年ホークスへ復帰し、15勝5敗、防御率3.04の成績で最多勝と最高勝率の2冠に輝きました。

黒田さん昨年8年ぶりにカープに復帰し、11勝8敗、防御率2.55の成績を残し、今年は2年連続2桁の10勝8敗を挙げ、チームの25年ぶり優勝を支えました。日本シリーズ直前に現役引退を表明。MLBで惜しまれながらNPBへ復帰し、古巣カープでも惜しまれながらも引退。しかし、古巣で有終の美を飾ることができました。

2013年に地元・仙台が本拠地の東北楽天ゴールデンイーグルスで日本復帰した斎藤隆さんも現役生活を最高の形で締めくくりました。MLB通算7年間で防御率2.34とクローザーとして活躍。30試合3勝0敗4S4H、防御率2.36でチーム初の日本一に貢献し、2014年も31試合1勝1敗3S9H、防御率2.59。2015年は3試合の登板に留まり、この年で引退しました。

五十嵐亮太選手は2013年に福岡ソフトバンクホークスで日本に復帰。2013年は51試合3勝3敗12S11H、防御率2.53。2014年は63試合1勝3敗2S44H、防御率1.52。2015年も54試合3勝1敗2S31H、防御率1.38と好成績を収めています。今年はケガで33試合の登板でしたが、来年に向けてメキシコ・ウィンターリーグに参加しています。

岡島秀樹さんは2012年に福岡ソフトバンクホークスで6年ぶりに日本復帰。1年目は56試合0勝2敗9S24H、防御率0.94と活躍するものの、MLB復帰を目指してオフに自由契約となり、MLBへ。しかし、翌年、自由契約になると2014年は再びホークスに復帰し、44試合4勝4敗27H、防御率2.11。しかし、再び自由契約となり、2015年は横浜DeNAベイスターズに入団したものの、10試合0勝2敗2H、防御率8.59で戦力外となり、今年はオリオールズとマイナー契約し、その後、現役を引退しました。

一方で松坂大輔選手は2015年に福岡ソフトバンクホークスに3年総額12億円で復帰したものの、1年目はケガなどで1軍登板なく、8月に右肩の手術を受けました。2年目の今年も2軍暮らしが続き、シーズン終了間際に日本復帰後初登板。しかし、3648日ぶりの日本マウンドで、1イニングを3安打2奪三振4四死球で5失点(自責2)と大乱調。3年契約の最終年となる来年に向けてウィンターリーグに参加しています。

3年ぶりに日本復帰した藤川球児選手は、途中から四国IL plusの高知ファイティングドッグスでプレーし、今年は4年ぶりに阪神タイガースに復帰しました。シーズン当初は先発でしたが結果を残せず、シーズン中から中継ぎとなり、43試合5勝6敗3S10H、防御率4.60でした。来年から昔の背番号22に戻して復活を狙います。

MLB1年目に10勝を挙げた高橋尚成さんは、2014年に横浜DeNAベイスターズで5年ぶり日本復帰。1年目は10試合0勝6敗、防御率5.29と結果を残せず。2年目も6試合0勝1敗、防御率8.64に終わり、日本復帰後は1勝も挙げられずに現役引退となりました。

建山義紀さん2014年6月に阪神タイガースで4年ぶりに日本復帰。しかし、8試合0勝0敗、防御率3.68。シーズン後に現役引退となりました。

川上憲伸さんは2011年シーズン終了後にFAとなり、中日ドラゴンズに復帰。2012年は7試合、2013年は5試合の登板で計4勝2敗に終わり、戦力外通告を受けました。しかし、その後、ドラゴンズと再度2年契約を結んだものの、2014年は6試合、2015年は一軍登板なしとなり、退団しています。

井川慶さんはMLB5年契約の大半をマイナー生活。2012年にオリックスバファローズに6年ぶり日本復帰。初年度は12試合2勝7敗、防御率4.65。2013年は3勝、2014年は2勝、2015年は一軍登板なしでシーズン終了後に戦力外となっています。

逆輸入選手が日本で活躍できるかどうかは50-50と言ったところでしょう。ただ、村田選手はNPBでの実績はまったくありませんので、守るべきプライドもありません。
どのような活躍を見せてくれるのでしょうね。 

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
まあ、FAでと言っても、基本的には契約切れですからねぇ。
思うに、元の所属チームに戻った方が成績がいいと思いますが、サンプリング数が少ないですから、何とも。
流石に松坂選手も「これはヤバい!」となったのでしょうね。実戦が遠ざかっているとは言えども、これが吉となるか凶となるかは何とも言えませんね。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

列挙されている選手の中にはMLBで仕事場がなくなり仕方なく・・・
という人もいるような気がするのは私だけ?
確かに村田は数年前から復帰が噂されていましたが。
虎が秋波を送っていたのではなかったでしょうか!?

松坂はどうなるんですかね~
あの怪物がこんな状態で選手生活を終えるのはちょっと寂しいですね。

村田以外の和田・松坂・五十嵐は全て鷹ですね。
これも何かあるんですかね~
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最新の画像もっと見る

最近の「プロ野球」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事