スポーツ界でも女子選手の活躍は目覚ましいものがあります。特に男子硬式高校野球に人気とともに、女子硬式高校野球の人気が高まっています。
女子スポーツではソフトボールやサッカーなどに比べて知名度が低いですが、全国高等学校女子硬式野球選手権大会は今年20回の節目を迎え、女子プロ選手中心の日本代表はワールドカップで5連覇を達成するなど存在感を増しています。そのような女子スポーツの活躍もあって、野球女子競技は人口増えており、女子野球部の数が10年前に比べて約5倍になるほどの人気です。
神戸市内で10月にあった、女子硬式野球チーム日本一を決める6回女子野球ジャパンカップ準々決勝では、神戸弘陵高は大学王者の尚美学園大(埼玉県)を破りました。神戸弘陵高男子硬式野球部監督など、甲子園経験もある石原康司監督の指導の下、今夏の全国高校女子大会優勝に続く、創部3年目の快挙でした。部員数は約70人。兵庫県内外から毎年集まり、三年生の約4分の1は卒業後も大学やクラブチームなどで野球を続けているそうです。
現座、全国高等学校女子硬式野球連盟への加盟校は1都2府13県の23校。最近5年ほどで増え、北海道や熊本などで創部の動きがあるそうです。
ご存知の方が多いと思いますが、高校野球部の統括組織である日本高等学校野球連盟は、危険防止の観点から女子部員については男子部員と一緒に主催の野球大会に参加することは未だ認めていません。そんな中、1995年に北京市の女子硬式野球チームが来日して日中親善高等学校女子硬式野球大会が開催されたほか、翌1996年には韓国の女子硬式野球チームが来日して同様の大会が開催されました。これを機に、日本でも高校レベルにおける女子硬式野球の全国大会を開催すべきとの気運が高まり、1997年に結成されたのが全国高等学校女子硬式野球連盟です。
現在は男子の高校野球に倣い、8月中旬に選手権大会、4月上旬に選抜大会をそれぞれ実施しているが、チーム数が多くないことから、ソフトボール部や合同チームの参加も認められており、地区予選はありません。
2016年10月現在、以下の23校+1チームが加盟しています。
新潟県・開志学園高校
栃木県・作新学院高校
埼玉県・埼玉栄高校
埼玉県・花咲徳栄高校
埼玉県・叡明高校
千葉県・秀明八千代高校
東京都・駒沢学園女子高校
東京都・蒲田女子高校
東京都・村田女子高校
神奈川県・横浜隼人高校
福井県・福井工業大学附属福井高校
岐阜県・岐阜第一高校
愛知県・至学館高校
京都府・福知山成美高校
京都府・京都両洋高校
京都府・京都外大西高校
大阪府・履正社高校
大阪府・大阪体育大学浪商高校
兵庫県・神戸弘陵学園高校
高知県・高知県立室戸高校
福岡県・折尾愛真高校
宮崎県・日南学園高校
鹿児島県・神村学園高等部
兵庫県・丹波連合
加盟準備中
北海道・札幌新陽高等学校
広島県・広島県立佐伯高等学校
熊本県・秀岳館高等学校
今後の課題は中学生以下への普及と女性指導者育成です。全日本軟式野球連盟は今夏、女子野球人口の底辺拡大を目指し、京都府で中学生の全国大会を初開催され、35都道府県から36チームが集まりました。しかし、普段は別々で練習し、大会のために結成されたチームが多く、普及にはまだまだ時間がかかりそうです。また、女子硬式野球経験者の少なさもあり、女性指導者はまだまだ多くないです。
まだまだ男子硬式野球のような規模には近づけないでしょうけど、いつの日にか、男子よりも女子の方が活躍する日が来るかも知れませんね。