今年で44回目となった東京スポーツ新聞社制定「2017年度プロレス大賞」が発表されました。以下、受賞者の方々の喜びの声(?)を拾い上げてみました。
▽年間最高試合(ベストバウト) オカダ・カズチカ vs. ケニー・オメガ(新日本プロレス、1月4日・東京ドーム)
オカダ・カズチカ選手:「特にありません」
ケニー・オメガ選手:「2008年以来、世界各国でベストバウト賞を獲得したが、この東京スポーツ大賞のベストマッチ賞、間違いなく受賞するに世界一ハードルの高い権威ある賞に違いない。2017年、私はベストバウトマシンとして戦い抜いたが、この賞を勝ち取るためだけに全力を費やしたわけでない。私が一番大事にしていること、そう、如何にファンに素晴らしい戦いと物語を魅せるかということに尽きる。だから、多分、この受賞は必然なのさ。1.4東京ドームでの試合がベストバウト賞を受賞したのは24年ぶりと聞いている。私は7年前にこのベストバウト賞を受賞したが、この歳月ですからもう隔世の感だな(笑)。ベストバウトの『新基準』は今日ここで新たに設定された。ニュージャパンの強敵と相対して次なるステージに向うことを光栄に思う。2018年、ケニー・オメガにとって新たに大きなストーリーが始まる。Change The World、そう、俺が世界を変える!」
▽最優秀タッグチーム賞 諏訪魔&石川修司(全日本プロレス、初)
諏訪魔選手:「3冠戦でも戦い、この一年は石川修司と作り上げてきたので、いい形になってよかった」「マット界にケガ人続出だな、オイ!」
石川修司選手:「ボクは空気を読むタイプだけど、諏訪魔さんは話題になることをドンドンやる。自分にないものを持っているので、引き出しが増えた」「そんなこと口にしたらオファーが来ないですよ」
▽殊勲賞 YAMATO(DRAGON GATE、初)
「文字通り寝耳に水ですよ。今回こそいけるんじゃないかと毎年期待しながら、なぜか縁がなかった。もう傷つきたくないんで(受賞は)諦めていた矢先だったんですが」
▽敢闘賞 柴田勝頼(新日本プロレス、初)
「ありがとうございます。以上!」
▽技能賞 鈴木秀樹(大日本プロレス、初)
「こういう賞は初めてなので素直にうれしい。私が復興させた技『小鹿スペシャル』が評価されたのでしょう。だから受賞はグレート小鹿のおかげ。初めてケンドー・カシンに勝てたことも本当にうれしい」
▽新人賞 青柳優馬(全日本プロレス)
「(デビューから)自分が一番上に上がれた一年でした。ジャンピングニーイコール秋山準から青柳優馬に塗り替えたい。アジアタッグも防衛を続けて価値を上げます」
▽女子プロレス大賞 紫雷イオ(スターダム、3年連続3度目)
「受賞したのは正直驚きしかないですね。今までの受賞でダントツにうれしい。3年連続は今までいなかったとのことなので、無理なんだろうなと思っていただけに、本当にうれしいです」
▽特別賞 松井珠理奈(豆腐プロレス・“ハリウッド”JURINA)
「今年の1.4東京ドームでの試合で、初めてプロレスを生観戦しました!! そこから、新日本プロレスはもちろんですが、いろんな団体の試合を見に行きました!! プロレスは、私の人生の中で凄く大きなもの、そして、大事なものになりました。なにか、辛いことがあったり、寂しい気持ちになっても、プロレスを観ているときは、元気になれます(^ ^)。同時にドラマでハリウッドJURINA 役を演じましたが、実際に後楽園ホールで試合もしました!! そのとき、プロレスは簡単なものじゃない。本当に命を懸けてるんだなと改めて感じました。私は選手の皆様を尊敬しています!! オカダ・カズチカ選手がおっしゃっていましたが、プロレスラーは超人であることは、間違いありません。私が、今回そのようなプロレスラーの皆様の中にまじり、このような特別賞をいただきとても恐縮ですが、この賞をいただけたことに感謝をし、今後もプロレスを好きから、2018年は愛していければなぁと思います!! プロレスファンの皆様、そして、いつも応援してくださっている皆様、愛してまーす! プロレスファンの皆さまにも、いつかSKEや48グループを愛していただけたら嬉しいです(^ ^)」
さて、今年の最優秀選手賞の候補には、年間を通じてIWGPヘビー級王座を防衛したオカダ・カズチカ選手と、IWGPインターコンチネンタル王座を上半期に保持し、真夏の祭典「G1 CLIMAX」を制した内藤哲也選手、そしてベストバウトの試合を連発したケニー・オメガ選手の3名が候補に挙がりました。オカダ選手が年間を通じてIWGPヘビー級王座を防衛し続けて「実力のオカダ」として団体の柱として活躍、内藤選手は真夏の祭典G1クライマックスを制覇した上に抜群の会場人気を誇り「人気の内藤」として選考を二分する中で。常に自ら話題を発信し続けてファンを魅了した内藤選手が1回目の投票で21票中15票を獲得して2年連続2度目のMVPに輝きました。
▽最優秀選手賞(MVP) 内藤哲也(新日本プロレス、2年連続2度目)
内藤哲也選手(以下、内藤選手):「まあ、今日はプロレス大賞の会見ではありますが、ちょっと一つ大事な言わなきゃいけないことがあるので、ちょっと話それてしまいますが、いいですか、岡本さん?」
岡本記者(以下、岡本記者):「ああ、手短にお願いします」
内藤選手:「手短に・・・まあ、昨日発表があったケニー・オメガ vs. クリス・ジェリコのダブルメインイベントの件っすね? ダブルメインイベント、という発表がありましたが、ダブルメインイベントの第一試合っていうのは要するにセミファイナルですから。4年前、ボクは経験してますから。今回、ダブルメインイベントという発表はありましたが、『あなた方はしょせんセミファイナルなんですよ?』『あなた方はしょせん内藤 vs. オカダ戦の前座なんですよ?』と。何かちょっと余裕を持ちながら、発表を聞くことが出来ました(ニヤリ)。でも! でもですよ? 俺は『G1 CLIMAX』を優勝して、この東京ドーム大会メインイベントの出場権利証を手に入れた。オカダ・カズチカもケニー・オメガも出場しているリーグ戦で優勝して、この東京ドーム大会メインイベントの出場権利証を手に入れたわけですよ。新日本プロレスにとって、東京ドームのメインイベントって言うのは、それぐらい大切な場所なわけでしょ? なのに、“世界的な知名度”があるっていうだけで、メインイベントがダブルメインイベントに変更されてしまう・・・。ま、新日本プロレスにとって、『G1 CLIMAX』優勝。そして、東京ドーム大会のメインイベントっていうのは、その程度のことなんすかね? いや、知名度はやはりとても大事なことですよ。世界にアピールするには、彼の知名度を利用しない手はないでしょう。もちろんそれはわかってますよ。でも! 新日本プロレスが世界にアピールする、それにおいて一番大事なことは! 『これが新日本プロレスのメインイベントです』、『これで新日本プロレスは世界に打って出ます』ってアピールすることじゃないの? 世界的な知名度がある? 違うだろ? 『いま押さなきゃいけないモノは、我々が普段みせているものだろ』って。いや~、この新日本プロレスはいつまで、海外の某団体のご機嫌をうかがっていれば気が済むんだって。中邑(真輔)選手が移籍した時もそうだったでしょう? 人気選手が移籍してしまうにも関わらず、『おめでとう』って。それはないぜ? そんなゴマすってばっかいるような会社が世界一のプロレスの会社に? なるわけないでしょ? 選手がどんだけがんばっても、こんなことしてるようじゃ世界一なんかになれるわけがない。今回のダブルメインイベントの件に関して、ボクは新日本プロレスの“姿勢”にガッカリしたっすね。て、ことでじゃあ岡本さん。プロレス大賞の会見始めましょうか?」
岡本記者:「・・・だいぶ、空気が重くなってやりずらいんですけど、続けて大丈夫ですか?」
内藤選手:「いや、早く続けてください」
岡本記者:「すみません。内藤選手はですね、去年に引き続き2年連続のMVP受賞となりました。これまでですね・・・(ここで会見場にアイフォンの着信音)」
内藤選手:「もしもし! あっ、ごめん! いま、会見中だから。ちとまたあとでかけ直すわ。じゃあね・・・(電話を切る)」
岡本記者:「あの携帯電話・・・」
内藤選手:「ん? いや、どうぞ進めてください」
岡本記者:「いや、いつもほら。普段から」
内藤選手:「なんすか? 大きい声で言ってくださいよ!」
岡本記者:「普段から、携帯電話を・・・」
内藤選手:「いつも言ってるじゃないですか? ボクが。思ってることは口に出さなきゃ誰にも何も伝わらないんですよ。これプロレス界だけじゃないから、一ッ般常識だから。これ基本ですから。岡本さん、何か思っていることがあったらハッキリ言ってくださいよ!」
岡本記者:「あの携帯電話のほうはですね、マナーモード・・・」
内藤選手:「(さえぎって)わかった! わかったもう! (苦笑)。長いから! みなさま急いでますから。この話の続きは、あとでファミレスで聞いてあげますから。ドンドン進めてください・・・いや、清野(茂樹アナ)さんだったら、こんな進行ヘタじゃないよ? もっと勉強してきてくださいよ。ラピド! ラピド! カブロン!」
岡本記者:「急げってことですね」
内藤選手:「いいから!」
岡本記者:「2年連続MVPの受賞は、過去にアントニオ猪木選手、ジャンボ鶴田選手、天龍源一郎選手、オカダ・カズチカ選手の4選手が成し遂げているのですが、内藤選手も2年連続の受賞となりましたが」
内藤選手:「2年連続のMVPということで、『いや、オカダだろ?』『いや、ケニーじゃないの?』って思ってる方もいらっしゃるでしょう。まぁ、ただ残念ながら選考委員の皆様は、何票ですか?」
岡本記者:「21票中15票です」
内藤選手:「なるほど。ほとんどの方が内藤を支持したと。まぁ、当然の結果でしょう。この1年間、様々な話題を提供し、そして皆様を楽しませてきた訳ですから。まぁ、当然の結果かなと思いながら、今日この時間のスケジュールをちゃんと空けておきましたよ。まぁ、何が一番気になるかって言ったら、やはり東京スポーツの岡本記者が一体誰に票を入れたのかと。それぐらいっすね。あとは当然のことが当然のように起こっただけ。まさに、デスティーノですよ」
岡本記者:「選考会では実力のオカダ、人気の内藤という議論になったのですが、内藤選手に軍配が上がった理由、ご自身ではどう分析されていますか?」
内藤選手:「選考委員会の中では、実力のオカダ、人気の内藤っていうことだったんですね。まぁ、確かにオカダはこの一年間、IWGPヘビー級王座を守り続けたと。チャンピオンであり続けたと。俺はそれを経験したことないですからね。とてつもなく凄いことなんだろうなと思います。ただ、俺はオカダに負けてないですからね。(今年はタイトルマッチで)直接対決してないですからね。逆に、一緒にエントリーしたG1 CLIMAXで優勝を手に入れたのは、オカダじゃない。内藤ですから。彼は優勝決定戦にすら、コマを進められなかったわけですからね。まあ、間接的な勝負ではありますが、俺が勝ってたってことでしょ? 彼の実力は認めますよ。でも、やはり彼には実力以外の部分で何か足りないものがたくさんあるんじゃないですか? 彼は俺を見ていろいろ学んだ方がいいよ。彼に足りない部分を、俺はたくさん持ってますよ(ニヤリ)」
岡本記者:「今回の受賞が、来年の東京ドーム大会へのモチベーションとなりましたか?」
内藤選手:「一年間、IWGPヘビー級チャンピオンだったのに、MVPになれなかった。新日本プロレスにカネの雨を降らせてるはずなのに、MVPを獲れなかった。さぞかし、彼は肩身の狭い思いをしてることでしょう。俺が東京ドームで楽にしてやりますよ。彼もそれを望んでることでしょう」
■質疑応答
――ベストバウトは、1月4日東京ドームのオカダ・カズチカ vs. ケニー・オメガとなりましたが、2年連続ベストバウトを逃したことに関しては?
内藤選手:「非常に悔しいですね。素直に悔しいですよ。まぁ、相手のことを褒めるわけではないですが、この選考会は今日おこなわれたわけですよね。12月におこなわれてるわけで、1月の試合がベストバウトに選ばれるって、よっぽどインパクトがないと選ばれないわけでね。ただただ、ベストバウトを獲ることよりも、さらに難しいわけで。それはオカダであり、ケニーであり、素直に素晴らしいことだなと思うし、素直に俺は悔しいですね。だって、いままでにもダブル受賞はいたわけでしょ。MVPを獲りながらベストバウトも獲ってる選手はいるわけで。俺も今年、それが可能だったわけで。でも、ベストバウトに俺は選ばれなかった。それは素直に悔しいっすよ」
岡本記者:「他に質問はありますか?」(ここで内藤選手が挙手)
内藤選手:「岡本記者は一体誰にMVP投票をしたのでしょうか?」
岡本記者:「これは誰に誰が投票したと言えないものがありまして・・・そんなに気になりますか?」
内藤選手:「なりますね。特に、岡本さんに関しては気になりますね。MVPの候補は何人いたんですか?」
岡本記者:「内藤哲也選手、オカダ・カズチカ選手、ケニー・オメガ選手です」
内藤選手:「3人ですね。じゃあ、イエスかノーなら答えられるんですか? 内藤に入れた。イエス、ノー?」
岡本記者:「答えられません」
内藤選手:「なるほど。これは入れてないってことですね」
岡本記者:「なんでですか? イエスかノーで答えられないと言ってるだけですよ」
内藤選手:「これは完全にノーでしょ?」
岡本記者:「なんでですか? 例えば、ボクが『入れました』と言うと・・・」
内藤選手:「岡本さん! 長いんで、その続きはあとでファミレスでしましょう」
岡本記者:「すいません。取り乱しました」
内藤選手:「トランキーロですよ、岡本さん。トランキーロ、あっせんなよ」
岡本記者:「では、最後に来年の抱負をお願いします」
内藤選手:「まだ2017年ですけど、2018年も引き続き、内藤哲也、そして我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが、皆様を様々な話題で、そして様々なプロレスの試合の結果で楽しませることでしょう。あとは・・・来年の投票で、岡本記者に是非MVP、内藤哲也に投票していただきたいと。岡本さんの心に刺さるようなプロレスを、来年ボクが提供しますよ。それが目標っすかね。小さすぎます?」
岡本記者:「いや。ただ、3連覇となると、猪木さん、天龍さんしか成し遂げてないので」
内藤選手:「まぁ、3年連続のMVP獲れるか、とれないか、すべては岡本さん次第ですよ。岡本さんの一票にかかってますから」
制御不能なカリスマらしく自由奔放な言動は、リングの上のみならず、ファミレスまでを巻き込んで、今やプロレスファンの民意の象徴となってきました。プロレス界にはいろんなユニットが登場しては消えていきますが、来年も内藤哲也選手、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが試合で、話題で楽しませることが長続きするかどうか、1・4での試合で占えることでしょう。2018年も主役の座が続けられるかどうかです。
さて、もう一つ。今年10月31日に7年ぶり7度目の引退となった元参院議員の大仁田厚さんですが、技能賞を受賞すれば史上初の“グランドスラム”達成だったが、無冠に終わりました。大仁田さんは1990年にMVPとベストバウト( vs. ターザン後藤選手)、1991年に殊勲賞、1994年にベストバウト(大仁田&後藤 vs. 天龍源一郎&阿修羅原)、2014年に敢闘賞を受賞しており、2015年には最優秀タッグ賞(長与千種)を受賞しています。
まさか、来年8度目の現役復帰なんてことが・・・ありえそうですが。