どちらかというと、今までファンサービスに対してはおざなり気味であった、我らが中日ドラゴンズでした。ここ数年の改善に伴って、徐々にではありますが、現場と球団が一体となってファンを大事にする姿勢がチームに根付いてきたように思えます。
広島東洋カープや横浜DeNAベイスターズの選手は、「ファンの声に後押しされて力を出させてもらっている」と、よく試合後のインタビューで口にしています。こういわれるとファンにとっては応援しがいがあります。まあ、科学的な実証は難しいでしょうけど、ファンが熱ければ、比例してチーム成績は良くなるものです。私の直接的な経験として、学童・中学・高校野球と親が熱くなれば、チームも強かったです。プロ野球ではファンという不特定多数がベースですが、「強くなってファンが増えるのか、ファンが増えるから強いのか」は分かりませんが、やっぱりファンが熱くなれば、その熱はチームの力に変わりますから。
ただし、急に人気が出たことによって、ファンにとっては迷惑ともいえる問題が起きています。
中日球団は2月4日に球団公式HPに、「ファンの皆さまへのお願い」と題し、異例な発表がありました。
ファンの皆さまへのお願い
2019/2/4
日ごろから中日ドラゴンズへご声援をいただき誠にありがとうございます。
沖縄春季キャンプにおいて、一部のファンの方で転売を目的として選手へサインを求められる行為が見受けられています。
このような行為には決して及ばないようお願いいたします。
また、転売目的以外で選手のサインを取得、その後結果的にそのサインを転売する行為にも及ばないようお願いいたします。
沖縄春季キャンプに限らず、今後、上記の行為等が見受けられる場合は、球団としては、本意ではございませんが、サイン等のファンサービスを制限させていただくことも視野にいれております。
ファンの皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします。
中日ドラゴンズ
一軍は沖縄・北谷町、二軍は同・読谷村で春季キャンプを行っているドラゴンズに多くのファンが来ていることは以前に書いたとおりです。一方、ネットの世界では、この人気に乗じて、一部オークションサイトでは実際に松坂選手や根尾選手のサインが出品されており、サインが書かれているものがキャンプグッズであることからここ数日に書かれたものと思われます。実際に2万5000円で売れている松坂のサイン入りユニフォームもあったくらいです。また、根尾選手のサイン色紙に2万円の値がついていたりしています。
他にも、ドラゴンズに限らず、いろんな選手のサイン色紙、サインボールなどがオークションに出ているのを見ますと悲しくなってしまいます。サインした選手だって悲しくなってしまうことでしょう。我が家には10数年前にもらった、藤井淳志選手と柳沢裕一さん(元・中日ドラゴンズほか。現・信濃グランセローズ監督)のサインは第一回家宝認定するくらい、大事にしています。
ファンであれば、選手のサインやグッズが欲しいという弱みにつけて、高額で売り飛ばすという行為に対しては、この前のチケット問題ではありませんが、一番いいのは、そういうオークション品を買わない事だと思います。需要がなければ、供給しても意味はありません。
球団公式HPではさらに「転売を目的として選手へサインを求める行為には決して及ばないようにお願いします」「沖縄春季キャンプに限らず、今後、上記の行為等が見受けられる場合は、球団としては、本意ではございませんが、サイン等のファンサービスを制限させていただくことも視野にいれております。ファンの皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします」と異例の呼びかけとなってしまいました。
連日盛況となっているドラゴンズのキャンプですが、そこに水を差すような今回のニュースです。最悪の場合は、選手のサイン中止という手段になりかねません。となれば、選手の善意を反故にした行為であるとともに、子どもの夢を大人が壊してしまうことになってしまいます。
最近はこの手のニュースが多すぎて情けないものです。今では、どの球団もファンサービスに積極的に取り組んでいますが、その一方で、サインをするのが当たり前だと、選手の負担や場所もわきまない、モンスターファンやサインの転売はプロ野球界のみならず、他のスポーツや芸能界などでも問題になりつつあります。
一部のファンの方のの行動で、大勢のファンの方が楽しみが奪われることのないような、節度ある行動を願うばかりです。
さて、今回、私は北谷で森繁和シニアディレクターのサインをいただきました。
森SDはなぜか、偶然、私の右隣の一般スタンドいました。もちろん、邪魔にならないようにシートバッティングが始まる前のグラウンド整備中にサインをいただきました。
そして、第3回家宝認定品となりました。なお、第2回家宝認定品は抽選で当たった久本祐一さん(現・バッティングピッチャー)のサインです。