既に来年のドラフトを含めて、その進路に注目されている早稲田実業高校・清宮幸太郎選手。
昨夏から既に超高校級の貫禄を漂わせていた清宮選手は、今年はさらなる進化を遂げ、早くもホームラン量産態勢に入り、2016年終了時で早くも高校通算78本のホームランを放っています。
これから、どのくらいホームラン記録を伸ばすのかが注目です。ということで、現時点での歴代高校通算ホームラン数ベスト10は次のようになっています。
山本大貴 107本 神港学園(2012年)-JR西日本
黒瀬健太 97本 初芝橋本(2015年)-福岡ソフトバンクホークス
伊藤諒介 94本 神港学園(2010年)-法大-大阪ガス
中田翔 87本 大阪桐蔭(2007年)-北海道日本ハムファイターズ
大島裕行 86本 埼玉栄(1999年)-埼玉西武ライオンズ
横川駿 85本 神港学園(2011年)-立命館大
鈴木健 83本 浦和学院(1984年)-西武ライオンズ-ヤクルトスワローズ
中村剛也 83本 大阪桐蔭(2001年)-埼玉西武ライオンズ
田原伸吾 78本 此花学院(1885年)-明治大学-熊谷組-TDK-熊球クラブ
谷田成吾 77本 慶応(2011年)-慶応大学-JX-ENEOS
黒瀬選手はまだ入団一年目であり、大島さんは引退しています。中田選手、中村選手は現在進行形で主軸を打っていますが、プロ野球でホームランを量産している選手は、必ずしも高校時代のホームラン数が多かったという感じではなさそうです。
この高校通算ホームランですが、ある程度の指標というか目安になることは事実ですが、鵜呑みに出来ないことも事実だと思います。そもそものベンチマークが違いすぎます。「グラウンドが小さい」「試合数が違う」「対戦相手」など、条件が違いすぎて絶対的比較対象にするには難しすぎます。
逆に高校通算ホームラン0本でもプロ野球でホームラン王を獲得した選手がいます。
小笠原道大(現; 中日ドラゴンズ二軍監督)
実働19年間で10回ものホームラン30本超え。2006年にはホームラン王に輝き、通算378本。
中学・高校時代はまったく無名。千葉・暁星国際高で夏の千葉大会準優勝(1990年)を果たしているが、入学にあたっては中学の有望選手で欲しい選手がいて、その選手を獲る代わりに頼まれたというほどで、非力な便利屋でした。高校卒業時にNTT関東に進む際には、提出する実績に色をつけてもらったそうでした。その後、社会人5年目の1996年に日本ハムファイターズからドラフト3位で指名。そのときの評価も「捕手・内野手ができるユーティリティープレーヤー」でした。もちろんというか、当然、バッティングでプロの壁にぶち当たりましたが、当時コーチの加藤英司(現; 中日ドラゴンズ一軍チーフ打撃兼野手総合コーチ)が「とにかくフルスイングでいけ!」と指導。その教えを忠実に守り、フルスイングを貫いた結果、3年目にはホームラン25本を記録し、スラッガーとして開花しました。
掛布雅之(現; 阪神タイガース二軍監督)
通算349本。ホームラン王3回(1979年、1982年、1984年)。
千葉・習志野高で四番ショートを務め、甲子園にも出場(1972年)していますが、175cmと大柄ではなく、無名選手でした。プロ入りも千葉商高で監督を務めたことのあるお父さんが、息子の進路について教え子たちに声をかけ回って、タイガース二軍キャンプに帯同し、そこで入団テストが行われ、ドラフト6位で入団。素質を見出され、徹底的に鍛えられ1年目からホームラン3本を放ち、以降長打力を伸ばしていきました。
門田博光(元南海ホークスほか)
歴代3位の通算567本。ホームラン王3回(1981年、1983年、1988年)。40歳を超えてもホームランを打った、不惑の大砲。
奈良・天理高で四番センターで甲子園にも出場(1965年)しているが、高校時代はやはり無名でした。高校時代は身長170cmと小柄であり、当時のウリは俊足巧打。社会人の強豪・クラレ岡山(現在は休部)で強打者のフォームを学び、暇があればバットを振る求道精神で打撃開眼。1968年のドラフトで阪急ブレーブスから12位指名を受けるものの入団拒否。翌1969年のドラフトで南海ホークスからの2位指名を受け、プロ入り。プロ1年目からホームラン8本を放ち、2年目には31本でホームラン王を獲得。その後もフルスイング、ホームランにこだわりまくりました。
さて、手前味噌で申し訳ございませんが、今年、ようやく第1号が出ています。
いままで、本人談では「もう少し」とかの当たりは多々あったようです。今回の第1号は球場ではなく、グラウンドで行われた練習試合でしたので、認定ホームランではありましたが。
(本当は通算1本目のホームランボールはもらえるそうですが、もらえなかったため、当日、うちにあったボールで記念撮影です)
小笠原さん、掛布さん、門田さんもフルスイングへの強いこだわりを持って、大スラッガーに成長しました。
今、まだホームランを打てなくてもフルスイングは続けていって欲しいと思います。清宮選手まで、あと、たったの77本です。1試合4本ずつ打てば、たったの20試合で追いつきそうです・・・数字的には不可能ではありません。