今年の6月12日に上野動物園でジャイアントパンダ(以下、パンダ)「シャンシャン」が誕生し、お母さんの「シンシン」とともに話題になっています。一方、ほとんど話題に上がっていない、お父さん「リーリー」ですが、上野動物園のパンダブログを読んでいますと、毎日元気にやっているようです。
赤ちゃんパンダだけでなく、大きくなってもその存在自体が無条件で人間を幸せにしてくれるパンダです。見ていても、飽きることはありません。そのシャンシャンは今日、12月19日から一般公開がはじまりますが、それよりも一足早く、登場したのがアンドレザ・ジャイアントパンダ選手(注;アンドレ・ザ・ジャイアントパンダではありません)です。
このアンドレザ・ジャイアントパンダ選手は、北海道のアマチュアプロレス団体・新根室プロレスが中国から発掘した身長3mのパンダです。
7月30日に別海町ぷらと前多目的広場にて開催された「商工青年夏まつり2017~ビアガーデンマッチ~」に初来日しました。一般的に大人のパンダの体長は120~150cm。直立しても170cmほどですので、業界的にアンドレザ・ジャイアントパンダ選手は長身の部類に入り、あの"人間山脈"アンドレ・ザ・ジャイアントさんの一人民族大移動ならぬ一匹民族大移動と言われているとか、言われていないとかです。そのアンドレさんより77cmもデカいのです。
何しろ、その大きさゆえに、雑なリングインをしてしまい入場時からダウンをとられるピンチとなりますが、スタンドになるや野性味あふれる俊敏な動きで場内をどよめかせました。、超暇人・ハルク豊満選手を2階からのヘッドバットで失神へと追い込み、レフェリーストップによる秒殺TKO勝ちという圧倒的な強さとデカさで鮮烈な日本マットデビューを飾りました。
この大きさですので、もちろんパワーは当然のことながら、スピードも持ち合わせるのは驚異的で、かわいい顔してテクニシャンでもあるようです。
現存するプロレスラーとしては、中国の団体・新北京プロレス(前漢時代に設立して2000年の歴史を誇り、所属選手は10億人にも及ぶという。所属選手の趙雲子龍選手が留学生として日本に参戦)に所属するロングリバー黄河選手が計測不能ながら人を踏み潰すほどの大きさのため世界最大とされています。ただ、ロングリバー黄河選手はあまりのデカさのため全長を見た者は一人もおらず、実際に見られるレスラーとしてはあらゆるスポーツの中でもこのアンドレザ・ジャイアントパンダ選手がホフ専用ズゴック選手(浪速区民センターVer.)らと並び最大級といわれています。
11月には、大日本プロレス「秋の上野プロレス祭り2017」最終日(東京・上野恩賜公園野外ステージ)に登場しました。この日は地元の北海道から上京して大日本初参戦。"パンダの聖地"上野で、アブドーラ小林選手の化身、"バカ沈艦"スタン・小林選手と対戦しました。
入場中のアンドレザ・ジャイアントパンダ選手に対してスタン・小林選手のセコンドが奇襲を仕掛け、わずか1分22秒で両者リングアウトとなりましたが、観衆が納得せず、「もう一回」コールが飛び、再試合が行われることになりました。
再試合ではアンドレザ・ジャイアントパンダ選手はスタン・小林選手からイースタン・ラリアットを食らい、窮地に陥りましたが、セコンドの介入もあって形勢逆転に成功。最後は身長3m、体重500kgの人知を超えた巨体をスタン・小林選手に浴びせ、3カウントを奪って勝利しています。
試合後には同じく3mのメスパンダ・ティンティンさんが登場し、2頭の巨大パンダ北海道へと戻っていきました。
実は日本のプロレス界はパンダとともに歩んできた歴史があります。
1990年2月に大仁田FMWがメキシコからパンディータ選手というマスクマンを招へいしたのが始まりで、その路線を受け継いだレイ・パンディータ選手も登場しました。最近ではWRESTLE-1にパンニャン老師選手という中国拳法の達人が上がり、2016年7月8日にはケンドー・カシン選手とパンディータ選手(何代目かは不明)が新木場1stRINGでワンマッチ興行が行われています。
一時期はDDTに大中華統一中原タッグ王座があり、ベルトの中心にパンダの顔があしらわれていました。ザ・グレート・サスケ選手でさえ、リッキー・フジ選手とのコンビで巻いた際には興奮のあまり、「いいねえ、最高だ! さっそく明日、盛岡へ帰る前に上野動物園に寄って、ベルト奪取をパンダに報告しますよ!」とドヤ顔で宣言したものの、記者団から「上野動物園、明日は月曜なので休みなんですが」と突っ込みがありました。
このように、屈強なプロレスラーたちでさえ無条件で気持ちが高揚してしまう存在がパンダなのです(実際は、見た目に反して凶暴だというのですが)。