今日は、令和2年秋の全国交通安全運動最終日です。
野球においてピッチャーが投げるボールは速ければ速いほど、バッターがボールを目で追う事が難しくなり、正確にバットで捉えることが難しくっていきます。
野球の球速のギネス記録としては赤外線レーダーによる精密測定で、1974年に記録されたノーラン・ライアンさんの約162.4km/h（100.9mph）が認定されています。
現在、メジャーリーグ・ベースボール機構（MLB）では、スポートビジョン社の開発した「PITCH f/x」という投球解析装置が各球場へ設置され、標準化されており、PITCH f/xによる測定では、2010年9月24日にアロルディス・チャップマン選手（現；ニューヨーク・ヤンキース）がシンシナティ・レッズ所属時に記録した約169.1km/h（105.1mph）が最高球速記録となっています。
日本プロ野球機構（NPB）では、球場設備は統一されていないので球速記録は公式記録にはなっていませんが、ベスト5は次のようになっています（チームは所属時です）。
165 km/h：大谷翔平選手（北海道日本ハムファイターズ / 2016年10月16日 / 札幌ドーム）
163 km/h：チアゴ・ビエイラ選手（読売ジャイアンツ / 2020年8月12日 / 東京ドーム）
162 km/h：マーク・クルーンさん（読売ジャイアンツ / 2008年6月1日 / 福岡Yahoo! JAPANドーム）
162 km/h：アルキメデス・カミネロ選手（読売ジャイアンツ / 2018年6月14日 / 福岡ヤフオク!ドーム）
162 km/h：リード・ギャレット選手（埼玉西武ライオンズ / 2020年8月8日 / 札幌ドーム）
ここまで、速くはないものの、以前、バッティングセンターでの「150km/h」への挑戦シリーズがありましたが、実際、150km/hというと、あっという間のスピードです。
そもそも、身近なもので、JR東日本の特急あずさの最高速度が「130km/h」です。また、高速道路の最高速度が100km/h（一部、120km/h区間もありますが）ですが、体感的には自分で運転していて100km/hを超えると、怖さを感じる場合もあります。
さて、先日、プロ野球・埼玉西武ライオンズの選手2人が新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から球団が自宅待機と不要不急の外出禁止を定めていた期間中の2020年4月12日にゴルフをするために外出し、移動の際に選手が運転する自動車が道路交通法に違反する危険な走行をしたと発表しました。
これは、首都高速道路中央環状線山手トンネル内を法定最高速度を89km/h超える149km/hで走行したことを、いわゆるオービス（速度違反自動取締装置）に検知され、運転していた選手が速度超過による道路交通法違反で警視庁に出頭し、8月17日に球団へ報告し、同乗していた選手にも詳細を確認して判明したというものです。
私は何度か、この山手トンネルを走行したことがありますが、目黒区内と中野区内にそれぞれ設置されていますし、そもそも、事前に予告看板も出ていますので、普通ならば充分に認識できます（そもそも、スピードは出しません）。
両選手には無期限の対外試合出場禁止とユニホーム着用禁止の処分を科したことも発表されていますが、そのほかに、法的にも罰せられることになります。
速度違反の法定刑は「6月以下の懲役または10万円以下の罰金」であり、超過速度が80km/h未満（70km/h台）までは罰金刑、80km/h以上は懲役刑となっています。過去の首都高速での速度違反では、おおむね、次のようになっているようです。
超過80km/h台：懲役3月
超過90km/h台：懲役4月
超過100km/h台：懲役5月
超過110km/h以上：懲役6月
ただし、同種で執行猶予中だとかいう特別な事情がなければ、2年か3年の執行猶予がつきます。よって、猶予中に別件で実刑判決を受けことがなければ、刑務所へ収監されることはなくなるようです。
とはいうものの、執行猶予付きでも懲役刑ですので、前科がつくことになります。そうなりますと、医師は医業停止になったり、不動産業者は資格が消除や取消し、公務員は失職となり、一般的な会社員でも退職しなくてはならない可能性もでてくるでしょう。
さらに、運転免許の行政処分についてがあります。超過50km/h以上は違反点数が12点。それ以上はありませんので、89km/h超過も12点になります。基本的には、過去に累積点数や処分の前歴がなければ90日間の免許停止処分となります。
ちなみに、飲酒運転や無免許運転には「要求・依頼同乗罪」というのがあり、運転者だけではなく、同乗者も罰せられます。しかし、速度違反には「要求・依頼同乗罪」はありません。しかし、仮に同乗者が、「もっと飛ばせ！」とか運転者をそそのかすような証拠があった場合、同乗者は教唆犯（刑法第61条）となる可能性もあるようです。
ちなみに、運転していた選手は野手ですが、同乗していた選手はピッチャーです。ピッチャーで常時149km/hのスピードをめざしていたわけではないでしょう。また、12失点というのは野手としても、取り返すのは簡単ではない点差です。
新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、日々新型コロナウイルスと戦っている医療関係など、私たちの命と生活を守るために働いてくださっている関係者の方々に、心からの敬意と感謝いたします。
どうか、みなさまとご家族、関係者の方がご健康であっていただければと思っております。1日でも早く流行が終息の方向に向かうことを願っております。
私のブログにお越しいただいてありがとうございます。また、明日、ここで、お会いしましょう。
