元プロ野球選手の清原和博さんが国内外のリーグでプロ野球選手を目指す試合形式のトライアウトの監督を務め、参加した選手に「必ず夢はかなう」と激励しました。
清原さんが監督を務めたのは、プロ野球12球団の合同トライアウトとは別のトライアウトで、民間企業が行うものです。日本のプロ野球を戦力外になった選手や米国マイナーリーグでプレーする外国人選手などが実戦でアピールするものです。
11月7日に神奈川県横浜市のサーティーフォー保土ヶ谷球場で行われた「ワールドトライアウト2019」の予選会に監督として参加。この日は独立リーグなどの選手を対象にして、11月30日に明治神宮球場で行われる本戦への出場をかけた予選形式の試合でした。
この「ワールドトライアウト2019」とは、株式会社World Tryout社が主催するトライアウトです。毎年行われている日本プロ野球機構(NPB)が主催する12球団合同トライアウトとは別物です。
NPBのトライアウトはNPBに所属している/していた選手/元選手が対象になり、シートバッティング方式で行われますが、ワールドトライアウトは元NPB選手、マイナーリーグ選手、予選を通過したアマチュア選手・独立プロ野球選手が3チームに分かれて試合を行います。また、ワールドトライアウトの参加資格は野球経験者で年齢が17~27歳だけです。ただ、、一次審査(書類審査)と二次審査(予選トライアウト)には参加費が必要です。
元;東京ヤクルトスワローズのセットアッパーだったジョシュ・ルーキさんや今シーズン横浜DeNAベイスターズを戦力外となった綾部翔選手らが参加予定で、選手にとっては国内外での現役続行のチャンスが広がります。しかし、どれだけ多くのNPB関係者、独立リーグや高校野球の指導者などが訪れるのかがポイントだと思います。ただ、これは選手だけでなく、清原さんにとっても野球界に戻るチャンスでもあるでしょう。
今年からの企画であり、まだ成果は分かりませんが素晴らしい取り組みだと思いますし、この企画が長く続くよう期待したいです。
なお、このワールドトライアウトはスカウトや関係者の方に見てもらおうというのが意図ですから、監督やコーチの役割とかチームの勝敗は直接的に関係ないと思われます。
ですから、トライアウトでの清原さんの監督としても役割は、2試合の試合形式での打順を決定するだけで、監督としての手腕が問われるようなものではないと思います。まさか、送りバントのサインを出すことはないでしょうから。
ちなみに、元;阪神タイガースヘッドコーチの片岡篤史さん、元;福岡ソフトバンクホークス三軍ピッチングコーチの入来祐作さんがコーチを務めそうです。2人とも清原さんのPL学園高の後輩にあたります。
どちらかと言えば、清原さんの監督就任は話題を作ってこのトライアウトの注目度を上げるとともに、社会復帰を支援することも目的にして実現したようです。
NPBへの復帰は難しいかもしれませんが、今後、野球教室を開催する計画もあるそうですので、独立リーグなども含めて可能性は出てくることでしょう。
清原さんは予選会に参加した選手一人一人のプレーを入念にチェックしてメンバーの選考を行い、試合が終わった後に、「頑張る姿が僕にとっても力になった。これからいろいろな道に進むと思うが、必ず夢はかなうので信じて頑張ってほしい」と激励し、「こういう機会を与えてもらいすごく感謝している。久しぶりに球場に足を踏み入れて若い選手がプレーする姿を見て、自分も頑張らないといけないと改めて思った」と話しています。
最近、元タレントで団体職員が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたり、元冬季オリンピック選手が大麻の疑いで逮捕されたりとしている中で、「自分は病院の治療やグループミーティングなどに3年半、1度も休まずに参加している。尿検査も欠かさず受けている。日々勉強しながら薬物に対して自分なりに必死で頑張っている」と答えています。
それぞれの想いを持って挑戦するトライアウト。清原さんにとっても大事なトライアウトでしょう。