野球小僧

春季キャンプ紅白戦

プロ野球の春季キャンプも第1クールが終わり、休日の様子も含めて、連日キャンプ報道がテレビ、新聞などのメディアを賑わせています。

例年なら、2月10日前後からシートバッティングや紅白戦を行い、若手が早めのアピールを始めます。そして、対外試合となる練習試合を挟んで、20日頃からオープン戦をとなるのが流れです。ベテラン選手の出場は3月10日以降の地元試合からの出場となっていきます。

ところが、今年は各球団の実戦が早いのが目立ちます。すでに、千葉ロッテマリーンズが1日のキャンプ初日に紅白戦を行い、与田新監督を迎えた中日ドラゴンズも3日と4日に紅白戦(実際には変則シートバッティング)を行い、原監督が復帰した読売ジャイアンツも、球団史上最速となる3日に一軍 vs.  二軍の紅白戦が行われました。どのチームとも一・二軍選手の振り分けを見定めるという狙いが濃いものではあります。

それでも、第1クールから実戦形式というのは今ではそれほどでもありませんが、この前代未聞の紅白戦を実施したのが、2004年のドラゴンズの監督就任した落合博満さんです。

落合さんが監督就任する前年の2003年は山田久志元監督のもとで2位とAクラスでした。しかし、優勝した阪神タイガースからは14.5ゲーム差を付けられており、補強は必須と見られていたにも関わらず、落合元監督はFAやトレードなどでの戦力アップを行わず現有戦力で日本一になると公言しました。

2004年のシーズン前には「戦力10%底上げで優勝できる」と、これまた大胆発言です。この発言には不安はありました。 

大きな補強もなく就任1年目の春季キャンプを迎えた落合元監督は初日から紅白戦を実施しました。当時としては前代未聞のことで、通常のキャンプであれば初日から紅白戦を行うことはせず徐々に身体を仕上げてから行っていくのが常識でした。 

その異例ともいえる初日の紅白戦に向けて、選手たちはオフシーズンの過ごし方を考え、代わったと言われています。試合ができる身体でキャンプに臨むことで「明日からシーズンが始まっても大丈夫」「仕上げが早かったことでキャンプ中に様々なことを試すことができた」と当時、主力になりかけていた荒木雅博さん(現:二軍コーチ)は語っていました。

ただ、あまりにも早い仕上げだったため「こんなに早く仕上げては、1年間のシーズンを乗り切ることができない」といった批判もありましたが、落合元監督はどこ吹く風という感じでした。「あいつら大人だよ。自覚、プロ意識。俺の予想をはるかに超えていた。あとはどう仕上げていくかだな」と紅白戦後に語っています。

初日の2月1日の紅白戦は雨のため5回で打ち切りも、2001年にFAでドラゴンズに移籍以来一軍登板がなかった白組先発の川崎憲次郎さんが1回を無失点に抑えれば、2003年右肩痛で8試合の登板にとどまった川上憲伸さんは最速147km/hを計測。野手陣もベテランの立浪和義さん、当時主力だった福留孝介選手(現:阪神タイガース)などが出場しています。

2004年2月1日の紅白戦スタメン

【紅組】
一番(三)立浪和義
二番(右)福留孝介
三番(捕)田上秀則
四番(一)高橋光信
五番(中)幕田賢治
六番(指)井上一樹
七番(左)関川浩一
八番(二)川相昌弘
九番(遊)前田新悟
  (投)野口茂樹

【白組】
一番(二)荒木雅博
二番(遊)井端弘和
三番(三)仲沢忠厚
四番(左)大西崇之
五番(一)森野将彦
六番(指)桜井好実
七番(右)森章剛
八番(捕)谷繁元信
九番(中)英智
  (投)川崎憲次郎

一軍主力メンバーによるガチンコ対決に、北谷球場には4000人のファンが詰めかけました。また、翌日2日も7イニングの紅白戦を敢行しました。チームの戦力を把握するためには、実戦が最も手っ取り早いことです。落合元監督は「これだけの戦力があったら、どこにも負けることはありません」と2試合を見届けて、大きく胸を張りました。

その自信は有言実行として、この年、ドラゴンズは予想を覆す快進撃を続け、2位の東京ヤクルトスワローズに7.5ゲーム差を付け、79勝56敗3分けで、1999年以来5年ぶりのセ・リーグ優勝を成し遂げます。

今年のドラゴンズはチームは再建期です。偶然とは思えませんが、同じく、マリーンズとジャイアンツもチーム再建期です。早い紅白戦実施は、若手中心ながら、戦力把握のためにも貴重な場だったと思います。

この前代未聞の紅白戦から15年、ドラゴンズは春季キャンプの紅白戦こそ実施していませんが、3日と4日には実戦形式を取り入れ、12球団1とも呼ばれるハードなトレーニングは継続中。8年ぶりの優勝のためにも今年は、例年以上に充実したキャンプを送り、シーズン開幕を迎えでもらいたいところです。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
うーん、キャンプの話題は多いのですが、なぜか宮崎県の情報があまり入ってきません。不思議というか、ここでは日常という感じなのかもしれません。

北谷、名護、浦添、宜野座、宜野湾、石垣島、久米島が話題の中心になっています。

ま、沖縄へ来るまでは、精々頑張ってくださいませ。はっはっは。
eco坊主
おはようございます。

石川選手はチーム一号を打って頑張ってます。
吉川尚選手も3安打猛打賞。
坂本投手、大江投手は無安打の好投。
田口投手は復活を感じさせる2回無失点。
いやぁ~期待しちゃいますわ!!!

竜も頑張んなはれや~!(余裕の発言(笑))
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