睡眠の日というものがあります。睡眠の日は春・秋の年2回が定められており、春は3月18日(春の睡眠健康週間3月11日~3月25日)、秋は9月3日(秋の睡眠健康週間8月27日~9月10日)です。それぞれの日をはさむ前後1週間が「睡眠健康週間」に制定されています。
春になると眠気を感じますが、これは夜の長い冬からだんだんと日の長くなる春へと移り変わるときの一種の時差ぼけとも言われています。また、常日頃、睡眠が足りていないと、日中の眠気や集中力の低下、疲労感が取れないなどの影響があることは体感的にもご存じの方が多いと思いますが、睡眠はダイエットにも深い関係があるそうです。
米シカゴ大学の調査によると、「適切な睡眠時間を確保することにより、脂肪の燃焼を増加させるだけではなく、食欲も抑えられる」という、「寝る子はやせる」と言わんばかりの結果があるそうです。調査対象は、カロリー制限がされている肥満体型の35~49歳の10人。まずは一晩の睡眠時間を8.5時間にして2週間。その後の2週間は5.5時間に減らし、体重の変化を調査した結果、睡眠8.5時間の期間に10人全員が約3kgの減量に成功しました。ところが、後の5.5時間睡眠の2週間の間に、彼らの半数以上がリバウンドしたそうです。
実験中の食生活は、栄養バランスの良いメニューを摂っていたとのことで、1日あたりの摂取カロリーは約1450kcal。運動をしなくても体重をキープし続けられるカロリーに設定されていました。また、日中はオフィスワークやレジャー活動をするなど、普段と同じような生活を送っていたそうです。
食欲を増進させる働きを持つホルモンに「グレリン」というものがあるそうですが、睡眠8.5時間の期間中はグレリンの数値に変化はなかったのに対し、5.5時間の期間中のグレリンの数値は上昇の傾向にあったそうです。反対に、毎日きちんと7.5時間以上の睡眠が取れていれば、食欲を抑えるレプチンが分泌され、食欲を増進するグレリンが抑えられるので、やたらに空腹を感じることはないそうです。また、代謝もアップし脂肪が燃焼されやすい体質になっていくとのことです。
さらに、米コロンビア大による睡眠と肥満の関係性についての研究でも同様の結果が出ているようで、肥満度は日常的に7~9時間眠る人が最も低く、それと比較すると5時間だと肥満率が50%高く、4時間以下のグループでは73%も高いという結果が報告されているそうです。
はいはい、そこのオジサンeさん。「自分は早く寝ているけど、やせない」と思っているでしょうけど、それは他に理由があるからでしょう。
以前、近所のオジサンj・yさんが言っていましたが、「寝るにも体力が要る」と言っていました。確かに、この研究はそれが言えるかも知れません。
ちなみに、ただ寝ていればいというものではないそうです。
睡眠は90分間を1サイクルとしてレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を繰り返しています。入眠から最初の3時間はノンレム睡眠の占める割合が高く、その後はレム睡眠の時間が長くなって徐々に目覚めていくそうです。ダイエット効果を考える場合、5サイクル分の7時間半が理想的になるようです。長く眠れば眠るほど良いというワケではなさそうです。