殿、ご乱心:主君または組織の長が心を乱しているさま、気が触れたかのように振舞っているさまを述べた語。封建時代を背景とする言い方であるが、現代でも、身分や位の高い人物の、まるで常識はずれな、見当外れの言動を、揶揄を込めて「殿のご乱心」のように表現することがある。
2020年7月7日の中日ドラゴンズ vs. 東京ヤクルトスワローズは、結果論ではありますが「ご乱心」な試合でした。
ドラゴンズが1-2とリードされた延長10回裏、先頭の遠藤一星選手がヒットで出塁、1アウト後、高橋周平選手がヒットで1アウト一・三塁。2アウトから京田陽太選手が申告敬遠で満塁。一打サヨナラのチャンスを迎えた場面でピッチャーの岡田俊哉選手に打順が回ってきました。
ところが、この時点でドラゴンズベンチには野手は誰も残っておらず、ここで与田剛監督が選択したのはピッチャーの三ツ間卓也選手を代打。
今シーズンは特別ルールにより延長戦は10回まで。そもそも、私主観では「ほぼ敗け試合」でしたので、8回裏に同点に追いつき、色気を出してTVを見始めたのが、ガッカリ感を増幅させてしまいました。最低でも引き分けに持ち込んでほしかったのですが。三ツ間選手は(ほぼ予想どおり)あえなく三振に終わり、1-2で敗れました。
すでにいろいろなことでも取り上げられていますが、そもそも問題なのは9回終了時のバッテリー交代です。八番に入っていたピッチャーのR・マルティネス選手の代打・石川駿選手のところに岡田選手を入れ、途中出場で九番に入っていたキャッチャーのA・マルティネスから、同じくキャッチャーの加藤匠馬選手に交代。
この時、加藤選手を八番、岡田選手を九番に入れておけば、この事態は避けられたものでした。普通、「野球を知っている」ものとしては常識的なことのはずです。再びのそもそも論としては、9回裏にヒットを放ったA・マルティネス選手を交代した理由もいまひとつわかりませんし、前試合で猛打賞で勝利に貢献している「旬」の選手であることならば、スタメンマスクから外した理由もわかりません。ここは、ピッチャーとの相性っもあったかもしれないので、何ともいえませんが。
加藤選手を「抑えキャッチャー」のような形で起用するための交代ならば、やはり裏の攻撃への意識がなかったといわれても仕方がないことでしょう。
「野手を人数」の問題においては、今シーズンは特例で出場選手登録枠は31人。しかし、この日のドラゴンズは29人しか登録していませんでした。1枠は7月5日に登録抹消された吉見一起選手の代わりに、7月10日に先発予とされている勝野昌慶選手の登録に備えるためと思われますが、もう1枠を余らせた理由がよくわかりません。二軍も地元にいましたので、野手を招集することには問題なかったはずです。
でも、この試合での一番のハイライトは10回表のバッテリー。スワローズ先頭の青木宣親選手にフォアボール。四番・村上宗隆選手は空振り三振に打ち取ったものの、スタートを切っていた一塁ランナー・上田選手が盗塁成功で1アウト二塁。西浦直亨選手は申告敬遠とし、1アウト一・二塁。2アウト後、廣岡大志選手にもフォアボールで満塁。そして、井野卓選手にもフォアボールで押し出しとなり、勝ち越しの1点を献上。
この日の岡田選手はスライダーでストライクが取れないコントロール。しかし、キャッチャーの加藤選手のサインはスライダーばかり。そもそもがストライクが入らない状況で、それを要求しているのですからフォアボールという結果は明白なこと。
これが修正できず、さらにはキャッチャーのサインに首を振らない岡田選手。また、スライダーのコントロールができていないところに、スライダーのサインしか出さない加藤選手。さらには、何の指示もしないベンチ。
試合後の与田監督は、「加藤と岡田(の打順)のところをね、それは完全な僕のミスなので。交代を特に迷ってしまったのがこういう結果になったので。最終的にそこの判断を誤ったというところです」と野手起用と打順の置き所を反省。さらに、「枠もひとつ残っている中で予備のために置いておくこともしなかったのでそういったことも含めて監督の責任だと思います」「ひとつの枠をどう考えるか。すごく大事になってくると思うのでホントにこの反省を次に生かさなければいけないと思います」とのことですが、結んだ。
ちなみに、2018年5月3日に明治神宮球場で行われた同じスワローズ戦。同点で迎えた9回表にピッチャーの鈴木博志選手に打順が回ると、当時の森繁和監督がピッチャーの笠原祥太郎選手を代打で送り出しました。
この試合、6回、7回の代打攻勢で多くの選手を使い、ベンチにはキャッチャーの木下拓選手と外野手の工藤選手(現;二軍外野守備走塁コーチ)の2人だけしか残っておらず、延長も見越した上で、送りバントのために前日に先発した笠原選手をピンチバンターとして起用したことがあります。この時もスワローズのピッチャーは石山選手でした。結果は、笠原選手は石山選手の投球をサード前に転がしましたが、バントは失敗に終わっています。
勝利すれば5割復帰で3位浮上も見えていたこの試合、ご乱心で借金「2」。第2戦は3点リードも引き分け。第3戦は初戦の逆となる押し出しフォアボールでの勝利・・・のはずが・・・またもや、岡田選手のフォアボール、申告敬遠の満塁で、カウントを悪くしてからの逆転タイムリーで終戦(と思っています)。
これだけ不安定なクローザーにこだわる、采配の裏目。「殿、ご乱心」としかファンの目には映らなかった3連戦でしたが。さてさて。
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