(2014年6月19日の記事(耐雪梅花麗(ゆきにたえてばいかうるわし) - 野球小僧 (goo.ne.jp) )のデジタル・リマスター版です)
「耐雪梅花麗」は「ゆきにたえてばいかうるわし」と読みます。
この詩句は中国南宋(なんそう:1127年~1279年)時代の思想家・朱熹(しゅき)/朱子(しゅし)さんの「偶成」という漢詩の一節です。
ちなみに諸説ありますが、「少年易老学難成(少年老いやすく 学なりがたし)」という漢詩についても、朱熹さんの偶成の一節と言われています。
どちらにしても、朱熹さんがまとめた「朱子学(しゅしがく)」は日本にももたらされ、江戸時代には幕府から官学として保護を受けていました。
さて、「耐雪梅花麗」は西郷隆盛さんが1872年に甥の市来政直さんに送ったものです。
示外甥政直 西郷南洲
一貫唯唯諾:一貫、唯唯(いい)の諾
従来鉄石肝:従来、鉄石(てっせき)の肝
貧居生傑士:貧居(ひんきょ)、傑士(けっし)を生み
勲業顕多難:勲業(くんぎょう)多難に顕(あら)わる
耐雪梅花麗:雪に耐えて梅花麗(うるわ)しく
経霜楓葉丹:霜を経て楓葉(ふうよう)丹(あか)し
如能識天意:如(も)し、能(よ)く、天意を識(し)らば、
豈敢自謀安:豈(あに)敢(あえ)て、自から安きを謀(はか)らむや
その意味は次のようなものになります。
一度「よろしい、引き受けよう」と心に誓ったことは、どこまでも唯直向きにそれを貫きとおさなければならない。
これまで保ってきた鉄の如く石の如く守ってきた胆力は、いつまでもそれを変えてはならない。
豪傑の士というものは貧しい生活をしてきた人のなかから現れ、高く評価される事業というものは、多くの艱難(かんなん:困難にあって苦しみなやむこと)を経て成し遂げられるのだ。
初春の雪の冷たさを耐え忍んだ梅の花が麗しく咲いて芳香を放つように、晩秋の深い霜をしのいで楓の葉が真っ赤に染まるように(人間というものは、辛いことや 苦しいことを耐え忍んでこそ大成するのだ。天は人々に本分を授けている)。
もしこれらの天意が理解できたのなら(天命をよく認識するならば)、どうして我が身の「安楽を謀(はか)る」ような生き方が出来るだろうか(決してしてはならないのだ)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/6c/d2f1db49490c2360e3ca68d3ab8e609e.jpg)
2013年当時、ニューヨーク・ヤンキースに所属していた黒田博樹さんがキャンプミーティングで、各選手が好きな言葉を日替わりで披露したときに選んだのが、この「耐雪梅花麗」でした。
「梅の花は寒い冬を耐え忍ぶことで、春になれば一番麗しく咲く」という意味で、「苦しまずして栄光なしの考え方、それを最初に知ったのは高校のときかな」と説明したそうです。
結果を出すためには、手段を選び、人事を尽くして、努力して、目標に到達すること。
良い時も悪い時も、常に変わらず努力し続けることが大切。
梅は花が咲けば、必ず実を結びます。頑張ればいつかきっと報いがあります。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
「耐雪梅花麗」は「ゆきにたえてばいかうるわし」と読みます。
この詩句は中国南宋(なんそう:1127年~1279年)時代の思想家・朱熹(しゅき)/朱子(しゅし)さんの「偶成」という漢詩の一節です。
ちなみに諸説ありますが、「少年易老学難成(少年老いやすく 学なりがたし)」という漢詩についても、朱熹さんの偶成の一節と言われています。
どちらにしても、朱熹さんがまとめた「朱子学(しゅしがく)」は日本にももたらされ、江戸時代には幕府から官学として保護を受けていました。
さて、「耐雪梅花麗」は西郷隆盛さんが1872年に甥の市来政直さんに送ったものです。
示外甥政直 西郷南洲
一貫唯唯諾:一貫、唯唯(いい)の諾
従来鉄石肝:従来、鉄石(てっせき)の肝
貧居生傑士:貧居(ひんきょ)、傑士(けっし)を生み
勲業顕多難:勲業(くんぎょう)多難に顕(あら)わる
耐雪梅花麗:雪に耐えて梅花麗(うるわ)しく
経霜楓葉丹:霜を経て楓葉(ふうよう)丹(あか)し
如能識天意:如(も)し、能(よ)く、天意を識(し)らば、
豈敢自謀安:豈(あに)敢(あえ)て、自から安きを謀(はか)らむや
その意味は次のようなものになります。
一度「よろしい、引き受けよう」と心に誓ったことは、どこまでも唯直向きにそれを貫きとおさなければならない。
これまで保ってきた鉄の如く石の如く守ってきた胆力は、いつまでもそれを変えてはならない。
豪傑の士というものは貧しい生活をしてきた人のなかから現れ、高く評価される事業というものは、多くの艱難(かんなん:困難にあって苦しみなやむこと)を経て成し遂げられるのだ。
初春の雪の冷たさを耐え忍んだ梅の花が麗しく咲いて芳香を放つように、晩秋の深い霜をしのいで楓の葉が真っ赤に染まるように(人間というものは、辛いことや 苦しいことを耐え忍んでこそ大成するのだ。天は人々に本分を授けている)。
もしこれらの天意が理解できたのなら(天命をよく認識するならば)、どうして我が身の「安楽を謀(はか)る」ような生き方が出来るだろうか(決してしてはならないのだ)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/6c/d2f1db49490c2360e3ca68d3ab8e609e.jpg)
2013年当時、ニューヨーク・ヤンキースに所属していた黒田博樹さんがキャンプミーティングで、各選手が好きな言葉を日替わりで披露したときに選んだのが、この「耐雪梅花麗」でした。
「梅の花は寒い冬を耐え忍ぶことで、春になれば一番麗しく咲く」という意味で、「苦しまずして栄光なしの考え方、それを最初に知ったのは高校のときかな」と説明したそうです。
結果を出すためには、手段を選び、人事を尽くして、努力して、目標に到達すること。
良い時も悪い時も、常に変わらず努力し続けることが大切。
梅は花が咲けば、必ず実を結びます。頑張ればいつかきっと報いがあります。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。