野球小僧

もう少しだけ頑張ってみる

マイアミ・マーリンズのイチロー選手が昨年末の12月23日に愛知県西春日井郡豊山町の社会教育センターで「第21回イチロー杯争奪学童軟式野球」の閉会式に出席しました。挨拶に立つ前には、主催者がメジャー通算3300安打を達成したと説明してしまい、イチロー選手自ら3030安打であると“ツッコミ”を入れるシーンもあったそうです。

この大会は中日ドラゴンズ・田島選手、横浜DeNAベイスターズ・関根選手らプロ野球選手も輩出しており、この日の閉会式には関根選手が来賓として出席しました。毎年、名言が飛び出す挨拶では、自分の限界よりもさらに少し頑張ることの大切さを説いたイチロー選手。イチロー選手のスピーチは以下のとおりです。

--------------------------------------------------------------------------------------
みなさん、こんにちは! (声が)小さい・・・。こんにちは!
マイアミ・マーリンズのイチローです。ここにいる3チームのみんな、本当におめでとう。199チームの中から、3チームに残ったこと、勝ち上がったこと、本当に凄いと思います。僕は5チームの中で今年も3位でした。

今年の僕がみんなにかけてあげられる言葉を少し探してみました。今年メジャーリーグで3000というヒットを達成することができました。こういうことがあると、たくさんの人から褒めてもらえます。そして、イチローは人の2倍も3倍も頑張っていると言う人が結構います。でも、そんなことはまったくありません。

人の2倍とか3倍頑張ることって出来ないよね。みんなも頑張っているから分かると思うんだけど。頑張るとしたら自分の限界・・・自分の限界って自分で分かるよね。その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていって欲しいなというふうに思います。

みんなが今、僕を目の前にして・・・日本のプロ野球で何年かやってアメリカに行って16年終わったんだけども、そういう目に見える結果を残したからそんなふうに言えるんじゃないかって思っているかもしれないけど、それはまったく違っていて、僕もみんなと同じように野球少年だったし、ここに今日来てくれた関根選手もみんなと同じ。しかも彼は毎年、一回戦負けの選手でした。ね? みんなの方が成績がいいんだよ。現段階では。

彼もきっと人との比較ではなくて、自分の中でちょっとだけ頑張った。そのことを続けていくと、将来、思ってもいなかった自分になっている。と僕は思うし、実際、僕だってメジャーリーガーになれると思っていなかったし、アメリカで3000本打てるなんてことはまったく想像が当時出来なかったんだけど、今言ったように、自分の中でちょっとだけ頑張ってきた。それを重ねてきたことで、今現在(の自分)になれたと実感しているので、今日はこの言葉をみんなに伝えたいと思います。

そして、横浜DeNAベイスターズの関根選手。彼はこの場に来ることは出来なかった選手だけれども、みんなのように野球少年であった彼に、どうしたら、18(歳)の時から一軍で試合に出る、このことはなかなか出来ることではなくて、凄い選手なんです。その彼に人前で話すことがいかに難しいかということを実感してもらうことも踏まえて、挨拶していただきたいと思います。関根選手、よろしくお願いします。
--------------------------------------------------------------------------------------

イチロー選手が挨拶の途中に突然、「人前で話すことがいかに難しいかということを実感してもらうことも踏まえて」と関根選手にマイクを渡す場面がありました。ただ、高卒3年目の関根の立派な“スピーチ”に、43歳のメジャー最年長野手は「なんで3年目の選手が僕よりあいさつがうまいのか」と感心しきりでした。関根選手のスピーチは以下のとおりです。

--------------------------------------------------------------------------------------
こんにちは! 僕も先ほど言われたとおり、このイチロー杯に3年続けて出させていただいたんですけど、すべて一回戦負けでした。なのでここにいるみなさんが本当にすごいと思います。おめでとうございます。

今、僕は横浜DeNAベイスターズで野球をやらせていただいています。そして、高卒で3年目が終わりました。中学から高校、小学校ももちろんなんですけど、ひたすら練習をし続けて、僕はプロ野球選手になりました。

しかし、今、僕はプロで結果を残せていません。まだまだ僕の中では練習不足だと思い、これからも練習を続けていきます。練習をすること、考え続けること、これが僕が結果を残すために必要なことだと思うから、これからも練習を続けていきます。

みなさんにもこれから多くの出来事があると思います。そんな時はぜひ自分の力を信じて、そして練習して立ち向かってください。これからみなさんが頑張るように、僕も必死に頑張って生きていきます。本当におめでとうございます。ありがとうございました。
--------------------------------------------------------------------------------------

「イチローは人の2倍、3倍努力したみたいに言われるが、そんなことはできない。人と比較するのではなく、自分として努力を積み重ねて達成できた。努力を積み重ねれば、みんなも将来、思ってもいなかった自分になれると思う」

「自分の限界って自分で分かるよね。そんな時に“もう少しだけ頑張ってみる”ということを重ねていって欲しいなと思います」

「自分の限界より少し頑張ってみよう」といったことを子ども達に向けて言っていて、それを体現しているイチロー選手が実際にその言葉を発しているんだから、これほど説得力のある言葉はないと思います。ここ数年、イチロー選手の立場は非常に微妙なところであり、限界と思われても仕方がないような成績です。

でも、昨シーズンは一昨シーズンより10試合、73打席減ったものの、安打数は4本多い95安打。10年連続200安打が途切れた2011年以降では自己ベストの打率.291でした。今年は日米通算でプロ26年目。10月には44歳を迎えます。メジャー現役野手最年長は「50歳まで現役」を目指し、一年一年、年齢の限界説を打ち破る戦いに挑みます。

「ちょっとだけ頑張ってみる積み重ね」今年は、そんな自分と向き合いながら生きて行こうと思います。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
やっぱり、有言実行。ただ、努力し続けていて、最後まで諦めないからなのでしょうね。

私なんかは、元々やる気のない三日坊主ですから。

ただ、昨日よりも少しは成長した今日でありたいなあと、いつも思っています。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

「自分の限界より少し頑張ってみよう」・・・
確かにイチロー選手が言うと重みがありますね。

私なんぞは自分の本当の限界さえ見えなくて
自分でスライス線を引いちゃってますもんね。

今年のテーマも書きたのですが・・・┐( ∵ )┌ですわ(笑)

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最新の画像もっと見る

最近の「プロ野球」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事