リオデジャネイロ・オリンピック 女子サッカー アジア最終予選の第3節が4日に行われ、なでしこジャパン(日本女子代表)は中国代表に1-2で敗れ、三試合で1分け2敗となり、この時点でオリンピック出場権を掴むのはほぼ絶望的な状況となりました。勝ち点「1」で5位のなでしこジャパンは、残り二試合に連勝した場合の最大勝ち点が「7」。首位オーストラリアが開幕3連勝を果たして勝ち点「9」を獲得していますので、オリンピック出場権を掴むためには、2位通過を目指すことになります。
現在(3月6日時点)の2位は2勝1分けで勝ち点「7」の中国です。よって、残り二試合で中国が1ポイント(引き分け)以上となった時点で、オリンピック出場はなくなります。次の試合は今日(7日)に行われますが、なでしこジャパンがとベトナム戦が19時35分キックオフよりも前に、中国は韓国戦を16時35分にキックオフとなっていますので、なでしこジャパンはベトナム戦のキックオフ前に敗退が決まる可能性もあります。
同じ日には卓球の世界選手権(団体戦)がマレーシア・クアラルンプールで行われ、世界ランキング2位の日本女子は準決勝で同11位の北朝鮮を3-1で破り、二大会連続の決勝進出を決めました。日本女子はここまで無敗の伊藤美誠選手がストレートで敗れ、北朝鮮に先手を奪われたものの、石川佳純選手がリ・ミョンスン選手とのエース対決を制し追いつき、主将・福原愛選手も勝って流れを引き寄せ、第一試合で敗れた伊藤選手がフルゲームの激戦に勝利(太郎曰く「ベストゲームだ」)し、45年ぶりの金メダルへあと一つのところまで来ました。
この第四試合での伊藤選手の対戦相手は北朝鮮で最も実力があると言われているリ・ミョンスン選手でした。伊藤選手は第一試合でキム・ソンイ選手に0-3(4-11、6-11、7-11)のストレートで負け、第四試合も第一ゲームを4-11で取られ、第二ゲームは奪い返したものの、第三ゲームを18-20で取られながらも、その後の2ゲームを連取してチームの勝利を決めました。
TVで試合を観ている限り、伊藤選手はなかなかスマッシュが決まらず、焦っているような感じがしていました。しかし、試合が進むにつれて、逆にリ選手がリターン出来ずに足も止まりかけていました。福原選手の「(この試合中、)ずっと鳥肌が立ってました」という言葉で判るとおりの一進一退の熱戦でした。また、村上恭和監督は「18-20で負けて次のゲームで勝ったなんて選手を見たことがありません」と中学三年生の伊藤選手の精神力の強さを称賛しました。
この逆境をはね返せたのは、なんと言っても攻める勇気だったと思います。「ミスしてもスマッシュで決めるところは決めよう」と腹をくくり、第三ゲームを失った後も「しょうがない。内容は良かった」とポジティブに考えたそうです。世界の大舞台で、日本を背負って大一番の試合で出なければならない。その精神年齢は15歳とは思えないほどですが、5ゲーム目を5連続ポイントで奪い、勝利すると涙が自然と頬を伝わり、15歳の素顔をのぞかせてくれました。
さて、なでしこジャパン。元なでしこジャパンのキャプテンで昨シーズン限りで現役を引退した澤穂希さんが試合前日の3日に練習場を訪問していました。そこで「本当に負けられないという気持ちでやっている選手が何人いるのか」「見ている人の心に響くプレーを見せてほしい」と厳しい言葉で叱咤激励したそうですが、中国戦では悪い流れは変わらないままでした。
それを象徴するようなプレーが前半14分MF阪口夢穂選手からのパスを受けたMF川村優理選手。相手に寄せられるとDFラインにバックパスしようとしますが、これが結果的に中国選手へのパスのようになってしまい、中国選手にシュートを決められ、失点してしまいます。「前に蹴ればよかったな」と試合後に川村選手は語ったようです。こういう、上手く行かないときはプレーは消極的になり、どこか他人頼みになります。
試合終了後、岩渕真奈選手は涙を流してロッカールームへ、大儀見優季選手も涙ぐんでピッチにしゃがみ込んでいました。宮間あや選手はサポーター席に向かうと深々と頭を下げ、その頬には涙が伝っていました。「責任を感じている。主将として自分はチームの選手の味方だし、傷つけることはできない。最後(の試合)まで、自分が何を言われようとやりたい」とコメントしています。
奇しくも2016年3月4日の夜に流れた日本代表の涙。
理由は違えども、共に大事なことはこれから先のこと。より、輝くためにも、この日の涙が無駄にならないようにと願います。
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