ラグビーワールドカップ日本大会は11月1日に3位決定戦が行われ、ウェールズ代表はニュージーランド代表に17-40で敗れ、残念ながら初優勝は果たせませんでしたが、4位という見事な成績を収めました(今さらの話ですが)。
この試合、開始直後からニュージーランド代表に持ち味のスピード豊かな多彩な攻撃を展開され、前半だけで4つのトライを奪われるなどして10-28と大きくリードされました。
後半、ウェールズ代表は大会のトライ数でトップに立つジョシュ・アダムス選手の7つ目のトライなどで反撃しましたが、ニュージーランド代表の安定感のある守備で勢いを止められ、17-40で敗れています。
この結果、ニュージーランドは3位、ウェールズは4位で大会を終えました。
ウェールズ代表のウォレン・ガットランドヘッドコーチは、「ニュージーランドはアタックが鋭く非常によいプレーをした。前半で点差が開いてしまったのが残念だった。準決勝から5日後の試合で、ケガで出場できない選手もいて 厳しかった。結果に対して不満はない」と振り返りました。
また、今大会を最後に12年に渡って務めてきたヘッドコーチを退くことについて、「決勝に進めず残念だった。私の最後の試合だったが、あまり感傷的になることはない。多くのことを結果として出してきた。新しいコーチ陣がまた積み上げていくことになる。選手が今後もできるかぎり成功することを祈っている」とコメントしていました。
さて、3位決定戦前にウエールズ代表が、「日本人が大会を忘れがたいものに」と公式Twitterにつづっていました。
これは、事前キャンプ地の北九州市在住と思われる日本人ファンからの手紙が届いていたことを紹介しています。便せんには英字で、「ウェールズの皆様へ」と記し、こうつづられています。
「ワールドカップが日本で開催され、嬉しく思います。私は北九州で合宿の時から大ファンになりました。私の子どもたちも皆さんのプレーが大好きです。試合では力強く、ピッチ外ではとてもフレンドリー。私の子どもたちの愛し、憧れる存在です。いつも有名で尊敬される選手たちを見ることは喜びでした。あなたたちの大ファンになった子どもたちの姿を見ることは幸せでした」
「夢をくださって、ありがとうございます。優しいスタッフと選手にいつでも感謝しています。素晴らしいプレーを見せてくれてありがとう。ウェールズのファンもとても素敵な人たちでした。本当に応援したいと思いました。ケガに気をつけて。素晴らしい日々をお過ごし下さい」
画像を公開したウェールズ代表の投稿では「日本の人たちがラグビーワールドカップをどれほどまでに忘れがたいものにしてくれたのかという実例です。Tomokoと息子たちは2ヶ月前から我々が来た北九州に到着して以来、日本中でフォローしてくれました」と感謝を記しています。
さてさて、この3位決定戦試合終了間際の80分過ぎのことです。
ニュージーランド代表のアントン・レーナートブラウン選手が、ウェールズ代表のハラム・エイモス選手のタックルをかわしたと思ったら、パンツと同時にアンダーウエアまでをつかまれ、数mビヨーンと伸びてズルッと…。
ただし、エイモス選手は、「ノット・リリース・ザ・パンツ」の反則は取られず、レーナートブラウン選手もボールをポロリする「ノックオン」の反則はありませんでした。
それ以上前に進めなかったため、「セクシーオフロードパス」を出して、ピッチに倒れこみ、その後、懸命にパンツを引き上げた後にノーサイドの笛が鳴り、ニュージーランド代表は3位をもぎ取るとともに、まさに見事な「ケツ末」でした。
ウェールズ代表は悲願の初優勝は果たせませんでしたが、「日本人が大会を忘れがたいもの」を爪痕として残していきました。