ル・マン24時間耐久レースとは1923年に初めて開催された自動車の耐久レースで、フランス西部自動車クラブが運営し、フランス・ル・マンのサルテサーキット(1周13.629km)で開催されています。現在は国際自動車連盟(FIA)が2012年から公認した世界耐久選手権(WEC)の一戦に組みこまれ、レーシングカーのLMP1とLMP2、改造市販車のGTEプロと同アマの4クラスが24時間の決勝に同時出走し、各車3選手が交代で走り、周回数を競います。F1モナコGP、米インディ500とともに世界三大レースの一つと呼ばれています。
先月末に開催された世界耐久選手権(WEC)第3戦第84回ルマン24時間決勝でメーカー、ドライバーが組んでの“国産チーム”による史上初のル・マン初制覇を目前にしたトヨタは5号車が残り約3分までトップを走行していましたが、マシントラブルさで失速してしまい、規定により失格となってしまいました。
そこまでのトヨタ5号車は最後のピットインも何のトラブルもなく終わらせ、ピットから送り出し、世界中の誰もがトヨタの優勝だと思っていたと思います。このサーキットは1周13.629kmで、今年のLMP1クラスでしたら約3分21秒~23秒で走り抜けます。ですから、3分前のストップは、あと一周だったのです。
24時間を目前にして約5分前に異常が発生。「パワー(動力)を失った。パワーがない!」とドライバーからピットへの無線が入り、残り3分でトヨタ5号車はピット前で停止してしまい、約1分の差をつけていたポルシェ2号車に抜き去られてしまいました。
再び車が動き出した時には既にレースは終わり、さらに最後の一周に11分以上もかけたため、最低速度違反となり失格してしまうという、まさにAll of Nothing、天国から地獄でした。
トヨタは一昨年も予選でポールポジションを獲得し、決勝でもトップを走っていましたが、トラブルでリタイアとなり、昨年はポルシェ、アウディの前に速さが足りず、今年はル・マン優勝のために、新エンジンを前倒しと投入し、リチウムイオン電池を導入するなどまったく新しい車で挑み、耐久性と燃費効率の良さでライバルのポルシェやアウディを上回って、終始レースをリードしていました。
大会直前、トヨタは「ハイブリッドは市販車のプリウスでトヨタが開発した技術。これで負けたら、自分たちは何をしてきたのか」という思いは届きませんでした。
今年のトヨタは速く、そして強かったです。しかし、ポルシェはもっと強かったということですね。24時間走って、5,500km以上走ってその差が1分約4kmというわずかな差。その差で走っていたレベルの高さです。
▽ポルシェFacebookより
24時間、互いに競い、 24時間、しのぎを削った。
そして、語り継がれるリスペクトが残った。
ポルシェ、2016年ル・マン24時間耐久レース総合優勝。
熱き闘いを共にしたトヨタへの敬意を表して。
長い歴史を持つル・マンでの日本車の優勝は1991年にマツダが規定でロータリーエンジン最後のレースで初めてメーカーとして総合優勝した一回のみです。ドライバーとしては関谷正徳さん(マクラーレン)が1995年に日本選手初の総合優勝をしています。2004年にはチーム郷(アウディ)がチームとして優勝し、荒聖治さんが日本選手として2人目の優勝ドライバーとなっています。
トヨタ車は18度の出場で5度の2位が最高位です。
トヨタの挑戦は来年も続きます。
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