野球小僧

高級「生」食パン専門店 乃が美 はなれ

昨年末から食パンが、自分の中で一大センセーショナルを引き起こしています。そして、先日、ついに禁断の「乃が美」の食パンに手を出してしまいました。

その美味しさは「一発食答」「食べたらわかる、高いやつやん」でした。

食パン専門店の「乃が美」は2013年に大阪府の総本店をオープン以来、行列ができる店と評判を呼んだお店です。次第にパンマニアや食のプロが選ぶ逸品としてメディアでも紹介されるようになり、2016年には「パン・オブ・ザ・イヤー 食パン部門」(パンスタ主催)で金賞を受賞しました。最近では「Yahoo!検索大賞2017」の食品部門賞も受賞しました。まさにパンダフル的の勢いですが、2斤864円(税込)、1斤432円(税込)と、庶民にとっては若干お高いものです。

現在では順調に店舗を増やし、77店舗(2017年12月15日現在)。近々46道府県への出店を達成する見通しで、2018年はいよいよ全国で最後となる、東京への進出を予定しているそうです。なんと、あのスタバやドンキの出店が一番最後に回した、あの、メガバンクの三菱東京UFJ銀行がないと言われている、あの、iPhone正規修理店がないと言われている、あの、ほっともっとがないと言われている、あの、松屋がないと言われている、あの・・・クレームが来そうなので、この辺で止めておきます・・・あの鳥取県ではなく、東京都が最後の出店地になるとは、さすが大阪とで言うのでしょうか。

その人気ぶりは百貨店の催事出店も早いときは5分で完売。近頃は百貨店に数を回せなくなってきているほどで、全店舗が毎日完売状態だそうです。私も先日、開店直後に買いに行きましたが、すでに10人ほどの行列ができていて、車に戻る頃には駐車場の入り口にも行列ができているほどでした。

雑誌に書いてありましたが、特にお年寄りのリピーターが多く、「これじゃないとおとなしく朝ごはんを食べてくれない」子どもや、「これしか食べない」贅沢なお犬様もいるそうです。中にはルーティンとして食べている超有名スポーツ選手もいるそうです。

これ程にも支持されている理由は、まず、「耳までやわらかい」という特徴です。中にはこの耳を食べたくて買う人もいるようです。だから、「まずはそのまま」とお店も案内しているほどです。

また、単にふわふわなだけではなく、「高級『生』食パン」の「生」が、「生チョコなどの『生』と同じイメージで、くちどけのよさを表現している」(同店の阪上雄司代表)ように、しっとり感と絶妙な弾力が何とも言えません。

他に例えようがありませんが、あえて例えるならば、いつまでもさわっていたいと思う“赤ちゃん”のほっぺたのようです(うーん、我ながら、久しぶりに綺麗な表現をしたものです)。

なお、一晩置くと味がなじみ、購入当日とはまた違う風味が楽しめるそうです。また、冷凍保存し、レンジで解凍すると、ふわふわ感が見事に再現されるというもの。当初人気が出始めたのは、この点が口コミで広まったことが大きいそうです。

やさしい甘味は、はちみつだそうで、卵不使用のため、卵アレルギーの子どもでも食べられるところも支持されるポイントの一つでしょう。

(切り口が綺麗じゃなくてごめんなさい)

 

これを食パンのスタンダードとしてしまうと、今まで私が食べてきた食パンの歴史は何だったのだと。こう言っては何ですが、No.1だと思った、セブンゴールド「金の食パン」、パスコ 「超熟」、ヤマザキ 「超芳醇」「ダブルソフト」「ロイヤルブレッド」 「ふんわり食パン」「新食感宣言」、フジパン 「本仕込」、神戸屋 「匠の逸品」「円熟(神戸屋)」は? となってしまうので、あくまでも高級食パンにしておかなければなりません。

この「乃が美」の食パンが誕生したきっかけは、阪上代表のお年寄りとの交流にあるそうです。阪上代表は22年間飲食業界に携わる一方で、2007年からは大阪プロレスの会長も務めているそうです。その老人ホームへの慰問活動の中で、「お年寄りの楽しみは、食べることと笑うこと。やわらかいものが好きで朝食はパンが多いけど、耳は硬くて食べにくいと感じている」ことを知ったそうです。

子どもが卵アレルギーで卵不使用のパサパサのパンを食べていたこともあり、子どもからお年寄りまで喜んでもらえる「耳までやわらかいおいしいパン」を作ろうと思い立ったというのです。「やわらかくて甘いもの」は流行の定番であると感じていたこともあり、実現できれば必ずヒットすると思ったそうです。

しかし、飲食の経験が長いとはいえ、パン作りは素人だったため、理想のパンが完成するまでに2年もかかりました。目指すやわらかさがまず常識外なので、パン職人は最初から雇わず、独自に焼き時間やこね方、こねる時間などを試行錯誤したそうです。

そして遂に、焼きあがった時に潰れずギリギリ立つ「腰折れ寸前」のやわらかい食パンを実現します。ポイントは「材料の組み合わせ」にあるそうです。オリジナルの粉は、阪上代表ともう一人の社員しか知らない黄金比率でブレンドされているそうです。

カナダ産の最高級小麦をはじめすべて高級食材を使っているそうで、一つでも違う材料に変えたら同じものはできないし、いつもの材料であってもコンディションが違っていたりするとうまく焼きあがらないこともあるそうです。まさに食べ物というより生き物です。「それだけ繊細なので、見よう見まねで作れるものではない。高級食材を集めた高級パンはよそにもあるが、ここまでの口どけは他では作れない」と、阪上代表は言います。

繊細なだけに、管理にも気を遣い、各店月に一度の頻度で本店にパンを送らせ、味にぶれがないかをチェック。さらに店舗責任者の会議も毎月開き、各店の取り組みなどを確認するそうです。製造責任者も年に2回、工場で工程などの確認作業を行っているそうです。

その阪上代表の実家は米屋でした。しかし、小学校六年生のときに経営が傾き、食べることに苦労した経験を持つそうです。だから、飲食店の経営においては、少しでも米を広められたらと、焼き肉などご飯を食べてもらえるジャンルを意識して手掛けたそうです。特に子どもには好きなだけ食べてほしいという思いがあったので、バイキングをメインに展開したそうです。しかし、台風やBSE問題など社会情勢に大きく影響される、薄利で苦しい商売でした。

でも、「しっかり儲けなければ社員にボーナスも出せないし社会にも貢献できない。いつかは世情に左右されない商売をしたい」と、そんな思いを長年持ち続ける中で、老人ホームの慰問でパン作りを思い立ち、当初は「米屋の息子がパン屋なんて」と申し訳なさもあったそうです。

こうした経緯があるからこそ、食パンの美味しさはもちろん、イメージにもこだわり、飲食店経営の苦労から、「長く愛されるのは、老舗で強い一品があるところ」と確信したため、老舗のような雰囲気を大切にしているそうです。たとえば、お土産としても利用してもらいたいので、老舗の和菓子屋のような紙袋を採用しているとのことです。また、その狙いどおり、今、お土産や差し入れとしても重宝されています。

それでも、最初から順風満帆だったわけではなく、オープン初日はわずか30本しか売れないという厳しい出だしでした。「自分で『高級』って言ってるよ」「800円のパンなんか誰が買うのか」と、客にも身内にも笑われたと阪上代表は振り返ります。売れ残ったパンをコツコツ売り歩きました。

そして、開店から3ヶ月が過ぎた頃、87歳のおばあちゃんから手紙が届きます。「生きている間にこんな美味しいものを食べられると思わなかった」と、綴られていたそうです。そして、「やっとここまでたどりつけた。この商売はいける」と確信した瞬間だったそうです。その後、徐々に客足は伸び、行列ができる店として評判を呼ぶようになりました。

今後は海外進出も考えているそうですが、国内ではコンビニとのコラボを実現したいそうです。大阪と神戸を除き、1県に2店舗のルールで出店しているため、お店に買いに行けない人もまだまだ多いのがその理由であり、イメージとして、「冷凍で二枚入り」として「地方のお年寄りにもっと食べてもらいたい」と言っています。

なお、私の食パンライフは、食パンをフライパンで焼いたトーストが好みです。自分で焼き加減を調節できますし、何しろトースターを準備しなくてもいいのです。また、厚切り食パンの場合、トースターに入らない場合も多いからなのです。というよりも、トースターがありません。

一押しはトーストし、軽くバターを塗って、そこへ別に買って、温めてあったセブンプレミアムの“塩さば”を挟んでのサバサンドです。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
どうやら、見ていたソースが古かったようで、ほっともっとはあったのですか。
後は、サイゼリアとかピザハット、リンガーハットにワークマン・・・って、この話じゃなくて。

私にとっては、高級すぎて。確かに特別な時だけでいいように思いますが、特別な日ってあるのかな。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

鳥取店の方が松本店よりオープンが早かったようですね^^v
私の通勤途中の一本道違いにあるみたいです@鳥取

以前弟が来訪時に買ってきてくれたような記憶が・・・
味は覚えてません^^;

ここんところパンはある事情で”ライ麦パン”か”玄米パン”しか食べていませんのでパンダフル(ウケました!)な勢いの赤ちゃんのほっぺのような食パンを食べることあるのかしら・・・

因みにほっともっとはありますよー
松屋という個人商店もありますよー(笑)




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