野球小僧

第101回 全国高等学校野球選手権大会 三回戦 東海大相模高(神奈川) vs. 中京学院大中京高(岐阜)

第101回全国高等学校野球選手権の大会第10日目からは三回戦。阪神甲子園球場に太陽とともに球音が戻って、4試合が行われました。

■第1試合

作新学院高は初回、中島選手のタイムリーヒットで先制。その後は、3回表に立石選手のランナー一掃のタイムリー2ベースヒットが飛び出すなど、終わってみれば19安打で18得点を挙げました。投げては先発・林選手が、8回途中までノーヒットの快投で作新学院高が大勝で準々決勝進出を決めました。敗れた岡山学芸館高は、投打ともに振るいませんでした。

作新学院 113122080|18
岡山学芸館000000000|0

■第2試合

中京学院大中京高は2回表、二村選手のタイムリーヒットで先制。その後は逆転を許すも、7回表に打者一巡の猛攻で7点を挙げ、再びリードを奪い、9回表にも追加点を挙げ、中京学院大中京高が1975年以来の44年ぶりに三回戦を突破しました。敗れた東海大相模高は投手陣が振るわず、選手権4年ぶりの準々決勝進出とはなりませんでした。

中京学院大中京010000701|9
東海大相模  001002100|4

■第3試合

明石商業高は1点ビハインドで迎えた8回裏、清水選手の内野ゴロの間に三塁ランナーが生還し同点。そのまま迎えた延長10回には、1アウト満塁から河野選手がスクイズを決め、サヨナラ勝利を収め、初のベスト8進出しました。敗れた宇部鴻城は、先制するもリードを守りきれず、準々決勝進出とはならなかった。 

宇部鴻城2000000000 |2
明石商 0000100101x|3

■第4試合

八戸学院光星高は2点を追う3回裏、大江選手のタイムリーヒットなどで3点を奪い逆転。その後、6-6の同点で迎えた9回裏に、1アウト満塁から下山選手がタイムリーヒットを放ち、八戸学院光星高が劇的なサヨナラ勝利で準々決勝進出を決めました。敗れた海星高は、6回に3点差を追いつくも及びませんでした。

海星    300003000 |6
八戸学院光星103200001x|7

三回戦で東海大相模高が中京学院大中京高の前に逆転負けでした。二回戦では昨夏ベスト8滋賀・近江高を6-1で下し、優勝した2015年以来4年ぶりベスト8進出を狙っていましたが。

それでも、二回戦と同じく東海大相模高らしく、攻撃面では、相手守備のミスを突いたり、送球間の進塁など隙のない走塁が生きて得点を重ねました。アウトを恐れない積極性、そして門馬敬治監督による「ボールがピッチャーに返るまで絶対に目を切るな、絶対気を抜くな」という教えが最後まで貫かれていました。

門馬監督は東海大相模高OB。高校時代はセカンドを守り、主将にも就任していました。甲子園出場経験は残念ながらありませんでした。その後、東海大に進学しますが、ケガのため学生コーチに転向。当時の監督だった原貢さんの運転手などを務めています。「門馬敬冶という人間は、必ず、指導者として大成する」と原さんは見込んでおり、運転手として傍に置き、いろいろな話を聞かせて学ばせてきました。

大学卒業後は東海大、東海大相模高校でコーチを務め、1999年に29歳で東海大相模高の硬式野球部監督に就任し、監督歴20年になります。甲子園には選抜大会6回、選手権大会4回出場しており、その間、2000年第72回選抜高等学校野球大会、2011年第73回選抜高等学校野球大会に優勝、2015年の第97回全国高等学校野球選手権大会では夏45年ぶりに同校を優勝に導いています。

2001年3月10日。東海大相模高の卒業式。いつもは笑顔である卒業式がその日の野球部員たちは涙でした。前日、主将だった菊池一也さん、マネージャーだった井上茂樹さんんらの呼びかけで三年生全員が集合し、「最後はこのグラウンドで練習をして終わろう。そして、門馬監督のノックを受けて卒業したい。あの厳しいノック、日本一のノックがあったからこそ、守りのチームで選抜優勝が出来た。監督のノックが僕らの卒業式だ」と、式が終わると選手たちは部室に集合しました。

しかし、2000年の秋に部内の不祥事があり、門馬監督は1年間の謹慎処分を受け、グラウンドには1歩も踏み入れることは出来ません。「どうか、お願いです。ちょっとでいいんです。僕たちにノックを打ってください。お願いします。お願いします」と菊池さんが門馬監督に涙を流しながら、何度も何度も頭を下げましたが、ルールを曲げることは出来ません。

その代わり、部長がノックを打ち、最後の練習がはじまりました。「僕たちは門馬監督にここまで大きくしてもらいました」とありがとうの思いを込めて、現役時代と一切変わらない元気な声と一生懸命なプレーを、門馬監督はスタンドで見守りました。

この時は守りのチーム。今年の夏は打撃のチームで優勝を狙ってきましたが、門馬監督は「打ちたかった。(初戦の近江)林君からも点は取っているが、打っていない。甲子園は打てないと勝てない。試合の中の対応で、(打力を)引き出してあげられなかった。僕の指導不足」と強力打線を発揮できませんでした。

激戦の神奈川を勝ち上がるのは並大抵なことではありません。甲子園で勝てなかったのは残念ですが、だからと言って、神奈川での栄光は変わりません。次のチームも楽しみです。


コメント一覧

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eco坊主さん、こんばんは。

今年は確かにビッグイニングが多いですね。しかも、案外大差の付く試合も。それだけに、ちょっと目を離した間に試合展開が変わってしまうことも・・・

東海大相模高・門馬監督と鳴門高・森脇監督のポーズ。うーん、気が付きませんでした。あの場所では、みんなあのポーズになってしまうのでしょうね。

ポーズと言えば、私も休み中にボーズにしてきました。
eco坊主
おはようございます。

昨日は仕事、依って見聞きすることはできませんでした。
中国地方はこれで全滅ですねorz
仕事帰りに散髪に行き(高校球児頭)そこでハイライト観ました。
中京学院大中京勝ちましたね!
今年はビッグイニングの試合が多い気がします。

神奈川県を勝ち上がるのは並大抵ではないでしょうね。
明訓高校、東海高校、白新高校、、横浜学院高校、吉良高校、東郷学園など強豪校目白押しですもんね~えっ!(笑)

今日気がつきました。
下の『最近の画像』門馬監督と鳴門の森脇監督がほぼ同じアングルで同じポーズですが・・・狙いました???
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