沖縄県では夏の甲子園の組み合わせも決まり、いよいよ予選が始まります。
その後は順次、各都道府県で組み合わせが決まって、7月後半になると47都道府県すべてで夏の甲子園出場校が決まります。
もちろん、高校三年生の野球部員にとってはラストステージ。
試合に負けてしまうとそこで高校野球からは引退です。
しかし、この予選を前に組み合わせが決まる前の日までに、早々と高校野球を引退しなければならない三年生もいます。
高校野球の名門・強豪校となるとレギュラー争いも厳しいものがあります。
一学年で50人近く、マネージャーを含む全部員の数は150人にも及ぶ野球部だってあります。
その中からベンチ登録できるのはわずかに20人。
県予選を勝ち抜いて、甲子園に出場を決めたら、その枠は、さらに狭まって18人となります。
ベンチに入れないと判ったその時。
三年生の夏は事実上終わりになります。
実力はあったもののケガなどでベンチに入れなかったり、実力が及ばなかったり、一度もAチームに呼ばれず、Bチームのまま高校野球が終わってしまったり。
ここまでの道のりは各自いろいろだったと思います。
それだけに、心の中に去来する複雑な思いも、いろいろだと思います。
そんなメンバーの為に、“花道”という意味で“控えの三年生”だけでの引退試合があります。
メンバー外の選手に、このような舞台を準備してあげることは、ある意味素晴しいことではあります。
しかし、一方では当事者となった本人にとっては酷なことでもあります。
彼らはこれから先、本当にすべての三年生が引退となる日までは練習試合にも出られず、目の前の目標も定められず、ただ単に日々練習するだけでもありますからね。
でも、彼らは選手として戦えなくても、最後までしっかり支えて大会で勝ち続けたいと思っているはずですし、後悔はしていないことだと思います。
「自分の夏」は終わりましたが「チームの夏」が始まります。
甲子園に向けて。