任期満了に伴い、2019年9月15日に投開票された長野市議選（定数39）で、無所属で新人のグレート無茶選手（本名；竹内敏之）が候補者52人の中で、現行の定数になった2007年以降、最多の6231票を獲得してトップ当選を果たし、覆面レスラー議員が誕生しました。
新人で信州プロレス代表のグレート無茶選手は「長野県を元気に！」を目標に2007年に信州プロレスを旗揚げし、県内各地で試合を開催しています。まだ、私は観に行ったことはありませんが。なお、リングネームは学生時代から使い続けており、グレート・ムタ選手をオマージュしたものです。
本業（？）のプロレスでのビッグマッチ「無茶フェス」では、毎回強豪レスラーとの激闘を繰り広げています。
2008年「30時間プロレス」で蝶野正洋さんと対戦。
2010年には自らの（学生プロレスから数えて）デビュー20周年と信州プロレス旗揚げ3周年記念の「Re:2010 塩尻くみきやPresents グレート☆無茶の大冒険 第1弾 in BigHat」では、DJダーク★無茶選手（以下「DJ」）とのタッグで藤波辰爾選手、初代・タイガーマスク選手と対戦。
同年8月「32時間プロレス」ではチャールズ今井選手とのタッグで大仁田厚選手、佐野直選手とも対戦。
2011年「RE:2011 グレート☆無茶の大冒険 第2弾」では藤波辰爾選手、初代・タイガーマスク選手、長州力さんとDJ選手、アブドーラ小林選手（大日本プロレス）をパートナーに6人ダッグで対戦。
同年10月「アクアクララ北信州プレゼンツ！無茶フェス in 栄村2011」で大仁田厚選手とタッグを組んでいます。
2012年「無茶フェス2012 in ビッグハット」で藤波選手、初代・タイガーマスク選手、長州さんと2度目の対戦。
同年9月「34時間プロレス」で大仁田選手とシングルマッチで対戦。
2013年9月「無茶フェス2013 in 松本」で藤波選手、初代・タイガーマスク選手、長州さんと3度目の対戦。
同年10月「無茶フェス2013 in 栄村」において、藤波選手とシングルで対戦。
2014年8月「無茶フェス2014 in 佐久」で高山善廣選手とタッグを組んでいます。
同年11月「無茶フェス2014 in 伊那」では、この日1日限りの復帰となった仲野信市さん、シマ重野選手（新潟プロレス）と組んで、藤波選手、初代・タイガー選手、LEONA選手と6人タッグマッチで対戦。
2015年5月「無茶フェス2015 in 伊那」で富豪富豪夢路選手とのタッグで越中詩郎選手、青柳政司選手と対戦。
同年6月ZERO1主催の超花火プロレスに参戦し、大仁田選手とのタッグで有刺鉄線電流爆破バットデスマッチに挑戦。
同年8月「無茶フェス2015 in 上田」では、船木誠勝選手、高山善廣選手、大鷲透選手とのタッグでヒロ斎藤選手、TARU選手、"brother"YASSHI選手、ブードゥーマスク選手組と対戦。
2016年5月「旗揚げ9周年記念マッチ」で越中詩郎選手、ザ・グレート・カブキさんとタッグを結成し、富豪富豪夢路選手、マイケル・ウェーバー選手、ワンバン・ベロウズ選手組と対戦。
同年12月ZERO1長野大会で大仁田選手と電流爆破バットデスマッチによるシングルマッチで対戦。
2017年5月「無茶フェス2017 in ビッグハット1」で大谷晋二郎選手とタッグを組み、TARU選手、ボブ・サップ選手組と対戦。
同年6月「南牧村元気まつりマッチ2017」では藤波選手、LEONA選手とタッグを組み、百田光雄選手、長井満也選手、力選手組と対戦。
同年7月「無茶フェス2017 in 栄村」では石橋葵選手とのダックで豊田真奈美さん、中野たむ選手組と対戦。
同年8月「無茶フェス2017 in 上田」ではUWFインターナショナル対平成維震軍となり、UWF側につき、船木選手、藤原喜明選手とタッグを結成し、越中詩郎選手、齋藤彰俊選手、AKIRA選手組と対戦。
同年9月WRESTLE-1横浜文化体育館大会では武藤敬司選手、鷹木信悟選手と「チーム甲信越」を結成し、藤波選手、丸藤正道選手、桜島なおき選手組と対戦。
プロレスラー活動のみならず、地元の後援会やTV番組にも出演しており、2011年には上田市発の御当地アイドルユニット「あっぷる学園（2019年2月16日に解散）」をプロデュースし、この活躍が評価され、2013年10月に信濃毎日新聞の信毎選賞を受賞しました。また、2013年から「伊那ローメン大使」、2018年から「栄村ふるさと観光大使」も務めています。
ちなみに、2013年10月の長野市議会議員補欠選挙にも出馬していますが、2位で落選しています。
今回、立候補を表明したのは告示4日前の9月3日でした。選挙のたびにファンから期待する声があり出馬を決意したそうです。選挙期間中も赤い覆面を着用し、選挙活動を展開していましたが、街頭演説や集会を開いたのは数回のみでした。夕方にJR長野駅前で歩く若者に握手をし続けるなど、知名度を生かして浮動票を獲得。ある陣営関係者は「まさに『台風の目』。票を奪われた」と話しています。
当選が決まった後、「1、2、3、信州、あっぷる、あっぷる」とリングの上で喜びの掛け声で当選を喜び、続けて「議場に入る前には、本人確認のためマスクを外す。ただ、議会では納得できる理由が無い限り、着用する姿勢を貫きたい」「僕はこの姿で6000人以上の人から支援をいただいたと考えたら、この姿で出るのが礼儀だと思う」と議会でも覆面を着けて活動する意向をコメントしました。
なお、覆面レスラー議員といえば、2003年に岩手県議に初当選したザ・グレート・サスケ選手（みちのくプロレス）が元祖であり、その後、2012年に大阪府和泉市議スペル・デルフィン選手（海鮮プロレス）、2013年に大分市議スカルリーパー・エイジ選手（プロレスリングFTO）が誕生しています。
議会での覆面着用は、対応が分かれ、波紋を呼びました。
長野市議会会議規則は「品位の尊重」として、帽子などの着用を禁じていますが、覆面は明文化されていないそうです。それは想定外のことでしょうから。ただ、グレート無茶選手は「指示に従う」とも述べ、柔軟に対応する考えでもあります。
スウィート・チン・ミュージックで、政治を変え、ゆくゆくは覆面知事として、長野県を変えていくことを期待します。
